二次創作小説(紙ほか)
- Re: LOVE LESS×××~呪いの子とたった2人の執事~ ( No.10 )
- 日時: 2015/02/18 17:20
- 名前: あーちゃん (ID: TjCRtQ22)
生活を始める。と言っても、最初は10日間も眠っていた蒼弥様の体力を戻さないといけない。
蒼弥様も自分の体力が落ちていることは知っているので、身の回りの事を自分から進んでやるようになった。しかし、体力の落ちすぎで歩けない状況になっていたから、最初は歩けるようにする為に1ヵ月も費やした。蒼弥様が身の回りをやるようになっってからは、俺達は監視係と雑用係で交代しながら、分かれて行動するようになった。蒼弥が倒れても対応出来るようにする監視係と、蒼弥様にやらせたら、大惨事になった掃除、料理をする雑用係に、だ。
その日からは毎晩、蒼弥様の病の治療法を探す事にした。治療法がないと知っていても、諦めきれないのだ。
そんなこんなで、約3ヵ月が経った。
そんなある日、ある女性がここに来た。
[ここに蔵崎蒼弥様はいらっしゃいますか?]
蒼弥様と同じ黄色いと言うより、金に近い髪色に、幼さの残った目、赤とピンクのドレスを着ていて、蒼弥様と同じように髪をポニーテールにして、蒼弥様と対照的な黄緑のシュシュで結っている。少し細工をすれば、誰でも蒼弥様だと思ってしまう様なこんなに似ている人なんて知り合いに1人しかいない。
[もしかして、朱峰様ですか?]
[そうよ!蒼弥は居るの?]
[ええ。いまこk[お姉様?]……って蒼弥様!?]
[やっぱりお姉様だ!]
[そうよ。元気だった?]
[蒼弥様、今日は寒いから、外に出てきてはいけないといt[うん!元気にしてた!]……人の話を聞いていますか?蒼弥様?]
[うん聞いてた!それより、お姉様を家に上げて!]
[ハイハイ、解りました。朱峰様、どうぞ、此方へ]
朱峰様を家に上げてから、蒼弥様は病気だと判らない位に元気に話していた。
しかし、夕方になって、朱峰様が帰ると言うと、蒼弥様は必死に引き留めた。
[お姉様、帰んないで!]
[そうも行かないのよ。外で執事を待たしてるし、何より貴女の病気の事も心配だから]
[えっ?病気?]
墓穴を掘った。そういえば、朱峰様達には口封じをしていなかった。
[ねえ、どうゆうこと?]
理由を考えているうちに、朱峰様がちょいちょいと手招きをしてきた。
ちょっと寄ってみると、耳貸してと、耳を引っ張られた。朱峰様の口元に耳を寄せると……
(アンタ、まだ蒼弥に病気の事話してないの?)
いきなりこの事だ。
(ええ、蒼弥様には絶対話せないですよ)
(今日のディナーの時に話した方が良いわよ。命が欲しければ、ね)
(えっ?どうゆうこt)
私が言い終わらない内に、とん、と突き飛ばされた。
[じゃあね蒼弥♪]
そして、ディナーの時、蒼弥様が聞いてきた。
[ねえ、僕が病気ってどうゆうこと?]
[本当は話したくなかったのですが、仕方ないですね]
そう言って、朱雀は話始めた。
[蒼弥様は4ヵ月と10日前、倒れたのは覚えていますよね?]
[うん]
朱雀の言葉を引き継いで、私は話始めた。
[あの時、蒼弥様は病にかかっておられたのです。]
[じゃあ……起きた日から続く頭痛は……]
[何故、早く言わなかったのか知りませんが、その病気の症状だと思います]
[じゃあ、僕はどうなるの?]
これが聞かれたくなかったら言わなかったのに……
[お医者様からは、2年半持てばいいほう、3年以上生きれれば奇跡だと……]
[ちょっと待って森羅]
朱雀に呼び止められた時、蒼弥様は泣いていた。
嗚呼、こんな顔が見たくなかったから言わなかったのに……
[で……治療法……はあるの?]
つっかえながら聞く声はずっと聞いてた声なのに、別人の様な気がした。
[治療法は……この国にはないと]
そう言った瞬間、蒼弥様はまた、声を上げて泣いていた。
蒼弥様の命の日消えるまであと
2年と2ヶ月
- Re: LOVE LESS×××~呪いの子とたった2人の執事~ ( No.11 )
- 日時: 2015/02/19 09:48
- 名前: あーちゃん (ID: TjCRtQ22)
蒼弥様に病気の事を話してから、2ヶ月以上が経った。
蒼弥様はあの日の翌日から、わがままを言うようになった。本人曰く[残りの人生を楽しく過ごしていたい]だ、そうだ。そして、自殺未遂も繰り返すようになった。
昼はわがままばかりのプリンセス?だけど、夜は[この世界にいる意味なんて無い]と、言って、飲み物に毒を入れたり、この前は手首を切っていた。幸い急所は外れていたが、出血の量が酷かったから三日三晩寝たきりだった。
要するに、蒼弥様は二重人格になってしまったのだ。
蒼弥様の自殺未遂を止めさせる為、ナイフや紐等、これを使えば絶対に自殺できるという品物は取り除いていった。護身用のナイフや剣も使えなくなった。
それから4ヶ月。緑の髪の女性がやって来た。
[あの〜ここに蔵崎蒼弥様はいらっしゃいますか?]
[あっれ〜、飛鳥じゃん。どしたのー?]
[蒼弥様が病にかかったって聞いたから、お見舞いに]
- Re: LOVE LESS×××~呪いの子とたった2人の執事~ ( No.12 )
- 日時: 2015/02/24 14:45
- 名前: あーちゃん (ID: TjCRtQ22)
飛鳥はこの辺の国では有名な歌姫だ。
その歌姫がフランス領にあるスラム街に行くことになった。
[ん〜、と、まあこう言うことで、ちょっと癒されに。それに、蒼弥が倒れるって1年以上前から聞いてたのに、何もしてあげられなかったから……]
ん?1年以上前?蒼弥様が倒れたのは10ヶ月前……
[飛鳥、お前、間違えてないか?]
[えっ?ああ、うちに未来を予言する魔導師がいるの。その娘の予言が必ず当たるから]
[ねえ、飛鳥お姉ちゃん、その魔導師の名前って?]
[あっ、蒼弥じゃん。元気にしてたか?]
[ん〜、今日みたいな日は元気かなぁ?で、質問の答えは?]
[ああ、名前?えっと〜ルミカちゃんだったかな?]
いつの間にかに俺の洋服の裾を引っ張って質問をしていた蒼弥様が、答えを聞いて固まっていた。
それも、向日葵の様な笑顔のままで。
[ねえ、飛鳥お姉ちゃん、今から飛鳥お姉ちゃんの家に行けない?]
[今から?ねえ、お兄ちゃん、蒼弥連れて行っていい?]
[ちょっと待って、森羅に聞いて来るから]
森羅の書斎の前
[おーい森羅、居るか?……入るぞ]
一応ノックしてから入ったから、文句は言われないだろう。
[何?]
[ん?蒼弥様が飛鳥の家に行きたいって]
[良いんじゃないか。箱入り娘←だし]
[移動手段は?]
[馬車だろう?そんな解りきって……あ……]
ずっと書く事に集中していた森羅が驚いた様に顔を上げた。
[そうだよ!蒼弥様が馬車嫌いな事を忘れたの!?]
[どうするか……まあ、飛鳥がいるし、大丈夫だろう。話が終わったなら、部屋から出てくれ。]
またもや蔵崎家別邸門の前
[森羅は良いって。でも蒼弥様、その格好で外に出るんですか?]
[うっ……///]
今の蒼弥様の格好は……
パジャマ姿なのだ!
猫柄のパジャマに蒼弥様の猫耳と尻尾が映えて可愛いが、外に出るとなると、話は違う。
[ドレスに着替えましょう。蒼弥様]
[わかった。でも、いつものじゃなくて紺色のだからな!]
五分後……
紺色のドレスに着替えた蒼弥が出てきた。
蒼弥様はコルセットを巻かないでも女の子に見えるから、着替えさせるのが楽だ。
[いってらっしゃい、蒼弥様。飛鳥、夕食の時間までに帰ってこい]
[わかった、お兄ちゃん]
蒼弥様が帰って来るまで6時間弱ある。
何をしていようか……
- Re: LOVE LESS×××~呪いの子とたった2人の執事~ ( No.13 )
- 日時: 2015/02/24 18:50
- 名前: あーちゃん (ID: TjCRtQ22)
馬車に揺られて約10分。飛鳥の家に着いた。
[で、どうしたの?急にうちに来たいなんて言い出して]
[あーら、どうしたの?今日は夜まで帰らないって言ってたクセに?]
階段の上から誰かが降りてきた。目の前に見えるのは薄いピンクのドレス。
[ルミカちゃん起きてたの?ドレスのままで寝ちゃダメって言ったでしょう?]
[今起きたところよ。ドレスのままで寝てないし、それに、1年半ぶりね蒼弥。元気だった?]
[うん!]
蒼弥はうっすら涙を浮かべながらルミカに抱きついた。
ルミカもその小さな体を抱きしめた。
[そういえば、森羅から預かっているものがあるのよ]
[うん、森羅兄ちゃんから蒼弥君に蒼弥様がこちらにきたら渡してくれ。って]
そういって渡されたのは、小さめの小包だった。開けてみると……
[ぬいぐるみ……?]
黒い犬のぬいぐるみだった。テディベアみたいになっている。
[か……可愛い!]
自分が“可愛い娘”として扱われてきたせいで、すっかり可愛いモノ好きになった蒼弥は、森羅が作ったぬいぐるみを抱き上げてそういった。
その後、飛鳥の家を廻って、ルミカも入れてティータイムを楽しんで、おしゃべりをしていたら、あっという間に約束の時間になった。
[じゃあ、お兄ちゃん達に怒られちゃうし、もう帰ろうか]
[それじゃあ、私が送って行くわ]
[ルミカちゃんが?]
[ええ、馬車に乗ってみたいし、森羅と朱雀って人に話があるから]
[わかった。じゃあね、蒼弥。当分帰って来れないから最後に会えて良かった!]
[じゃあ、行ってくるわ。あなたがいない間は蒼弥の家に居るから、帰ってきたら鳩、送ってね。いつもの……]
[わかったから。いつものピンクの鳩にピンクの便箋を括り付けておくんでしょ?]
[そーゆーことー。いってらっしゃい飛鳥]
[いってきますルミカちゃん]
ルミカは蒼弥と一緒に馬車に乗り込んだ。
- Re: LOVE LESS×××~呪いの子とたった2人の執事~ ( No.14 )
- 日時: 2015/02/28 10:15
- 名前: あーちゃん (ID: TjCRtQ22)
[で、森羅と朱雀に話って何なの?]
馬車が動き始めてすぐに蒼弥はこう聞いた。
[ん〜、あなたの事でその二人に“注意”をね]
[え〜、なになに?]
[いつか時が来たら話すわ]
それで納得したらしい蒼弥はそれ以上何も聞いて来なかった。
それから10分。自分の屋敷に着いた。
[おかえりなさい、蒼弥様]
[うん、ただいま]
他愛もない会話が久しぶりに思えた
[失礼ですが、隣の女性は……]
[ん〜、覚えてない?ずっと前に話したルミカだよ]
[これは失礼しましたルミカ様。蒼弥様、夕食の準備が出来ています。早くお上がりください。ルミカ様もよろしければ一緒に]
[ありがとう。じゃあ、私もご一緒させてもらうわ。行きましょ、蒼弥]
[あー、ちょっと待って。屋敷案内も含めてルミカの部屋は教えるから、先にご飯にしよう?]
[ええ、そうね]
屋敷の中に入った途端、驚きの声を上げたのはルミカだった。
[こんな大きな屋敷を執事二人で整えてるの?]
[いいえ、今日は蒼弥様が遊びに出掛けておりましたから。いつもは蒼弥様の部屋と私達の部屋、エントランスと階段をやっております]
[それでも、掃除だけで1日が終わっちゃうんじゃないの?]
[いいえ、いつも2時間程度で終わりますが?]
こんな会話が続くのも無理はない。屋敷の中が世紀の大掃除並みに綺麗だったからだ。
[ルミカ、大広間に行かない?]
ずっとほったらかしにされてた蒼弥が退屈そうに聞いてきた。
[ええ、そうね。蒼弥、案内はよろしくね]
[案内は後って言ったでしょ?]
蒼弥はルミカと手を繋いで大広間の方へ走って行った。
[こら、走ったら危ないですよ]
走って行く二人を見て朱雀は注意をするが、あまり聞こえて無いようだった。
朱雀はやれやれ、と思いながら、歩いて大広間に行った。
- Re: LOVE LESS×××~呪いの子とたった2人の執事~ ( No.15 )
- 日時: 2015/03/01 11:16
- 名前: あーちゃん (ID: TjCRtQ22)
大広間の扉を開けると、森羅が待っていた。
[あっ、蒼弥様。おかえりなさい]
[森羅、ただいま]
[ルミカ様も、ようこそ我が主の屋敷へ]
[あら、蒼弥の話から覚えていたのね]
[ええ、記憶力はいい方ですから]
[………そんなことより、お腹空いた!]
またしてもほったらかしにされてた蒼弥が抗議の声を上げた。
[わかりました蒼弥様。じゃあ、自分の席に着いてください。ルミカ様は蒼弥様の一番近くの席にでも]
[うん!]
[わかったわ]
そんなこんなで4人のいつもよりにぎやかな夕食が始まった。
最初は森羅がくれたぬいぐるみの話から。あのぬいぐるみは犬ではなく猫のぬいぐるみだと解った。
次にルミカの出身地の話。ルミカの出身地はイングランド帝国というここからずっと遠い国らしい。その国ではピンクや緑、青や紫等のカラフルな髪の色の人が多いらしく、森羅と朱雀が蒼弥にじっと見つめられた。
[もしかしたら、あなた達の祖先がイングランド帝国の生まれだったのかもね。蒼弥も同じよ]
黄色い髪の種族もいたから、という言葉で出身地の話は終わった。
食事が終わった後、真っ先に切り出したのは蒼弥だった。
[じゃあルミカ、部屋の案内をしたいけどいい?森羅、僕のドレスで一番大きいヤツ、出しといて]
[ええ、是非ともお願いするわ]
[蒼弥様、あのドレスはスカートの丈があわn[いいから!あのドレスを僕の向かいの部屋においといて!]……わかりました蒼弥様]
[それと朱雀、(ルミカの背丈に合うネグリジェ有ったよね。あれも、僕の向かいの部屋においといて。それともうひとつ、)僕もドレス着替えたいから、手伝って!]
[わかりました蒼弥様。着替えるドレスはいつものでいいですか?]
[ううん、薄いピンクの。ルミカ、僕着替えたいからちょっと待ってて。ルミカに合うかわからないけど一着、僕には大きいドレスがあるから着てみて。ルミカのことは頼んだよ、森羅]
[わかりました蒼弥様。ルミカ様、行きましょう]
[えっ、わかりました]
蒼弥の向かいの部屋
[着替え終わったわ。入っていいわよ]
[失礼します]
ルミカの一声を聞いて、森羅が部屋の中に入ってきた。
[すごくお似合いですルミカ様]
[そ、そう?ありがと]
蒼弥が頼んだドレスはルミカの背丈にぴったりで、色も似合っていた。
[髪を結ってもよろしいでしょうか?]
[そこまでやってくれるの?お願いするわ]
森羅はルミカの髪を丁寧にすいて、頭の上で一本にまとめてくれた。ルミカの髪に似合う淡いピンクのシュシュで。
[ありがと。首元がすっきりしていていいわね]
[礼には及びません。よく私もやっていますから。]
一方その頃、蒼弥のクローゼット的な部屋では……
[ピンク、ピンク♪…………あった!]
蒼弥が自分のドレスを探していた。
[蒼弥様、ルミカ様に渡したドレスの色って……]
[もちろん、淡いピンクの]
[どうしt]
どうしてピンクの髪にピンクのドレスなんですか?と聞こうとした朱雀に一枚の写真が渡された。
[ルミカがお母様に似ているから。お母様はピンクの髪で、トレードマークのドレスはいつもピンクだった。それに、ルミカのことを森羅に任せたのは、僕の言いたいことに気付いてくれるから]
[…………]
[そんなことより、ルミカを待たせてるんだから急がなきゃ!ひさしぶりにコルセット巻くから手伝って!]
それから10分後…………
[ルミカ—、着替え終わった?]
[ええ、蒼弥は?]
[僕も終わったよ]
- Re: LOVE LESS×××~呪いの子とたった2人の執事~ ( No.16 )
- 日時: 2015/03/08 08:42
- 名前: あーちゃん (ID: TjCRtQ22)
[じゃあ、行こうか]
蒼弥が差し出した手をルミカは丁寧に取った。
[ええ、よろしくね“小さな案内人”]
[小さいって言われるのは不本意だけど、わかった!]
[えーっと。此処が厨房で、こっちがワインセラー、んで、少し行ったあそこが食料庫で………]
可愛く小さな案内人は久しぶりの案内ですごく楽しそうだ。
ルミカも蒼弥の話を聞いて、相槌まで打っている。
[最後は二階。一番左奥の右側の部屋が僕の部屋。ルミカは向かいの部屋を使っていいよ。1部屋挟んで僕の隣の部屋が森羅の部屋、その向かいの部屋が朱雀の部屋。他の部屋は物置だから、間違えないでね。あと、何かあったら、森羅か朱雀に言えばいいから。森羅、ちょっと来て]
すべての部屋の案内を済ませたあと、蒼弥は森羅を呼んだ。
[今日ははしゃぎ過ぎたみたい。少し辛いからもう寝る。だから着替え手伝って。あと、ルミカに隠し部屋が2部屋あるけど、どっちも入らないでって………]
[分かりました、蒼弥様。ルミカ様、蒼弥様が“隠し部屋が2部屋あるけど入らないでほしい”と。くれぐれもお願いしますね]
[分かったわ。蒼弥を寝かし就けたら、客間に来てちょうだい。朱雀も。待ってるから]
そう言い残して、ルミカは一階に降りていった。
部屋に入った蒼弥は辛そうに、森羅に体を預けた。
[今日だけドレスで寝ちゃ………]
[だめです]
[………そうだよね]
[分かっているんでしたら早く着替えましょう?]
[はーい]
直ぐに着替えてベッドに入った蒼弥は、苦しそうにしながらも、数分で眠りに落ちた。森羅は眠った蒼弥の髪を撫でて、
[自分が病気だということも忘れて、本当の親に似ているルミカ様とはしゃぎ過ぎですよ“レン様”]
と、言った。
森羅が最後に言った“レン様”とは誰なのか。
蒼弥の余命宣告の2年半まであと
1年と8ヶ月
- Re: LOVE LESS×××~呪いの子とたった2人の執事~ ( No.17 )
- 日時: 2015/03/09 06:34
- 名前: あーちゃん (ID: TjCRtQ22)
客間の扉を開けると、紅茶を飲んでいたルミカが声を掛けてきた。なるほど、姿勢が亡くなった美野里様に似ている。
[あら、早かったじゃない。蒼弥は?]
[少し苦しそうにしていましたけど、もう寝ました]
森羅はそう言うと、脇に挟んでいた本を机の上に置いた。
[なにそれ?]
[蒼弥様の病状日記ですよ。月1で来るお医者様に見せたりするために。この文字は私と朱雀で決めた暗号文字なんです。蒼弥様には教えていません]
[へぇ、何で?]
[それはルミカ様にも内緒です]
[ふーん]
- Re: LOVE LESS×××~呪いの子とたった2人の執事~ ( No.18 )
- 日時: 2015/03/11 19:32
- 名前: SINODA KEIN(ユキ) (ID: 3DfkPLsQ)
蒼弥君・・・・・・・。
こんにちは、ユキです。
やべぇ・・・・・・・すげぇ・・・・・・・・なんかスリル感はんぱねぇです・・・・・。
あとたった1年と8ヶ月しかない中ででてきた「レン様」って・・・・・。
続きが楽しみです♪すっごく!レン様ってだれですか!!??
更新、楽しみにまってます♪
がんばってくださいね!
では、失礼いたします!
- Re: LOVE LESS×××~呪いの子とたった2人の執事~ ( No.19 )
- 日時: 2015/03/14 00:15
- 名前: あーちゃん (ID: TjCRtQ22)
参照140ありがとうございます!
“レン様”は誰なのか?と言う質問ですが、物語の内で明かして行きます。
本編スタート!
少し不機嫌な声を出しながらも、ルミカは納得したようだ。
[で、蒼弥様………いえ、“レン様”から話は聞きました。お話とは何ですか?]
蒼弥様と口にしたとき、ルミカに睨まれて、森羅は直ぐに名称をレン様に変えた。
[あなたたちに話したい事。それは蒼弥……この場ではレンって呼びましょう……まあいいわ。とにかくレンの未来よ]
ルミカはレンの未来について話始めた。
side:蒼弥
僕は夜中、目が醒めた。
ちょっとベッドでゴロゴロしていたが、全く眠れない。
——朱雀か森羅に寝かしてもらおう——
僕はそう思って、部屋から出た。その時……
[…っ!……痛っ]
僕は突然の頭痛にその場に崩れた。
部屋に戻ろうと思って近くのテーブルに手を掛けるが、足に力が入んなくてまた崩れ落ちる。
痛みに耐えきれずに僕は倒れたテーブルの近くに倒れた。
テーブルの上に置いていた花瓶が割れた音が遠くで聞こえた。
これじゃ森羅達に迷惑掛けちゃうな、と思いながら、僕は意識を手放した。
- Re: LOVE LESS×××~呪いの子とたった2人の執事~ ( No.20 )
- 日時: 2015/03/17 16:33
- 名前: あーちゃん (ID: xy9VqjvI)
side:off
「お医者様はレンのこと、なんて言ってたの?」
森羅はルミカの様話”を聞いていた。話、と言っても、ルミカの質疑応答がメインだ。
ちなみに、朱雀は寝ている。明日は早いし、ほっといておこう。
話の状況は……
ルミカが紅茶を飲み終わる→イングランド帝国について→レンの今の身の回りの事(こっから質疑応答)→今に至る
ざっとまあこんなもんだろう
「ええと、お医者様は、“2年半”持てばいい方、“3年以上”生きていられれば奇跡だ。と………」
最後に来たお医者様が言っていました。と、森羅が最後に付け加えた。すると、おかしいわねと、考えこんだ。
「私の予知は絶対よ。予知には“5年”と出ているの。今からだと、3年と4ヶ月ね。そうすると、レンは“奇跡”の方の分類になるのね。ありが——」
ルミカが“ありがとう。助かったわ”と、言おうとしたとき、二階からガシャンと何かが割れる音がした。
「何?今の音?」
一番最初に気づいたルミカが驚いて立ち上がる。
「ガラスが割れた音か、調度品が割れた音か。どちらにしてもすぐに行かないと嫌な事になりそうです」
今まで寝ていた朱雀が聞き慣れない音に起きたらしく、伸びをしながらそう答えた。
「今すぐ行きましょう!」
森羅がそう締めくくって、三人は急いで階段をのぼった。
「これは………」
階段を上りきる一段前、何か割れた物を森羅が拾った。
よく見てみると、それは割れた花瓶だった。
「朱雀、これって………」
調度品の位置に詳しい朱雀に聞いてみる。しかも朱雀は、紋様からどこにある調度品なのかが分かるから、こういう時に便利だ。
「これは、レン様の部屋……正確には扉だな……の前の花瓶だろう」
そう話ながら、最後の一段を上る。左を向いたその時、レンが倒れているのを見つけた。
「「レン様!」」 「レン!」
一番近かった朱雀が駆け寄ってレンを抱き起こした。
そして、隣に居る“蒼弥とそっくりな男の子”を見つけた。
いや、そっくりなのは顔だけだろう。
その子は、黒猫の様に真っ黒な服を着ていて、黒猫の様な尻尾と猫耳が付いていた。両手足にも黒猫の手袋が。
誰だろうと思っていたとき、その子がむくり、と体を起こした。
「ん〜、この姿は久しぶりだから寝ちゃった」
そして、伸びをした。
ルミカがその行動を見て、まあ!と驚いた後、冷静になって話し掛けた。
「その姿で会うのは数十年振りね。久しぶり“レン”」
今度は森羅と朱雀の二人が固まっていた。それを気にせずにルミカとレンは話をしていた。
一段落話が終わると、レンは森羅と朱雀の方向を向いて話を始めた。
「やあ、この姿でははじめましてだね。僕はレン。俗に言う蒼弥君の“呪い”が実体化したものって捉えておいてね。あっ、蒼弥君は死んじゃった訳じゃないからね。僕が抜けたから、気を失っているだけ。だから、僕が蒼弥君の体に戻らないと蒼弥君は大変な事になる。だって、僕が蒼弥君の病気を防いでいたからね。知ってた?蒼弥君って生まれつき体が弱かったんだよ。生まれてすぐ死ななかったのが不思議な位。でも、僕はこの“箱庭の世界”がつまんなくなっちゃった。だから、ちょっと“外の世界”を探検したいんだ。君達が蒼弥君を外に連れてってくれるなら、今すぐ蒼弥君の体に戻ってあげる。僕も“外の世界”に一度でも出れるなら出来る限りの協力はするよ。これは蒼弥君自身の願いでもあるからね。蒼弥君を連れ出さないって言うなら、僕は一人で探検するよ。帰ってくるのは、蒼弥君の命がギリギリのところかな」
さあ、どうする?不敵に笑うレンの前で二人は考え込む様に下を向いていた。
蒼弥様の命が尽きるまであと、
一年と八ヶ月か三年と四ヶ月か
- Re: LOVE LESS×××~呪いの子とたった2人の執事~ ( No.21 )
- 日時: 2015/03/18 22:16
- 名前: あーちゃん (ID: TjCRtQ22)
「分かりました。俺達が同伴で外の世界に行きましょう。ただし、蒼弥様の体に負担をかけるようなことをしないでください。ただでさえ、蒼弥様の体に2つの魂があるイレギュラーな状況なんですから。いいですね?」
五分程考えていた二人だったが、朱雀が口を開いた。
「うん。僕が蒼弥君に負担をかけるようなことはしない。僕は蒼弥君の目で外の世界を見るだけでいい。風を感じる事は出来ないけど、僕は初めて外に出られるなら、それだけでいい。僕は蒼弥君のずっと前からこの家系に憑いていたけど、実体化してお願いしても、誰も聞いてくれなかった。それでよりしろを殺しても、次の子を探すのが大変だったからじわじわと脅す様に殺ったのはよく分かるよね。おっと、——話が逸れた——じゃあ、話を戻して……とにかく、ありがとう!蒼弥君は明日の朝、目覚めさせるから。じゃあね!」
またいつか、きっと。そう言い残して、レンは居なくなった。
その時、蒼弥の体がどくんとはねた。
驚いて、蒼弥の顔を覗き込む。
目を閉じたままだったが、意識を取り戻したようだ。
「もう寝ましょう?執事さん達も明日は早いんでしょ?」
「ええ、そうですね。もう部屋に戻りましょう。森羅?」
「ああ。蒼弥様——レンはプライベートネームにしよう。——を部屋に置いてこないと……」
と、言って森羅は蒼弥の寝室に行った。
蒼弥をベッドに乗せたあと、額にキスをして……
「おやすみなさい、良い夢を。蒼弥様」
と、言って部屋を出ていった。
長い長い一日が幕を閉じた。
- Re: LOVE LESS×××~呪いの子とたった2人の執事~ ( No.22 )
- 日時: 2015/03/22 18:37
- 名前: あーちゃん (ID: TjCRtQ22)
side:蒼弥
僕はとある夢を見た。皆にこの事を話しても笑って嘘だとか言ってそのままだから、話さないけど。
とにかく、僕は夢を見た。意識を失っているのに夢を見たってのは、ちょっと可笑しいか。
目の前に僕が居たんだ。
飛鳥姉が前に見せてくれた、昔の資料の中に居た「シャノワール」っていう子に似た衣装を着た僕が。
似た衣装っていうよりも—僕が着ているからちょっと違和感があるんだろうけど。ー一部分が似た衣装って言った方がいいと思う。だって、シャノワールみたいなセーラー服じゃないもん。猫の毛皮に似た服とズボンで、手と足には猫を型どった手袋、おまけに頭には僕と同じ?様な黒猫の耳がついていた。腰骨のあたりには、これまた僕と同じ様な黒猫の尻尾が。
まあ、そんなシャノワールに似た僕が目の前に立ってニコニコしていた。
「___、____」
君は、誰?そう聞こうとしたけど、声が出ない。そういえばこの前、首を切って死のうとしたんだっけ。命に別状はなかったけど、起きてからすぐと、風邪を引いた時には全く声が出なくなる。
それに、この前の自殺未遂は酷かったらしく、目が覚めた時、森羅に叩かれて、「次、貴女が自殺未遂をしたなら、貴女を見れなくなるようにしますから!」と怒られた。
僕が声が出ずに戸惑っていると、向こうから声を掛けられた。
「やあ、僕はレン。君の呪いが実体化した者だと考えていいからね。本題なんだけど、君の心を少しだけ覗かせて貰ったよ。そして、僕と君の共通の願い、<外の世界に行く>ってのを叶えさせてもらったよ。君も外に出たいだろうし、僕も同じだ。それと、君には<外の世界>に出る為の“代償”を貰ったからね。あっ、もうそろそろ時間だ。最後になるけど、ありがとう、楽しんできてね。僕の大切な————」
えっ、ちょっと待って!聞きたい事はたくさんあったけど、バイバイと小さく手を振るレンの後ろから光が溢れて………
目を開けた時、いつもの天井が見えた。
周りを見渡すと、扉の横に朱雀が寝ていた。それも、椅子に座って。
「風邪引いちゃうよ?」
僕はクスクス笑いながら、体を起こした。でも、立とうとしたとき、足が痛くてしゃがみこんだ。
慌てて足元を見る。そして青ざめた。
膝から下がなくなっていたんだ。
でも、物理的に消える訳がない。もしかして、これがレンの言ってた“代償”………?
『そうだよ。よくわかったね』
頭の中に声が響いて、僕は反射的に耳を塞ぐ。けれど、頭の中の声は、僕がそうやったのをまるで見ていた様にクスクス笑っていた。
『耳を塞いでも無駄だよ。僕は君の中に居るってことを忘れないで。代償については“等価交換”だよ』
等価交換。名前だけなら知ってる。
『君は“外に出たい”っていう願いをもった。他の人はその願いをかなえなかった。でも、君は願いをかなえた。その意味が解るよね?』
えっ、うーん、他の人の魂が僕の願いに付与されて、何十人の願いになっちゃた、ってこと?
『そう。本当は一人一人に代償を貰うんだけど、彼らは実体化しないからね。君に全部払って貰ったってこと。ゴメンネ。目だと、僕の願いが叶えられないから、足を貰った。二人の有能な執事が居れば、生活に支障がないはずだよ。本当にゴメンネ。僕もちょくちょくお話に来るから。じゃあね♪』
その言葉を最後に頭の中の声はなくなった。
でも、現実を受け入れられずに悲しさがこみ上げてきて………
気付いた時には僕は泣いていた。
頭の中がぐちゃぐちゃで、何をしたらいいのか解らなくなって………
朱雀が「蒼弥様!?」と驚く声が聞こえたけど、もうどうだっていいや。
僕が何度も願っても、僕の大切なモノは戻ってこない。
本当に、本当に………
- Re: LOVE LESS×××~呪いの子とたった2人の執事~ ( No.23 )
- 日時: 2015/03/26 18:08
- 名前: あーちゃん@3月21日はVNIの日! (ID: TjCRtQ22)
今日はVNIの日!ってことで、今までの暗い物語とは異なって、メインメンバー三人の誕生日を………やっちゃお!
番外編スタート!
soya side
二人共、朝からおかしい。
朝からバタバタしてるし、飛鳥姉は来るし、朱峰お姉ちゃんも午前中に来た。飛鳥姉も朱峰お姉ちゃんもいつもより可愛い服を着てきて、怒られていたっけ。
何かするんだろうけど、僕が仲間外れなのはやっぱりおかしい。
お昼の時間に差し掛かって、お腹空いたな、と思った時、扉がノックされた。
ちなみに、僕は書斎に居る。理由はなんか本が読みたい気分だったから。
「蒼弥様、お昼の時間ですよ」
ちょうどよかった。今日のお昼はなんだろう。
「うん、すぐ行く!」
僕は森羅と朱雀についていった。
〜大広間の前〜
「蒼弥様を連れて来ましたよ」
朱雀そう言うと、大広間の扉が開いた。森羅はいつの間に居なくなってる。
そして、僕が足を踏み入れると………
「Happy Birthday!蒼弥!」
思い切りクラッカーを鳴らされて耳が痛い。僕って耳が4つ有るから二倍で痛い。
てか、ハッピーバースデーって何?
「今日は12月26日、蒼弥様の誕生日ですよ」
すぐに朱雀がフォローするけど、全く意味が解らない。
「誕生日?僕が生まれた日ってこと?」
「うん!そうだよ!」
次に言ったのは朱峰お姉ちゃん。
「今日はあたしが生まれた日でもあるから、蒼弥とあたしが今日の主役」
「そーだよー、みんなみーんな一年に一回、誕生日があるんだよ?蒼弥をお祝いした事は無かったから、今日、初めてのお祝いだね!」
少し間延びした声は飛鳥姉。プライベートだといっつもこんな感じだ。
お祝いか。ちょっと面白そうかな。
お昼はすごい賑やかだった。何も知らない僕でも、楽しかった。
飛鳥姉と朱峰お姉ちゃんから、帰る前にプレゼントっていうのを貰った。
飛鳥姉は楽譜だった。アイドルらしい。僕は歌えないけど。
朱峰お姉ちゃんからはシュシュを貰った。ずっとほったらかしにしてた後ろ髪が気に入らなかったらしい。すぐにお姉ちゃんに結われちゃった。それもポニーテールで。それで、お姉ちゃん達に「可愛い!」って抱きしめられて、解放されたのは今から10分くらい前。
そして、今。森羅に「目を瞑っていてください。いいって言うまでダメですよ」って言われて、目を瞑ったらお姫様抱っこをされて。どっかに向かっているみたいだけど、目を開けられないから解らない。
それから五分くらいしたときかな。朱雀に声を掛けられた。
「蒼弥様、もう目を開けていいですよ」
恐る恐る目を開けてみると………
星空だった。
綺麗な星がたくさんあって、凄く綺麗!
「ささやかですけど、これが俺達からのプレゼントです。って、大丈夫ですか蒼弥様?」
朱雀が僕の目元を拭った。泣いていたらしい。悲しくないのに………
「人って、感動した時にも涙がでるんですよ。綺麗ですよね。この星空」
そうなんだ、感動した時にも涙ってでるんだ。
「でも、もうそろそろ部屋に入らない?寒くなってきちゃった」
僕は身震いしながら訴える。森羅と朱雀は笑顔で
「そうですね。蒼弥様」
って返してくれた。
やっぱり、僕は二人と居る時間が一番好き。
sinra side
俺は暑さで目が覚めた。
すごく蒸し暑い。
てか何で俺はこんな所で寝てんだ?
前後の記憶を呼び出してみる。
朱雀に「蒼弥様から」って言われて、コーヒーを貰った。俺は紅茶派だけど、コーヒーの時の好みを知っていたらしい。美味しかった。
二階に戻った時、急に眠気に襲われて、その場で寝た気がする。
ま、まあそれより、すぐに朱雀の所に行かないと。
開いた扉から出た俺は驚いた。
書斎?いや違う。図書館だ。誰ももう何十年も使っていないが、星空が綺麗な「天体図書館」がある。と聞いた事がある。でも、天体図書館の外観が不気味すぎて、俺が近づいた事が無かった。
ふー、ちゃんと帰ってこれた。
五分くらい前に帰ってこれた俺は、ガーデニングを………やるって表現でいいのかな?
とにかく、庭で活動している。時間は夕方。今日は青い薔薇が綺麗だから、大広間に飾る用に摘んで行こう。と思って摘みおわってから、数十分がたった。
俺は今、一階のテラスに居る。
今日は蒼弥様が「外で食べたい!」って久しぶりのわがままを言って、外で食べる事になったそうだ。
手伝おうか?と聞いたが、「森羅は待ってて」と返されてしまった。
蒼弥様が来た。いつもの紺色のドレスではなく、上半分が水色、下半分が薄い紫の以前贈ったドレスだった。やっぱり可愛い。
朱雀も来た。手一杯に料理を持って。
料理を置いた朱雀と、立ち上がった蒼弥様が、小さい声で「せーのっ」って掛け声を掛けて、言ったのは………
「誕生日おめでとう!森羅!」
今日は………7月31日。俺の誕生日か!
すっかり忘れていた。
ご飯を食べた後、賭に負けると大変なことになるゲームをやったが、感想は俺はギャンブラーに向いていないとだけ言っておく。
suzaku side
「今日はバレンタインだよね。これあげる!」
そう言って渡されたのは、ホールケーキ用の箱と、小さめで可愛いラッピングがされた袋。
ラッピングがされた袋の中はチョコレートクッキー。じゃあ、箱の中身は?
森羅に聞いてみたけど、中身は「胸焼けするぐらいすごい」らしい。
なんかよく分からない。
自分の部屋に戻って、箱の中身を確かめてみる。
手紙と一緒に入っていたのは………ザッハトルテだった。
一人にホールであげる量か!?これ!
手紙を読む。
Dear 朱雀
朱雀、Happy Birthday!
25歳の誕生日おめでとう!
2月14日、バレンタインと一緒にプレゼント!
いつも、僕の支えになってくれてありがとう♪
あっ、ザッハトルテが僕からのプレゼントだよ?
森羅からは………内緒!
今年も来年も再来年もいつまでも僕達3人が幸せな生活が送れますように。
前に朱雀と森羅、どっちが好きですかって聞いてきた事があったよね。僕は朱雀と森羅、どっちも大好きだよ。
だから、どっちなんて決められない。
気を悪くしたならゴメンネ。
あはっ、告白の文と同じになってきちゃった。
それじゃあ後は口で伝えればいっか。
ホワイトデー期待しているよ。
君たちの主人で、病気にかかっていて、わがままな男の子
From 蒼弥
と書いてあった。
さすが、字だけは厳しく指導した甲斐があった。綺麗な英語で書かれている。
さあ、このザッハトルテをどうしようかと思った時、扉がノックされた。
「誕生日おめでとうございます。朱雀」
森羅だった。えっ、でもなんか可笑しくない?なんで恥ずかしがってるの?
いつまでも入ってこない森羅の腕をおもいっきり引っ張って部屋の中に入れる。
中に入れた時、恥ずかしがってた訳がわかった。
メイド姿だ。
蒼弥様のいたずらだとは思うけど、今回は可愛いから許す!
引っ張った衝撃で座ってしまった俺の上にメイド姿の森羅が乗ってきて、耳元でこう囁いた。
「私からのプレゼントです。ちょっと痛いかもしれませんけど、我慢してください」
「ちょっ、痛いって何だよ!?」
まあ、我慢しててください。そう言われたら抵抗ができなくて。
数秒後、針を刺した時と同じ痛みが走った。
「痛っ!」 「大丈夫です。私も同じ痛みを味わってますから」
宥められるとやっぱり抵抗できなくて。
このためのメイド姿かっ!
そう思ったけど、突き飛ばす事が出来ずに、森羅にされるがままになっていた。
「ふー、やっと片方の耳が終わりました。もう片方の耳も我慢しててくださいね?」
さっきより手慣れていて、右耳の方はすぐに終わった。
「大人しくしてくれてありがとうございます。やっぱり、あなたが付けた方が綺麗です」
鏡(どこから出したのか分からないが)に映っていたのは………
イヤリングを付けた俺だった。
俺は驚いてイヤリングが付いているあたりをさわってみる。嘘じゃない。
「実は、私も付いているんです。あなたとお揃いのものを」
そう言って、森羅は自分の髪を耳の後ろに持っていった。本当だ。
「指輪にしなくて良かったです。私からのお礼です。大人しくしてくれた………」
そう言いながら、顔が近づいて来て………
額にキスをされた。
俺は顔が赤くなるのを感じた。キスをした森羅も顔を赤くしている。
今年のサプライズは凄かった。
fin
—————————————————————————————————————————————
〜あとがきいう名の言い訳文〜
やっと書きおわったお!
いつの間に日付が変わってるよ!
記念日だったのに………
次からはまた、すごく暗い話になるよ!
最後の一文が抜けてたんで、書き直しまふ。
いつも読んでくれる人も、この番外編だけよんでくれた人も
「ありがとうございました!」
3月22日 あーちゃん
- Re: LOVE LESS ( No.24 )
- 日時: 2015/03/24 16:06
- 名前: 全州明 (ID: l.rgOv2I)
感想いいですか?
内容はいいとして、
最初にエンドを言ってしまうのは
ネタばれになってつまらないんじゃないですか?
- Re: LOVE LESS×××~呪いの子とたった2人の執事~ ( No.25 )
- 日時: 2015/03/24 23:48
- 名前: あーちゃん@3月21日はVNIの日! (ID: TjCRtQ22)
あー、明らかにbad end言っちゃってるけど、大丈夫です!死に方書いてないので!←そして、注意文のつもりなんで。
きつめなコメントをありがとうございます!めっちゃうれしいです!
内容のコメもお願いします!←
本編書くよ!
side:朱雀
いつの間にか寝ていた俺は、蒼弥様の泣き声で目が覚めた。
蒼弥様がすすり泣きをするときは、大抵悲しい時…………ん?悲しい?
目を開けると、森羅が作ったぬいぐるみに顔を埋めて泣く蒼弥様の姿。
「っ………!蒼弥様!?」
寝転がって泣いていたものだから、凄く心配になって声を掛けた。蒼弥様は、俺をみて、ニコッと一瞬だけ笑ったが、ベッドに戻して、と小さく言った。
おかしい、いつもこういうことは自分でやるのに。
抱き抱えようとして足の方に手をやったとき、おかしな事に気づいた。
蒼弥様の方に目をやると、後で説明するよ。と言って、腕を広げた。
一体蒼弥様に何があったのか。
- Re: LOVE LESS×××呪いの子とたった2人の執事~ ( No.26 )
- 日時: 2015/03/25 15:40
- 名前: ノクト (ID: P/K6MsfL)
独特の世界観に引き込まれるようです。
書き方も個性的で、読み手に強い印象を与えました。
ただ、文の構成からして読みにくいのが難点だと思いました。
〇〇sideという書き方は良いと思いますが、「○○の場合」という書き方にすると読みにくくなってしまうので、そこを直した方が良いと思いました。
ですがストーリーは良いと思いますので、そこを改善すればもっと良くなるでしょう。
偉そうな感想を言ってしまい、申し訳御座いませんでした。
不愉快に思ったのなら消します。
貴方の小説が読めてとても嬉しかったです。
- Re: LOVE LESS×××~呪いの子とたった2人の執事~ ( No.27 )
- 日時: 2015/03/26 01:23
- 名前: 八咫烏 (ID: vVNXDLge)
初めまして、八咫烏です。
コメント、というかアドバイスに近いのですが。
まずセリフは「」で統一された方が見やすいです。
『』【】[]などは何かの機会越しに使われる事が多いです。
あと、○○サイド、としてしまうと、○サイドで○から△まで進んだのに次に△サイドにとなると、また○サイドの○から読むことになるので、くどい感じもします。
どうしてもキャラクターの感情を入れたい時にはその話だけ、視点を変え、他は第三者視点に絞ったほうが良いかと思われます。
長文、失礼しました。
- Re: LOVE LESS×××~呪いの子とたった2人の執事~ ( No.28 )
- 日時: 2015/03/26 02:40
- 名前: あーちゃん@3月21日はVNIの日! (ID: TjCRtQ22)
ストーリーがいいっていってもらえて嬉しいです!
そこは後で書き直させてもらいますね。
本編スタート!
蒼弥様はベッドに乗せた途端、はぁ…とため息をついた。
そして、ポロポロと涙を流し始めた。
泣き顔のまま俺の方を向いて、ニコッと儚く笑った後、あとふたり、連れてきて。と、願う様に言った。
森羅とルミカを起こしに行って、連れて来たのは約5分後。その間、蒼弥様は全く動かなかった。
「蒼弥様、連れて来ましたよ」
俺がそういうと、涙目になって見つめてきた。
ルミカは足元を見て気づいたのか、口を覆って泣き出した。時折「レンのバカ」と言っているのは何故だろうか。
「はぁ……。ルミカも気付いちゃったし、話すよ。僕が何故こうなったか」
そう言って、蒼弥様は足を上げる。膝から下の裾が垂れ下がった。
その動作を見て、森羅も気づいたらしく、驚きを隠せないでいる。
「僕が何故こうなったかを知ったのは、今日の朝。どちらかというと、早朝にあたるかな」
蒼弥様は回想を始めた。
- Re: LOVE LESS×××~呪いの子とたった2人の執事~ ( No.29 )
- 日時: 2015/03/26 19:03
- 名前: あーちゃん@3月21日はVNIの日! (ID: TjCRtQ22)
やたがらす様
ご感想ありがとうございます!
「」に統一できるのは暇な時になると思います
- Re: LOVE LESS×××~呪いの子とたった2人の執事~ ( No.30 )
- 日時: 2015/03/28 08:23
- 名前: あーちゃん (ID: TjCRtQ22)
反省していないのか、と思われるかも知れないですけど、蒼弥君視点からスタート!
———————————————————————
side 蒼弥
僕はレンから聞いた話をそのまま3人に話した。
等価交換で足を無くした事、等価交換の意味、これには以前に呪いにかかった人の思いも一緒に付与されている事、最後に数年前にルミカから聞いた僕の呪いについて。
「ずっと前にルミカから聞いた話だけど、僕の呪いは人体ではなく、心の部分に掛かる呪いなんだって。ルミカは覚えてる?まあ、自分が言ったことだから覚えてるよね。それはさておき、僕も家系?かな、なんかの記録を見ていたときに、呪いにかかった人に印が付いてた。それで、その人達の死因を調べていたら、全員自殺ってことを知ったんだ。それにレンも言ってた。『皆、僕が声を掛けたあと、願いを叶えられずに自ら命を断った』って。それを聞いてから僕は怖いんだ。いつか、僕が『僕』で無くなってしまうんじゃないかって。僕の心の闇に身体を蝕まれてしまうんじゃないかって」
3人共、僕の話を黙って聞いていた。でも、3人の悲しそうな表情は戻らない。僕は健気に笑いながら
「悲しまないで。僕が悲しくなるでしょ?」
と言った。
side off
蒼弥の生活は大きく変わった。
庭園に居ることが多くなった。
以前はどっかにフラっと行ってしまうことが多かったが、今は勉強の時間が終わってから夕方まで。ずっと庭園に居る。
そして、頭痛が度々襲い掛かることが多くなった。
酷い時には数時間に一度、長いと数日間明けて頭痛が起こる、とても不安定な状況に蒼弥は居た。
なにもかもが不安定だったある日、森羅は蒼弥に嬉しい知らせを届けた。
「蒼弥様。明日、市場に行きましょう」
急な知らせだったが、外の世界に行けるのが嬉しくて、すぐにうなずいた。
蒼弥が嬉しさいっぱいで庭園の青い薔薇を眺めていたら、背後から声がした。
「やあ、この時代の『僕』。いや、蒼弥って言った方がいいかな。まあ、いいや。とにかくはじめまして、蒼弥君」
びっくりして後ろを振り返ると、蒼弥に瓜二つな少女が立っていた。
いや、声からして少年だ。
膝上丈の赤が基調の黒いフリル付きのドレスに、黒のフリルで縁取られた赤いヘッドドレス、黒のストールは赤いリボンが付いていて足元まである。真っ白いギリギリ膝下のヒールブーツには黒いリボンと薔薇が付いていた。ご丁寧に後ろ髪はポニーテールにしてある。
赤が嫌い(血の色だから)な蒼弥は思わず目を背けた。
この少年はどういう意味をもたらすのかは誰も知らない。
- Re: LOVE LESS×××~呪いの子とたった2人の執事~ ( No.31 )
- 日時: 2015/03/29 08:42
- 名前: あーちゃん (ID: TjCRtQ22)
いつの間に参照350越えてました!
ありがとうございます!
まだまだ佳境に入らなくて………
これからも頑張ります!
—————————————————————————————————————————————
蒼弥は目を背けながら、目の前に立っている少年に
「あなたは誰?なんで僕の名前を知ってるの?」
と聞いた。
少年はクスクス笑いながら自分の事を話した。
「僕はレン。君の五代先の息子だよ。でも、僕も女の子として育てられて、僕が男だ、って知ったのがつい最近。運命は時に残酷だよね。逃れられない現実に僕達を叩きつける。さあ、前置きはここまでにして、本題に移ろうか。時に蒼弥、蒼弥は今も死にたいと思ってる?」
最後に疑問形で。
蒼弥はうなずいた。
レンはそれなら、と言って、近付いてきた。
やっぱり赤を直視出来ない蒼弥は目を瞑っていた。
レンに手を出して、と言われておずおず出した手に握らされたのは、
何かの液体が入った小瓶だった。
「これは僕達の家系に伝わる毒薬。天体図書館に調合法を書いた本があるけど、誰も近付かないから誰も知らない。簡単に言うと劇薬っていうのかな。まあ、飲んじゃえば確実に死に至る物だから使い時には気を付けて。僕がこの日の為に二本用意したから一本あげる。僕も自分の世界に戻ったら死のうと思うんだ。お姉ちゃんが死んでから僕はこの世界に居る意味が無くなったからね。双子は一人が天に帰ったら、もう一人も天に帰らないといけない、っていう信仰があってね。宗教のせいで僕はガクかカイの手で殺されないといけない。二人は嫌がっているから僕が自分の手で殺めようと思って」
いつの間に隣に座っていたレンとは話が合うようで、付き人の話、外の世界に出たい、と言う気持ち、なにもかもを共有した。そして、
蒼弥にも笑顔が戻った気がした。
- Re: LOVE LESS×××~呪いの子とたった2人の執事~ ( No.32 )
- 日時: 2015/04/02 08:52
- 名前: あーちゃん (ID: TjCRtQ22)
「そーいえば、なんでさっき泣いてたの?」
鋭い所を突かれた蒼弥は黙ってしまった。
「………青い薔薇を見つめていると、何故か泣いてしまうんだ。
この庭園には他にもガーベラ、彼岸花、チューリップ、向日葵等、季節毎に綺麗な花が咲くけど、この真っ青な薔薇だけ、一年中咲いていて、何の動物も寄らない。
そんな花が僕と同じみたいで、気づいた時にはもう泣いてる。僕みたいに誰にも愛されない花なんだな、って」
すると蒼弥はレンに手を伸ばした。
「キミが泣き虫じゃいけないよ?」
と、レンの涙を掬い上げた。
それから数時間後、現世に戻ったレンを見送った蒼弥は咳をし始めた。口元を抑えた手に残るのは血。
「僕はもうすぐ死んじゃうのかな?」
最近、同じような咳が続いている。死ぬんだったらもうここで死んでしまいたい。
蒼弥は、さっきレンにもらった小瓶を開けて、中身を全て飲んだ。
- Re: LOVE LESS×××~呪いの子とたった2人の執事~ ( No.33 )
- 日時: 2015/04/03 09:05
- 名前: あーちゃん (ID: TjCRtQ22)
side Souya
初対面の子「レン」からもらった小瓶。中身は毒薬だと言ってた。この屋敷は周りに堀があるから、入って来れた事自体が不思議だけど、今はそんな子の言葉でも愛しく思える。
僕は生きて行くのが辛かった。このまま、苦しみながら死ぬのは。それに、僕が死んだって、誰も悲しまない。だったらこのまま居なくなっちゃえば良いんだ。僕の心が壊れる前に。
僕の中に居るレンだって言ってたじゃないか。「ボクの願いを叶えてくれたら、そっから先は君の勝手だよ」って。明日、願いを叶えたって、僕のこの状態だったらあと4、5日も持たないだろう。
僕は小瓶の中身を全て飲んだ。
最後に見たのは…
僕の体を必死に揺らしているガクの姿。
side Sinra&Suzaku
「もうそろそろ、おやつの時間ですね」
朱雀の隣で記録を付けていた森羅が呟いた。
「ああ。蒼弥様を連れて来なきゃな」
朱雀もそれに返した。
蒼弥はいつも青い薔薇だけが見えるベンチに腰掛けている。
—————————————————————————————————
書く気力がないのでここで切ります
- Re: LOVE LESS×××~呪いの子とたった2人の執事~ ( No.34 )
- 日時: 2015/04/06 06:26
- 名前: あーちゃん (ID: TjCRtQ22)
参照400ありがとうございます!m( _ _ )m
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何故そのベンチに座るのか分からないが、蒼弥曰く「なんとなく僕に似ているから」らしい。
そこに着いたとき、蒼弥が居ない事に気づいた。
落ちる訳がない。わざと落ちようとしても、薔薇の麻痺毒について言ってあるから、迷惑を掛けようと思わない限りやらないだろう。
すぐに外に出て、走る。そこでは、蒼弥が倒れていた。
「蒼弥様!?」
森羅が蒼弥に寄る。蒼弥は儚く微笑んで気を失った。
朱雀は蒼弥が持っているものに気付いて、そっと手を開かせた。
「!!……森羅、今すぐ医務室に蒼弥様を連れてって」
何かに気付いたらしく、森羅に指示をする朱雀。
「チッ………レン……体を失いたくないなら止めろよな…」
舌打ちしてその場を去った。
- Re: LOVE LESS×××~呪いの子とたった2人の執事~ ( No.35 )
- 日時: 2015/04/11 08:25
- 名前: あーちゃん (ID: TjCRtQ22)
side rumika
私は今日、いつも以上に暇。
もうすぐ新月だから眠いけど、胸騒ぎがして寝れない。
天体図書館で本を読んでても、嫌な予感がして内容が頭に入らない。
暇で暇で館内を歩いていたけど、途中で飽きた。
森羅に紅茶でも作ってもらおうと思って、引き返した時、森羅が庭園の方向から走ってきた。
抱き抱えていたのは蒼弥だ。
「森羅!」
私がこう呼ぶと、森羅は私の目の前で止まった。
「どうしました?ルミカ様」
話す事なんて解ってる癖に
「蒼弥。どうしたの?」
- Re: LOVE LESS×××~呪いの子とたった2人の執事~ ( No.36 )
- 日時: 2015/04/20 00:22
- 名前: あーちゃん (ID: TjCRtQ22)
「えっと〜、そのー、これは………」
言いにくいのかなかなか口にしない。
ふふふ、私、全て分かってるのよ?
こう見えても私、あの人の娘なんだから。
「おおかた蒼弥が自殺未遂でもしたんでしょうね」
私がそう言うと、森羅はすごい驚いた。
「まあいいわ。医務室に連れていくんでしょ?早くしないと手遅れになるわよ?」
ちょっと脅かしてそう言うと、森羅はパタパタ長い廊下を走って行った。
ちょっとすると、朱雀がこっちに来た。
「また蒼弥様が自殺未遂をして!今回は毒薬を飲んでるから、毒が身体中に回る前に止めなきゃいけません。もちろんルミカ様も一緒に居てくださいね?」
私が何事か聞く前に答えてしまった。そして、走って行った。
蒼弥は一度毒薬を飲んで自殺未遂をしたことがあるんですって。
その時は私の名前と私の隠れ家、その道、自分の名前だけを覚えていたんだって。
その時は蒼弥を眠らせて、レンに私が干渉して記憶を戻すよう言ったから、大事には至らなかったけど。
- Re: LOVE LESS×××~呪いの子とたった2人の執事~ ( No.37 )
- 日時: 2015/04/21 19:36
- 名前: あーちゃん (ID: TjCRtQ22)
まあ!じゃあレンは今頃かなり苦しんでるわね。
自分で止めなかったのがいけないのに。
まあ。行ってこないと。朱雀に召集されちゃったし。
そーいえば、飛鳥ちゃんどうしたのかしら。
ヨーロッパの方は今、治安が悪いっていうし。
えーっと医務室はどこだっけ?
- Re: LOVE LESS×××~呪いの子とたった2人の執事~ ( No.38 )
- 日時: 2015/04/24 07:10
- 名前: あーちゃん (ID: TjCRtQ22)
side:suzaku
…………はぁ……
どうしてこんな事になったんだろう。
蒼弥様がまた自殺をした。
今回も未遂で終わればいいけれども。
この前……つい一週間位前……また自殺未遂をしたんだ。
前回はナイフで首筋を切って、今回は毒薬。
毒薬なんて質の悪いモノを。
一体誰が渡したんでしょう?
---------------------------
学校なんでここで切ります
- Re: LOVE LESS×××~呪いの子とたった2人の執事~ ( No.39 )
- 日時: 2015/04/24 19:47
- 名前: あーちゃん (ID: TjCRtQ22)
途中でレンを見つけた。
「レン?」
俺がそう言うと、レンは俺が居る方向を向いたがすぐにキョロキョロし始めた。
何かおかしい。
そう思って、俺はわざとぶつかってみた。
「うわっ!」
レンは俺に気づく事なくしりもちを付いた。
「お手をどうぞ?」
そう言って手を差し出すけど、レンの手は虚空をさ迷っている。もしかして……
「もしかしてお前、目が見えないのか?」
ビクッ!と体を強張らせたレン。初めてレンが顔を上げた。
焦点が合ってない光の無い瞳。
やっぱり失明している。
「お前、どうしたんだ?」
- Re: LOVE LESS×××~呪いの子とたった2人の執事~ ( No.40 )
- 日時: 2015/04/25 07:01
- 名前: あーちゃん (ID: TjCRtQ22)
参照500越え、ありがとうございます!
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「あの毒薬のせいだよ。あのレンったら蒼弥君に危ないモノを渡して!ボクを殺すつもり!?………はあ、蒼弥君が飲んだ分はボクが持ってるから大事には至らないとは思うけど、とにかくそのせいでボクは目が見えない。ほら、説明したよ?これでいい?」
ちょっと待って、いくつか聞いていいか?
俺がそう思ったら
「ん?いいよ」
と返事が帰って来た。
「お前、心が読めたか?」
「ううん。目が見えなくなってからだよ」
「じゃあ2つ目、何故蒼弥様から出てきた?」
「苦しかったから」
「3つ目、何故苦しかったのに自分があの薬を持っているんだ?」
「蒼弥君が助かると思ったから」
「4つ目、お前が抜けて蒼弥様は大丈夫なのか?」
「正直キツイと思う。今までこんな事はなかったから」
-----------------------------------------------------------------------------
質疑応答に疲れたんで切ります
- Re: LOVE LESS×××~呪いの子とたった2人の執事~ ( No.41 )
- 日時: 2015/04/27 19:25
- 名前: あーちゃん (ID: TjCRtQ22)
「5つ目。じゃあどうすればいい?」
「ん。それは………」
レンは猫の手の手袋を外すと、自分の胸ポケットの辺りを指差した。
「この中に………あった」
さっきの動作、必要なかったんじゃ?
そんなことを考えているうちに、目当ての物を見つけたらしい。
そして、レンがなにかを探す仕草をしたから、俺が自分の手を差し出す。
ようやく俺の手を見つけて、なにかを握らせた。
手を開いてみると、フィルムケース位の大きさの容器。
「それは解毒剤。未完成だけど、聖水に溶かして使えば一応機能は果たす」
ん?
「なんでお前がそんなの持っているんだ?」
「え?だってルミカから貰った物だもん。蒼弥君が以前同じ事をしたときに、交換条件で貰った。ルミカはもうそんな事も忘れてるけどね」
はぁ……
- Re: LOVE LESS×××~呪いの子とたった2人の執事~ ( No.42 )
- 日時: 2015/05/03 20:47
- 名前: あーちゃん (ID: TjCRtQ22)
「はぁ……分かった。受け取っとく」
俺はレンから解毒剤を受け取った。
「分かってくれればいいよ………!!にゃっ!」
レンはいきなりポン!って効果音を付けて消えた。
「にゃ〜」
そんな声がして、下を向くと……
猫が居た。
それも真っ黒な
「猫?」
俺が声に出して言うと……
『そう。これが僕本来の姿だよ』
頭の中から、自分のじゃない声がした。俺が耳を塞ぐと、
『君も蒼弥君と同じ事するんだね』
と言ってクスクス笑った。
- Re: LOVE LESS×××~呪いの子とたった2人の執事~ ( No.43 )
- 日時: 2015/05/07 21:25
- 名前: あーちゃん (ID: TjCRtQ22)
ん?今聞き捨てならない事を聞いた気がする……
「お前の本来の姿はあの『シャノワール』みたいな姿じゃないのか?」
最初にレンを見たとき、レンはそう言ってた気がする。
『酷いなぁ。あれは嘘に決まってるじゃん!それに人間の姿じゃないと話をするのにかなり困るし?それと《シャノワール》って誰?』
「え?知らないのか?『愛猫・シャノワール』飼われていた頃に主人に捨てられて、その恨みでアダムとイブが創った世界を捨てたって言われている『第2の創世者』の事を?」
- Re: LOVE LESS×××~呪いの子とたった2人の執事~ ( No.44 )
- 日時: 2015/05/10 12:14
- 名前: あーちゃん (ID: TjCRtQ22)
『へー、初めて知った』
「で、お前は何でこんな姿なんだ?」
黒猫で遊んでみる。
『ちょっ!人で遊ばないで!僕は猫の化身だから!猫の本能には逆らえないんだから!』
猫じゃらしを振ると、追いかける。なんか可愛い。
『止めないと、教えてあげないよっ!』
そう言われてしぶしぶ止めた。
- Re: LOVE LESS×××~呪いの子とたった2人の執事~ ( No.45 )
- 日時: 2015/05/14 23:58
- 名前: ゆづ ◆zFgdS3PhOg (ID: MHTXF2/b)
さすがあーちゃん。
文才が前進を突っ走ってるね。
続きを土下座待機……。