二次創作小説(紙ほか)
- Re: LOVE LESS×××~呪いの子とたった2人の執事~ ( No.7 )
- 日時: 2015/02/15 23:25
- 名前: あーちゃん (ID: TjCRtQ22)
<side海星>
蒼弥様がいきなり倒れた。
最初は疲れがピークにきて、寝てしまっただけだと思い、そっと抱き上げた。しかし、ある異変に気づいた。頬が赤く、荒く息をついている。もしかして、もしかすると……
私はベッドに蒼弥様を乗せて、額に手を当ててみる……やっぱり……
[熱を出してる……]
そういえば、蒼弥様の乳母だという人から、2~3歳頃から急に病弱になった、と、言っていた。毎週毎週熱を出しては、乳母や朱雀達の両親がヒヤヒヤしながら見守っていたとか……
ここ3ヶ月は咳き込むだけだったから、蒼弥様の事を心配しても、蒼弥様も大丈夫だっていっていたし……
その前に、知空を起こして、お医者様を呼ばないと!
私は知空が寝ている一階の使用人部屋へ走った。
<side蒼弥>
意識を失った(らしい)僕は、お母様とお姉様と一緒に居る夢を見ていた。
たった一度だけ会いに来てから自殺をしてしまったお母様。森羅と朱雀が言っていた<お母様が帰ってくる迄の3ヶ月>は、お母様が神様に会っている3ヶ月間、お父様が僕に下した"罰"らしい。そんな事をしても、お母様はこの世界にはもう戻ってこないのに……
お姉様は一度も見たことはないけど、お母様が乗ってきた馬車に一緒に乗ってきて、僕を見るなり涙を流していた人がいた。その人がお姉様だろう。僕と同じ黄色いというよりは金に近い髪色に人形のような綺麗な青い瞳。僕と全然違うのは、黒ネコのような耳がないことだろう。
その時、僕はお姉様ー朱峰さんの事を羨ましく思った。
あの人は、自由に外に出ることができる。
あの人は沢山の人に囲まれて生きていける。
あの人は無理にこんな事をしなくても、生きていける。
あの人は、あの人は、と、思う度に、僕とあの人の生活の差が目に見えていくようで……
羨ましさより、憎しみを持つようになった。
其が僕の……いくつか与えられた感情の中の一つ。
僕は泣くことが出来ない。
僕は笑うことが出来ない。
僕は他の人と同じ様に楽しむことが出来ない。
否。僕は出来ないんじゃなく、そんな事を持ち合わせていないだけだ。
それじゃあ毎日が楽しく無いって?
今、言ったじゃん。僕は楽しいって感情がないんだ。
昔は有ったかも知れないけど、今はもうない。
でも、負の感情だったら残っている。
こんな境遇あっているからね。
君はもう帰るといいよ。僕はここでもう少しお姉様とお母様と一緒に居るから。