二次創作小説(紙ほか)

Re: ヒビキたちの物語 ( No.9 )
日時: 2016/02/06 19:32
名前: ゆーい (ID: x8l1Qes7)

前回→>>8


4話:コトネは何処へ? 前編

家に帰ってからというもの、ヒビキはほとんど喋らずにずっと自分たちの関係を考えていた。

どうしてシルバーは強くなった俺を見たかったんだって言ったんだ?
別にシルバーは旅で俺のことがよく分かっていたと思う。俺を待つ理由なんてないじゃないか…

シルバーは生意気でムカつく奴だけど、根は優しい。あのときコトネが関係を悪化させたくないと言っていたが…
シルバーもコトネの気持ちが分かったのだとヒビキは思った。
でも俺たちの関係が悪くなったのは、あの出来事があったからかもしれない…


ヒ「シルバー…どうなってんだよ。今の関係は…!」


言ってみるも、何かが変わったわけではない。
すると、下から母の声がする。何か言っているようだ。


母「え—コトちゃ—い—?」


途切れ途切れ聞こえてくるのだが何を言っているのかよく分からない。


母「ヒビキ、ちょっと来てくれる?」

ヒ「母さんどうしたんだよ、そんな焦った顔して」

母「話があるのよ…来て」

ヒ「…分かった」


ヒビキはとても嫌な予感がした。
口では言えないが、とてつもなく嫌な予感が。コトネと聞こえた気がするけど、まさかそんな筈は…


母「ヒビキを連れてきたわよ」


玄関にはコトネの母が立っていた。コトネの母は最近家に帰って来て、少しの間ここにいるらしい。


マ「こんばんは、ヒビくん」

ヒ「こんばんは。何かさっき話してたみたいなんですけど」

母「そうなのよ。話はコトネちゃんのお母さんから聞いて」

マ「…実はね、コトネがいないのよ…」

ヒ「は…い…?」


ヒビキの嫌な予感が的中した。コトネがいないー・・・
そんなこと今までに何回かあり、別に心配をすることでもなかった。今回の場合は違うみたいだ。
コトネの母が焦っている。いつもはこの時間には帰っているはずなのだが…おかしい。


ヒ「近くを探してもいなかったんですか?」

マ「……」


首を縦に動かした。もう目に涙をためている。


マ「どうしたら…どうしたらいいのかしら…コトネ…」

母「泣かないで、大丈夫よ。ヒビキが探してくれるわ。ね?」

ヒ「そうですよ! 大丈夫です! 絶対見つけますから!」

マ「そう…? じゃあ…お願いしてもいいかしら…私も出来る限りのことはするから。よろしくね」

ヒ「はい! 任せてください!」


コトネの母は、悲しそうに帰っていった。それもそうだろう。娘がいなくなったのだから。
しかし、どうしたらいいのかさっぱりだ。とにかく探そう…どこまでも。


『あはは』


ヒ「え?」

今の笑い声はなんだ?
ヤバイかもしれない…急がなければ!



続く


後編→>>10

Re: ヒビキたちの物語 ( No.10 )
日時: 2016/02/06 19:33
名前: ゆーい (ID: x8l1Qes7)

前編→>>9


4話:コトネは何処へ? 後編

ポケモンにのってあちこちコトネを探しに行ったが、全く見つからないし、手がかりもない。
探しの途中でジムリーダーさんたちに頼んだ。すぐに探しに行ってくれて楽になったが、
手がかりが何にも無いため、時間がただただ過ぎてゆくだけだった。でも希望はまだある。
ヒビキは一人の少年に頼みに行った。


ヒ「シルバー…!」

シ「なんだよヒビキ。諦められなくて来たのか?」


シルバーは少しキレ気味に言った。やっぱりやめようかと思ったけど、今頼れるのはシルバーだけだ。


ヒ「コトネがいないんだ! 一緒に探してくれ!」

シ「コトネがいない? ははっ、嘘つくなよ。昔からお前は嘘をつくときにコトネを使うんだから」

ヒ「本当にお願いだ…! 探してくれよ…」

シ「……ちっ、しょうがないな。分かった、探してやるよ。嘘だったら招致しないからな」


いやいやながらもシルバーは引き受けてくれた。そこがシルバーの優しさでもあった。
手がかりは無いけどシルバーが探してくれているおかげで、探すのが楽になった。
しかし見つかると言うわけでもない。いつの間に22時になっていた。疲れもでてきて、くたくただ。


シ「嘘だと思って探したけど、本当だったとはな」

ヒ「…嘘だったらあんなに焦ってないし…」

シ「いつものお前じゃないみたいだな」

ヒ 「…………」

シ「はぁ…元気出せよ。コトネならきっと大丈夫だ。明日も一緒に探してやるからさ」


泣きそうになる。シルバーがヒビキの前で微笑むのはいつぶりだろうか。


ヒ「……」

シ「…じゃあな、また明日」


シルバーはそう言って帰っていった。

また明日…また明日……

どんどん日は進んでいく。それなのに手がかりすら掴めない。みんなは諦めかけていた。


ワ「ヒビキくん、今日は遅いからまた明日だ。絶対見つかるよ」


ワタルさんが言う。コトネはもう見つからないのか……?


『ヒビキくん! 諦めちゃ…諦めちゃ駄目だよ! 絶対勝てるよ!』


勝負に勝てなくて諦めていたとき、元気を与えてくれた。今まで頑張ってこれたのはコトネがいたからだ。
諦めちゃ駄目…

そうだ、諦めちゃ駄目だ…!
一人でも探しに行かなければ…!

ヒビキは走り出した。



続く



あとがき

私にとって今回の話は、長かった気がします!ここからだんだん中編に入っていきますよ〜(`・ω・)
コトネが見つからないのでまだですけど…(´・ω・`)
ヒビキが見つけてくれます!絶対!ではまた〜^^


次回→>>11