二次創作小説(紙ほか)
- Re: ヒビキたちの物語 ( No.12 )
- 日時: 2016/02/06 19:35
- 名前: ゆーい (ID: x8l1Qes7)
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6話:マフラーをした少年
こっちに来てみたが、家がぽつんと一軒建っているだけ。ヒビキは今まで旅をしてきたが、
ここに来たのは初めてだった。それよりもこんなところがあったのかわからない。
しかし、行く場所はここしかない。
ヒビキはゆっくりとドアを開けた。
ヒ「なんだよ。真っ暗で何にも見えないじゃないか」
呟いた瞬間、ドアが勝手に閉まった。
ヒ「うわっ! ……。心臓がつぶれるかと思ったぜ…」
ため息をしてもう一度ドアを開こうと、ドアノブに手をかけた。
ガチャガチャ ガチャガチャ
何度か回して引っ張ってみたが、ドアは開かない。
ヒ「嘘だろ…? 閉じ込められた…?」
ヒビキは焦った。キョロキョロ周りを見たがやはり何も見えない。
?「どうしたの? ヒビキくん」
ヒ「…!? コトネ!?」
コツコツと足音はした。だけど何も見えないため、本当にコトネが来たかどうかが分からなかった。
…どうして? どうして怖いんだ…この状況が怖くてたまらない。
?「もー!何で勝手に人の家に入ってんのー」
ヒ「…!?!?」
?「あー…見えないんだ…ちょっと待ってて」
すると明かりがつき、見えるようになった。
ヒ「あ…」
あまりに驚いてその場に立ちすくんでしまった。そこにいたのは……
ヒ「コ…コトネ……」
コ「だからぁー、どうしたのー?」
笑いながらコトネは言った。だけどいつものコトネじゃない気がした。
だって、いつものコトネだったらもうすこし笑いかたが大胆だからだ。
ヒ「お前…、誰だよ…」
ヒビキが怪しそうに言うとコトネは少し考え込んだがすぐに、
コ「何言ってるのー? ヒビキくんー」
ヒ「お前はコトネじゃない。だから誰だって聞いてんだよ」
イライラさせながらヒビキは言った。コトネはさっきからずっとクスクス笑っている。
ヒ「何が可笑しい!」
そう言って少したった後、コトネの笑い声が止んだ。
?「……さすがだねぇ、ヒビキくん」
ヒ「…!? マフラー…」
マ「ま、分からないと幼馴染みとして恥ずかしいよねぇ」
ニヤリと笑った。ヒビキは立ち尽くしたまま、マフラー少年を見つめていた。
続く
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