二次創作小説(紙ほか)

Re: 【HGSSキャラ】ヒビキたちの物語 ホラー編!! ( No.34 )
日時: 2016/02/07 10:19
名前: ゆーい (ID: x8l1Qes7)

前回→>>33


22話:圏外

なんの電話だったのかわからないままあっという間に二日が経った。
俺はもう精神的にヤバかったが、なんとか正常な意識を保った。
ただ正常な意識を保つのが精一杯だったため、ずっと喋れなく黙っていた。怖かった。
まだ精神がきつい状態だから招待された場所へ行くのが嫌だった。
誰だってこんな状態で行くのは嫌だろう。でも、もう迎えが来てしまっている。

「おはよう! 君と会うのを楽しみにしていたよ。なんせリーグチャンピオンだからね。
 まぁヒビキくんが有名なのは知っていたよ」

だから知らない人に会うのは嫌なんだ。別に母さんはとうぶんの間帰って来ないからいいんだけど…
旅にも出てるし俺の母さんが今居たとしても心配しないだろう。…それはそれで寂しいけどな。

「ヒビキくん、調子はどう? みんなで旅行なんて随分行ってなかったから私凄く楽しみ!
 …気分悪かったら言ってね。一昨日はあんなことがあったしさ」

コトネはきっとわかっている。俺の気分があまりノッていないことを。
だからそんなことを言うのだろう。

「大丈夫? ヒビキくん。…あんまり無理しない方がいいと思う」

今日のレッドさんは他の人がいるから大人しくて無口気味なのだと俺は思う。
そういえばシルバーは…? あ、居た。思い出した、トイレに行ってたんだった。

「遅れてごめん。そろそろ出発の時刻か?」

「そうだよ。いやー、人数が多くていいね。テンション上がるよ。こんなに多いと
 修学旅行に行くときみたいだね。ハハハッ」

修学旅行って…おじさんはポケモントレーナーじゃないんだ…学生育ち?

「じゃあ出発するよーちゃんと車に乗ってねー」

結構大きな車だ。俺たちは言われた通りちゃんと、車に乗った。

「スピードが速くなったり遅くなったりするかもしれないけどそこら辺は許してねー」

その言葉と共に発車する。スピードは…速めみたいだ。

———・・・あれからどんくらい走ったのかな。今、山のなかをガタゴト走っているが、
『山のなか』を走っているので、自分達が現在どこら辺にいるかよくわからない。
着く気配も全くないし…てゆーかどこに行くのかさえわからない。

キキー!!

「うわぁ! な、なんだ!?」

いきなり車が止まり、心臓がバクバクしていた。

「ど、どうしたんですか? 故障とか何か…」

「…少し迷ったみたいだね。近道しようと思ったら間違った道を通っちゃったみたい。
 どうしようか…連絡するにも僕携帯持ってないしなー」

「…携帯なら俺、持ってますよ?ジュンサーさんに連絡、とってみましょうか?」

「……!! お…おぉ!! さすがリーグチャンピオン! 役にたつもの持ってるね!
 よし、かけよう、今すぐ連絡しよう」

「はい、ちょっと待っててください。…あ、あれ? おかしいな」

「ま、まさかヒビキ…圏外じゃないのか…?」

「…あぁ…圏外だ」
「え…圏外…!? 嘘でしょ…そんな…」

こういう展開はホラーゲームでよくある。道に迷って、助けを呼ぼうと電話をかけようとした。
でも圏外だった…これは安定の圏外といえるだろう。

「どうにかして、この山を抜けよう」

レッドさん……

「ん…? 誰か人がいるね。ちょっと待っててくれないかな」

おじさんはそう言うと車から出た。確かに外に誰か人が居た。
…でもおかしくないか? 何でこんな山に人がいるんだよ。

少し経つとおじさんは帰ってきた。

「…みんな! 近くに旅館があるらしいんだ! あの人は旅館の女の人だったよ!」

「本当ですか!?やったぁ…ここで死ななくてもいいんだね…」

コトネ、それ言っちゃいけない。

「それじゃあ行こう! これで少しの間は泊まっていられるね!」

俺たちは外に出て、旅館の女将さん(なのか…?)が言う旅館ヘと向かった。



続く


あとがき

随分遅れた投稿でしたが、どうでしたか?
今回からホラー編の『恐怖の旅館』シリーズ(っていうのかな?)です。
この話はちょっと話の合う知り合いと考えたものです。
それでは!!


次回→>>36