二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【HGSSキャラ】ヒビキたちの物語 ホラー編!! ( No.40 )
- 日時: 2016/02/07 10:48
- 名前: ゆーい (ID: x8l1Qes7)
前編→>>39
25話:イツキの姉 後編
ちらちらと心配そうに…というかなんというか…
とりあえず、何か自分を襲ってくる獲物を待ち構えているように、辺りを見回している。
そんなに焦ることなのか?
「お姉ちゃーん!!! またやったの!?」
なんか聞いたことのある声がしたと思ったら、向こうから
イツキさんが猛ダッシュで走ってきた。
キイさんとイツキさんの背を比べてみると、若干イツキさんの方が背が高い気がする。
四センチくらいの差だろうか。
「げぇ! イツキィ…!」
「またなんか落としたの!?」
「いや…別に何もありませんでした…」
今まであったことを誤魔化そうとするように、キイさんはイツキさんから目を逸らした。
でも誰から見てもこの様子は誤魔化そうとしてるのがバレバレだ。
「…はぁ…」
イツキさんが溜息をついた。キイさんの肩がビクついた。
「私はね、お姉ちゃんのストレスが溜まるのもしょうがないことだと思ってるわ。
だけど、女将さんたちや、コトネちゃんたちに迷惑をかけるようなことはしちゃいけないわ。
そんなことお姉ちゃんだってわかっているはずよ。そうでしょう…?」
悲しそうな、辛そうな顔をして、キイさんを見つめていた。
何かあるのだろうか…
もしかしたら親がいないとかかもしれない。それならあり得なくも……
「でも…もう嫌なの! 犠牲者が出るのは…
イツキ!! ここはどれだけ起こったのか知ってるでしょ!?」
「知ってるわよ…そんなこと。だからって八つ当たりしなくても…」
「そうしないと、暴走するの…わかってるわよね?…ならイツキ、お願いだから、わかって。
これ以上ここで…大量殺人事件が…」
「やめて、お姉ちゃん!! あれを思い出させないで…!!」
イツキさんの叫びでその場がシーンと静まり返った。
なんだよ、犠牲者とか大量殺人事件とか…この旅館で何があったんだよ……
「もういや…!! あんなこと…本当は起きちゃいけないのよ…!!」
「イツキさん、落ち着いてください! 呼吸を整えて…! ゆっくりでいいんで…!!」
コトネが言うと、イツキさんはゆっくりと呼吸をし、整えた。
相当、キイさんが言ったことに対し、怒りで興奮したようだ。
「…はぁ…ごめんなさい、取り乱してしまったわ…コトネちゃん、ありがとう」
「…今まで、イツキさんたちに何があったのかはわかりません。
だけど、凄く辛いことがあったんですよね……」
「……………」
イツキさんは、俯きながら黙って頷いた。俯いているからどんな表情をしているのかよくわからないけど、
辛そうな表情をしているのだと思う。キイさんも難しそうな表情をしている。
「この旅館に来てから、辛いことなんて星の数ほどあった。ここの女将さんはね、
この旅館に来た人がほとんどなの。だから、私たちも女将さんになるときが来る」
「でも、その人たちも、あなたたちと同じような感じでこの旅館に来たのよ。男性が来ることは無いんだけど、
今回が初めてかもしれないわ。」
女将さんたちが俺たちと同じようにここに来た…?
ということは、俺たちもイツキさんたちと同じめに逢うんじゃないか…?
いや、待て。イツキさんとキイさんはあのおじさんのような人に連れて来られたっていうことになるのか…?
「あの、その…俺たち連れて来られたんですよ。それはイツキさんとキイさんが来た傾向と似てますか?」
俺が質問すると2人は見つめ合い、やがてキイさんが話し出した。
「…私たちも連れて来られたわ。二年くらい前にね。随分前の話だけど…
今でも何で来ちゃったんだろうって思ってる。あの頃の私たちはね、
常識というものをよくわかってなかったのよ。いまでも自分が生まれてきたことが物凄く憎い」
この人たちはどれだけ苦しい思いをしてきたのだろう。二年もこの旅館に居させられて。
辛くて死にたい気持ちもあったのではないか?
俺はこの二人の気持ちが伝わってきた気がした。
そのとき、鋭い視線を感じた。身に覚えのある視線だ。視線のした方をバッと振り返る。周りを見回しても、
俺、コトネ、シルバー、レッドさん、イツキさん、キイさんの他に誰もいなかった。
今の視線はなんだったのだろう……
背中に冷や汗をかいていた。
続く
あとがき
初めに…祝500参照ありがとうございます!これからもよろしくお願いします!
では、ここから本当のあとがきです。この24話でイツキさんの姉、キイさんが
登場しましたね。年齢とか気になる方もいると思いますが、これからの話で
だんだんと明らかになっていきます。2人とも何歳なんでしょうかね…
話は変わり、次回の話の予告をしたいと思います!次回は、女将さんたちの
意外な事実が(多分)発覚します。その意外な事実とは…!!
おじさんも久しぶりに出てくるのではないでしょうか。ハハハ。
それでは、また次回!!!
次回→>>41