二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【HGSSキャラ】ヒビキたちの物語 ホラー編!! ( No.51 )
- 日時: 2016/05/05 11:28
- 名前: ゆーい (ID: hfVure16)
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ガチホラー編スタート!?
32話:少年
目が覚めると朝だった。そうだ、俺昨日泣いたんだった。
それで…確かそのまま眠くなって寝た気がする。コトネが俺の隣に寝ていた。
「コトネ…まだ起きないのか…」
今日の夜中頃、コトネとシルバーが1階のトイレ付近に倒れていた。
血も落ちてたから思わず声を上げてしまった。この部屋に二人を連れてくるのもひと苦労。
コトネを先に部屋に連れてきて、その次にシルバーを連れてきた。
この作業がめちゃくちゃ大変なわけだがな。
「あ、ヒビキ。起きたのか」
シルバーの声がした。俺は、今の体勢のままシルバーに返事をした。
「よう、シルバー。お前も起きたんだな」
「今さっきな。…ヒビキ、トイレ借りた、ありがとな」
「ん。シルバー、朝食…どうすんだ?」
一応変な空気にならないように話をしたが、俺の気分は最悪だ。
今の自然な空気でも全く気持ちが晴れない。
コトネは全然起きないし、時計は壊れてるし…今が何時なのかもわからない。
時間の感覚がおかしくなってきてる。体内時計なんて機能は、俺には備わってない。
「…コトネが起きたら食べる」
そう言うとシルバーは、俺の隣に腰を下ろした。そこから無言の空気が続く。
何かを話そうにも話題が見つからなかった。ふと、聞かなければいけないことを思い出した。
夜中の出来事だ。どうしてトイレの近くなんかに倒れていたのだろうか…
「シルバー、夜中あった出来事のついて教えて欲しい」
するとシルバーは、ギョッとした表情を見せた。やっぱり何かがあったと俺は見る。
シルバーはすぐさま首を横に振った。
話して欲しいから、マジマジとシルバーを見つめていると、話す気になったのか溜息を吐いた。
「そんなに話して欲しいなら話してやる。…丑三つ時くらいかな、俺がトイレに行ったのは。
俺の部屋のトイレ、壊れちまってさ。だから仕方なく1階のトイレに行ったってわけだ」
シルバーは、起きた出来事を包み隠さず話してくれた。もう隠す必要も無いのだろう。
1階のトイレ付近でコトネに会ったこと、沢山の腕が襲ってきたこと…
「なぁシルバー」
「なんだよヒビキ」
言わないほうがいいのかもしれない。だけど、言うしかなかった。
俺自身、気になるってこともあるんだけど…
俺の体験した出来事と何か関係があるんじゃないかと思ったからだ。
「あそこ、トイレの近くにさ、書庫…あんじゃん」
「ある。それがどうしたってんだよ」
出来れば、目的がなければ聞きたくない。でも、目的があるからこそ聞かなきゃならない。
そういう時って誰だって経験したことあるよな…
「俺、話しただろ? 書庫で変な奴に会ったって」
「ああ、言ってたな、そんなこと」
「それで、もしかしたらなんだけどな…」
そこで俺の口が閉じた。
なんだよ、俺…話せないのか?
ダメだろ、弱気のなっちゃあ…話すと決めたら話すのが男だろ?
自分に言い聞かせるが、思うように言葉が出ない。途中で話、きりたくないのに…
なんで俺ってこんなに意気地が無いんだよ…
「ヒビキ? なんか話すことに問題でもあんのか? 言いたいことがあるならちゃんと言えよ」
「え、あ、ああ。……その、な…俺の会ったそいつと何か関係があるんじゃないかと思う」
「関係? んなもんないだろ…だって俺が実際そいつに会ってないんだし。そうだろ? ヒビキ」
やっぱりシルバーは信じない。でも信じてもらえないことなんてとっくにわかってることだ。
それでも俺は気になる、書庫には何か隠されていることがあるんじゃないかと…
「そう言うと思ったんだ。…だから、書庫に行こうぜ?
今日までのおかしな出来事が本当にあったかどうかってことを。
確かめる必要なんて幾らでもあるんだからさ」
シルバーは少しの間黙っていた。行くか行くまいか考えているかもしれない。
そして決断をしたのか、口を開いた。
「…俺も気になるから行く。それに時間も直しておいたし、いいだろう?」
「時間…?」
シルバーに尋ねると、何ぼけてんだとひと蹴りされた。
「携帯の時間のことだよ。忘れたのか? 時間がズレてること。
それを直しておいたってことだ。お前まだ十四だろ、それぐらい考えろよ…」
「嘘嘘、知ってるって(何のことだかわからなかったけどな)。それじゃ、書庫に行くか」
立ち、背伸びをした。時間を確認すると、まだ4時だった。朝…に近い夜中みたいな感じだ。
シルバーも立ち上がり、置いてあった携帯をポケットの中に入れた。
俺たち二人はコトネを一人残し、部屋から出た。鍵をかけ、一階へと繋がる階段を下りる。
前もこんな風に二人で歩いてたな…昔の自分を思い出した。考えているうちに書庫へと着いた。
「ここだな。ヒビキ、準備はいいな?」
「ああ、いつでもOK」
シルバーは、俺の発したその言葉を聞くと、ゆっくりと書庫のドアを開けた。
中は思った通り。暗く、灯りが無いと見えない状態だ。持って来た懐中電灯で中を照らす。
誰もいないかもしれないという考えは見事に裏切られた。
書庫の中には……
俺が夜中に見た少年が、椅子に座っていた。こちらのことをニンマリと見つめていた。
「やあ、ヒビキ、シルバー」
「今日の夜中…あんなことをやったのは…お前なのか…!?」
目の前にいた少年に反発したのは、シルバーだ。怒りかなんかで震えている。
「君たちには気づいてもらいたくて色々やったんだけど、流石にやり過ぎちゃったかな?
ごめんね。でも、悪気があったってわけじゃ無いんだよ?
ただ単に、僕の存在に気づいて欲しかっただけさ。だからコトネには悪かったなと思ってる」
「だからって…! そんなの…!」
「シルバー、やめようぜ? 話したいことだってある」
俺の一言で、シルバーの気持ちを抑えることができたようだ。不穏な感じが辺りに広まった。
続く
あとがき
私の知り合いが書いてくれていたものです、ありがとう。
一回前編後編に分ける予定でしたが、やめました。修正いたしました。
あと、雑談掲示板開いてるんで遊びに来てくださいね!!
ではまた次回!さよなら!
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