二次創作小説(紙ほか)

Re: 【HGSSキャラ】ヒビキたちの物語 人消しゲームSTART ( No.58 )
日時: 2016/02/07 11:22
名前: ゆーい (ID: x8l1Qes7)
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37話:マリの想い

コトネがいきなり倒れた。急いでコトネの側へと駆け寄る。

「おい! 大丈夫かコトネ! しっかりしろ!!」

コトネの肩を掴んで揺するが、反応が無い。おでこに触れると凄く熱かった。
身体が熱をもっているのも確かだ。苦しそうに呼吸をしている。

「お前何で無理したんだよ! 身体が辛かったなら言えただろ!?
 もっと早くに、こんなに 熱が出る前に言えただろ!? 何でっ………」

「…………ヒビキくんの、やくに…たちたかった、からっ……」

辛そうな顔をして、答えてくれた。
でも俺は、返事を返してくれたことよりも返事の内容にビックリしてしまった。役に立ちたかった…か。

「だからって無理すること無いだろ!? 苦しいときは休めよ!」

「ヒ、ビキ…くんも…がんばっ、て…るから…わたしも、がんばらなきゃって…おもって…
 でも…むり、しすぎちゃった……ごめん、ね……?」

「………………」

俺はコトネを持ち上げた。最近あんまり食べてないせいか、軽くなっている。
別に、前に持ったわけではないが……いや、持ったか。

「ヒビ…く…!? ど、して……!」

「お前が頑張ってんなら、俺も頑張んなきゃだろ? お前の役に立てるなら、俺だって…」

コトネの顔を見ずに喋る。

「…………ありがと……」

どんな顔をしているのかは分からない。俺は、見たくても見られない。
コトネを椅子に座らせると、自分のパーカーをかけてやった。

「ちょっと辛いと思うけど、これで我慢してくれ。帰ったら、しっかり休もうな」

「うん……」

さて、どうしようか。ここにいてもじきに捕まるはずだ。
アキヒトにはエスパータイプのポケモンがついている。何をしても勝てないのが事実だ。
エスパーってことは鍵も開けられるだろう。さっきだって俺の部屋を開けやがった。
休んでいたいが、逃げないと捕まってゲームオーバーだ……何か考えを出さないと……

「コトネ、本棚んとこに隠れてろ。俺はその近くに……コトネ?」

「あ、うん……ごめん、ボーッとしちゃってて……」

「立てるか?」

「むり…かも。やればできると…おもうけど…」

再びコトネを担いで本棚のところに寝かせる。
少し床が居心地悪いと思うが、こうもしないと寝かせられない。コトネには我慢してもらうことにした。
俺は、コトネの隣に座った。
本棚に寄り掛かってアキヒトの日記の中身のことを考えた。
文章から読み取ると、アキヒトは『マリ』という女の子と付き合っていたようだ。
だが、そんな幸せな二人の関係があの事件で全てぶち壊れた。
アキヒトはどれほどショックを受けたのだろうか。消されるならまだしも、死んだら二度と会うことは出来ない。
気がおかしくなるくらい、残酷な死だったのかもしれない。
どうして、そんなことになってしまったのだろう…どう、して………


「ん…、ここは…? あれ、俺確か書庫にいた筈なんだけどな…」

そこは、色のない、真っ白な世界だった。どこなのか全くわかりやしない。

「どこだよここ……あ、俺…捕まった?」

こんなところに来るのかそれしか考えられなかった。
夢だとしても、少しくらい別の色があるのではないか?ここは、異世界の可能性が百パーセントに近い。

「…こんにちは! …ヒビキだよね?」

声のした方を向く。その声の主は、ポニーテールをした女の子だったようだ。

「そ、うですけど、ここは…?」

「夢の中ね。あなたの」

夢の中とは、また突飛な話だ。

「……実はね、あなたに言いたい事があるの。大切なことなのよ?」

「わかった、よく聞いておく」

「アキヒトに、こんな事は止めてって…言っておいてくれないかな?」

アキヒトに…? この人は…まさかマリ…?

「……マリが、怒ってるって伝えておいて。こんな事したって誰も報われないから……お願い。
 もう、こんな事は止めて欲しいから……言って? もう、時間がないの」

「時間がないってどういうことだ?」

「もう、あなたの夢が覚めちゃう。目が覚めたら朝の筈よ。
 ……できるだけ私が、あなたが捕まらないようにするから。今も、そういう力を使ってる。
 だから、この夢を見させてるのも私……ごめん、消えちゃう。約束よ、言っておいて……」

「マリ!!」


そこで俺の夢は終わった。今のは、夢。だって朝だ。多分、あのゲームが始まってから一日経った。
時間は進むのが早いと思った。そして、夢でマリに会った。そして、マリの想いを聞いた。
きっと、マリの言葉をアキヒトに伝えれば、気持ちが変わるかもしれない。
俺はコトネを起こした。夢の中の話と日記の内容を教えてやると、
「アキヒトくんの元へ行こう」と即答された。俺も最初からその気だった。

コトネと共にアキヒトを探しに、書庫を出た。



続く


あとがき

皆様お分かりかと思いますが、途中から力尽きました。
眠かったです。しかも明日学校です。何で土曜日に学校があるのかわかりません。

えっと、今回はマリちゃんの想いを書いてみました。マリちゃんがこう想っているという事が
わかったでしょうか…?…マリちゃんも辛いんですよ……

そろそろホラー編もクライマックスです!!
そして、ホラー編では終わらないで、ちゃんと最終編で終わります!!
いつ終わるかわかりませんけどね……あはは…(^^;;

それではまた次回!!さよなら!!


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