二次創作小説(紙ほか)

Re: 【ポケモン】ヒビキたちの物語 ポケモン×東方編 ( No.244 )
日時: 2016/04/05 11:41
名前: ゆーい ◆p17PNBs1wA (ID: hfVure16)
プロフ: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?mode=view&no=10940

※死ネタあり、哀歌=エレジー って読んでくれるとわかりやすいと思います。


「シルバー…ごめんね」


少女の影が揺れる
俺の影も揺れる


「全部…壊れちゃったんだよね。私のせいで」


俺は何も言えない
ただただ、申し訳なさそうに口を紡ぐ少女を見つめていた
俺らは、もう元には戻れないよな


シルバーの哀歌 1


「…みんな消えればいいのに」


ふと、自分の口からそんな言葉が飛び出した
近くを通りかかった女性に変な目で見られ、言葉を飲み込んで何事もなかったようにする
隣には誰もいない、俺一人だけ



「あれ、おかしいな…さっきまで二十二時だったのに…なんでもう二十三時なんだ」


考え事をしていたらいつの間にか夜中になっていた


「なんで俺こんな風に生きてんだろうな」


そんな暗い言葉が暗い夜と混ざり合った気がした
喉の奥が熱くなって水を取る
水が熱い喉を冷やすように喉を通っていく
気持ちがいい

そんな気持ちがいいときに、ある事を思い出してしまった


『おい、聞いてるか』


『……………』


『お前は一体何がしたいんだよ』


『別に』


そこまで思い出したとき、思いっきり自分を叩く
その痛み、もしくは衝撃…どちらかで昨日の事は忘れた
いや、忘れたいんだ

その瞬間だった


『シルバー』

『いつまでそんな事してるの』

『駄目だよ』

『自分から逃げちゃ』

『駄目』


「…っ……!!」


心にアイツの声が響いて、汗がだらだらと滝の様に流れ落ちてきた
その汗は、冷たくて…氷水の様だった


「くそっ………!」


壊れたのはいつからだ



苦しい

痛い


『どしたのシルバー』

『どこか痛むの?』


そうだ


『うるせえっ…! 話しかけんじゃねえよ…!』

『お前なんか嫌いだ! お前なんか……嫌い…』


『………!』


きっと、アイツは聞こえていたんだろう
俺の悲鳴が

でも

嫌いなんて
今じゃ俺の耳には錆びついてて聞こえやしない

アイツは相当傷ついてた筈なのに

俺の言葉になんか心はこもってない
嫌いなんて…こんなに痛い言葉
どれだけアイツを傷つけてきたか
歌の様に深い意味も
色の様に鮮やかなものも
何もついてやしない

だから、突然アイツは俺の前からいなくなったんだ
俺はあの日、アイツに何も言ってやれなかった
本当は元気ないのに
そんな状態でもおかしい俺を励ましてくれたんだ

俺は今更
アイツに何をおくれるのだろうか
俺からアイツにおくれるものなんかない

いや、一つだけある

じゃあそのたった一つをおくろう



2に続く→>>245


※あとがきは解釈のときに書きまーす!…はい、ごめんなさい。書かせていただきます。