二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【ポケモン】ヒビキたちの物語 ポケモン×東方編 ( No.257 )
- 日時: 2016/04/14 16:13
- 名前: ゆーい ◆p17PNBs1wA (ID: hfVure16)
- プロフ: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?mode=view&no=10940
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99話:取り戻せ
病院では三人の言い争いが繰り広げられていた。
ア「だから! なんで人間が消えたのって訊いてるの!! どうしてコトネやシルバーは消えちゃったのよ!」
早「そんな事わかりませんよ! フランさんのお姉さんは人間の力を奪ったとか言ってましたけど…!」
フ「だからって消えるのはおかしいのかもしれないよ! なんでコト姉たちが消えなきゃいけないの…?」
ア「そうよ…コトネたちが消えるのは可哀想よ。何にも悪い事してないじゃない。してるのは私たちよ?」
早「でも実際私たちは何も悪い事をしてないんですよ?」
フ「幻想郷の住民がこの世界にいるだけで悪い事なんだよ。私たちが住むべき場所じゃないもん」
早「フランさんの言っている事は正しいです。アリスさんの言っている事も正しいです。ですけど…」
いや、これ以上何を反論しても言い返されるだけだ。今、アリスとフランの言っている事のほうが正しい。
早苗は思った。フランの言う通りこの世界は幻想郷の住民がいてはいけない…と。危害があるのだと。
でも認められない。人間が自分たちのせいで消えたのだという事を。自分たちが悪者だと認めたくない。
簡単に考えられる事ではないから。ここで何か言わなきゃ自分たちだけが悪者になってしまうではないか。
早「私たちが…私たちだけが悪者じゃない筈です。だってそうじゃないですか?」
フ「連帯責任っていうのかな、こういう事。うん、多分そう…連帯責任だよ。お姉様が悪い事したんだから」
ア「まあ…悪いわよね。幻想郷の住民がこんな事してるんだもの。連帯責任にもなるわ」
早「…そんな、もんですよね…この世界に来た私たち、その時点で罪を負っていたんですね」
フ「そうだよ。私たちは面白半分で来たも同じなんだから」
ここにきて、何故かフランが真面目になっている。いつもふわふわしているイメージがあるが意外な一面だ。
早苗とアリスは顔を見合わせた。二人が同じ考えを持っているかどうかわからないが、言う事にした。
ア「私たちは、人間を取り戻さなきゃいけないわよね」
早「人間は吸血鬼ではないですもんね! 絶対こっち側に返してもらわなければ…!」
フ「私も同じ事思ってたよ!! コト姉たちを取り戻そう!きっと今なら間に合う筈だよ!!」
いなくなったばかりだ。すぐにスズのとうに向かえば間に合うと考えた。三人は一斉に病院を飛び出した。
この世界の人間が困っている自分たちを助けてくれたのだ。今度はこっちが助けてあげよう。
三人が疲れ切った頃にはエンジュシティのスズのとうに来ていた。やはり、消えてしまったのか誰もいない。
そっとスズのとうの階段を上る。早く助けたい一心で上る。スズのとうは外から見ても大きい。
中で階段を上っていてもそれがすぐにわかる。上り終わると、魔理沙とレミリア、そして…霊夢がいた。
レミリアはにこりと笑った。魔理沙は倒れていて、意識がないのかピクリとも動かない。霊夢も同じだ。
この最強の二人が倒れている、その現場に目は瞑れなかった。ここ現状を絶対に受け入れなければ。
その時、妖夢がいない事に気づく。辺りを見回しても霊夢と向かった妖夢はどこにもいなかった。
早苗はすぐにレミリアに問う。
早「妖夢さんは?」
レミリアは焦っている早苗が面白いのか、くすくすと笑いながら答えた。
レ「妖夢? 半霊剣士の事よね。その子なら、消したわよ。ちょっと厄介だけど使えれば便利な技でね」
その言葉に、早苗はイラっときた。そのイラついた衝動は自分の意思では抑える事ができなかった。
自然に足が動いて、気づけばレミリアの胸ぐらを掴んでいた。胸ぐらをつかむ事なんて今までになかった。
こんなにイラついたのは久しぶりの事だ。
早「ポケモンの技ですよね? なんでそんな事に使うんですか!? おかしいですよ、そんなの狂ってます…!」
レ「そうね、ポケモンの技よ。それがどうしたっていうの? 別にいいじゃない。自由に使ったってね」
早「勝手すぎます…!! 人間を消して、自分勝手に世界を変えようとして…いい加減にしてくださいよ!」
レ「それじゃああなたはこの世界の神なの? 違うでしょう? あなたは神でもない。ただの巫女よ」
早苗はその反論に黙ってしまった。正論であるからだ。自分は幻想郷から来た者。神でもなんでもない。
そう、ただの巫女なのだ。神は自分の神社にいるお方だ。
幻想郷では奇跡の力を使う事ができるが、今は使えない。どうすればいいのだろう。もう終わりだ…
早苗はそっとレミリアの胸ぐらを掴む手を放した。アリスとフランのいるところに戻る…
しかし、その途中で足に何かが突き刺さった。鋭い痛みが足を駆け抜けるような感じだ。
足にはナイフが刺さっていた。刺さっているナイフはどこかで見た事があった。…確か、このナイフは…
目の前を見ると、咲夜が立っていた。その隣でアリスとフランが立ち竦んでいる。
咲夜は不敵な笑みを残すと、前に倒れた。力尽きたように。後ろを見ると、レミリアが立っている。
もしかしたらだが、レミリアが咲夜の力を奪ったのではないか? 早苗の体も力が抜けていっていた。
立っていられず、倒れる。やはり予想は当たっている。そうだ、人間だから奪われていっているのだ。
幻想郷も何も関係なく、人間自体の力が奪われていっているのだ…早苗の意識は遠ざかる。
隣を、大きな声をあげながら走る影が見えた。
続く
あとがき
今回は2000文字いったぞ…私、今回時間が無い中でもめっちゃ頑張ったと思うんだ……
低クオリティだけど許してくださいお願いします。
はい、今回はあれですね。早苗さんがわかってしまいましたね。いや、わかったじゃなくて気づいたのかな?
まあいっか…人間の力が自然に奪われていってるんですね。だから人間の魔理沙や霊夢も意識が無いんです。
これは本当にレミリアのせいなのかな…?
次回はバトルっぽくなるのかなあ?どうなるんでしょうか…!
ではまた次回!!さよなら!!
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