二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【ポケモン】ヒビキたちの物語 ポケモン×東方編 ( No.268 )
- 日時: 2016/04/19 18:48
- 名前: ゆーい ◆p17PNBs1wA (ID: hfVure16)
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107話:帰らなきゃ
魔「ふああああ…よく寝なかった…」
ア「あなた遅くまで起きてたの? 幻想郷に戻ってもそんな生活じゃ困るわよ」
そんな事はわかっている。昨日は悩み事が多くて全く眠れなかったのだ。結局あの後二時まで起きてた。
今くまが酷いであろう。鏡を見るのが辛いが顔を洗う事にした。下に行くと、話し声が聞こえた。
話している人物はヒビキ、コトネ、シルバー、紫、霊夢、パチュリーだった。
紫「河城ニトリによると今幻想郷が大変な事になってるらしいのよ。帰れるマシンも造ってあるらしいわ」
コ「それって、帰るって事なの? それに大変な事ってどういう事なの…?」
紫「…そういう事。大変な事…昨日まで起きてた異常現象みたいなものよ」
霊「紫、それを詳しく言ってくれないかしら。そんな説明じゃあわからないわよ」
紫「じゃあもう少し詳しく説明するわ。ここ最近、幻想郷でもの凄い量の雨が降り続いてるらしいのよ
それに里の人間も消えちゃってるみたいだし、力も全く使えなくなってるって感じ…どう思う?」
霊「どう思うって…それって私たちが別の世界に行っちゃったから影響が出てるって事よね?」
紫「その通りー! まあのんきな事言ってないで早く帰らなきゃならないんだけどね」
コ「こっちでは収まったのに…幻想郷ではまだ収まってないんだね」
ヒ「んー…それはこっちと同じ時間帯で起きてたのか?」
紫「ニトリが言ってた事だけど、私たちがこの世界に来てからすぐに雨が降ったって。この世界は?」
ヒ「この世界は確か…コトネ、いつぐらいから雨降ってたっけ?」
コ「確かねえ…私が魔理沙を見つける三日くらい前から雨が降ってた気がするよ! 結構前から降ってたよ」
紫「じゃあ同じような時間なのかしらね。少しのズレはあったと思うけど。とりあえず、やばいって事」
シ「ふーん…じゃあさ、ニトリって奴はいつここにくる予定なんだ?」
紫「行って良いならすぐ行けるって言ってたわ。多少の負担はかかるらしいんだけど。良いかしら?」
コ「またポケモンが消えたりしたら嫌だけど、みんなが困ってるんだったら…ね!」
ヒ「そうだな! 幻想郷ってところの奴らが困ってるならすぐに来て良いぜ。だって困ってるんだろ?」
紫「…ありがとう、あなたたち。すぐに来るようにニトリに言っておくわ。今まで本当にありがとうね」
魔理沙はその会話をずっと聞いていた。コトネやヒビキと別れる事になる? もう会えなくなる?
そう考えると寂しさが一気に込み上げてきた。コトネの家で生活した日々は楽しかったから帰りたくない。
でも幻想郷がそんな状況じゃ帰らなければいけない。この世界にいつまでもいてはいられない。
いつかは幻想郷に帰らなければいけない事はわかっていた。今日だってそう考えていたのだから。
しかし、実際帰らなければいけないという現実に叩きつけられると、とても心細くなってしまう。悲しい。
重い足取りでトイレへと向かった。あと一時間後には幻想郷に帰るのだ。…嫌だ。帰りたくない。
後ろに気配がしたが、気のせいだと思った。だが、それは気のせいではなかった。
コ「魔理沙、今の話聞いてたんだよね」
魔「…ああ、聞いてたよ。わかってるんだよ、あんな事。お前らも私たちがいなくなれば楽だろ?」
コ「………………」
魔「いいさ、そんなに無理矢理無理な顔しなくたって…笑えよ」
コ「笑えるわけないでしょ」
いつもの高い声ではなく、低い声でそう言った。ぎゅっと体に抱きつかれた。
コ「魔理沙やアリスさんと過ごした日々、すっごく楽しかったんだよ? それなのに…そんな事言わないで」
魔「でも、でもさあ! 嫌だったんじゃないのか!? 心の中では面倒臭いと思ってたんだろ!?」
コ「そんな事ない!!」
大きな声を出されて、体が硬直してしまった。すると、背中が自然と濡れた。汗をかいたわけではない。
…コトネの涙だ。コトネはふるふると震えていた
コ「別れはっ、辛いよ…! 怖いしっ、ぜつぼうに、ひたっ、ちゃう…からあっ!!」
魔「コトネ……」
コ「魔理沙がなんと言おうと私は言う…! 寂しいものは寂しいもんっ…! だから、そんな事言わないで…」
ああ、いつからこんなに涙腺が弱くなってしまったのだろうか。目から涙が流れ落ちてくる。止まらない。
我慢しようとした嗚咽も呆気なく口から飛び出した。
魔「うっ…うう! うああっ…!! 私も、別れたくないっ…!!」
でも、別れるものは別れるんだ。それが運命、人生だから。
魔「お前と過ごした日々、楽しかったっ…! ありがとうなあっ…!」
コ「うん…うんっ…!」
魔「幻想郷を守るためにっ、私たちは帰るっ…! 帰らなきゃ…!」
コ「私、応援してるから…」
魔「ありがとう…ありがとうっ……!!」
魔理沙はコトネの肩に顔を埋めて泣いた。そんな二人の様子を家にいた人、みんなが見ていた。
幻想郷を守るために、帰らなきゃ。別れるまでたくさん話そう。そう決めた幻想郷の住民だった。
続く
あとがき
次回で東方編がラストとなります!計何話あるんだろうね。35話くらいあるのかな?
コトネちゃんのセリフがちょっと最終編と…おっと、ここまで言ったらまずいかな…やめておこう。
まあ、まずくも何もないですけどね!特に意味はありませんよ(ーー;)
ではまた次回!!!さよなら!!
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