二次創作小説(紙ほか)

Re: ヒビキたちの物語 ホラー編!! ( No.29 )
日時: 2016/02/07 10:09
名前: ゆーい (ID: x8l1Qes7)

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17話:せいくんは?

「まさきくんは…呪われたんだよ」

「…は? 今なんつった?」

「だーかーらー! まさきくんは呪われたんだって!!」

「んなわけないって。本当にホラーじゃんか」

やっぱり信じてもらえないか…ちょっとばかり信じてもらえないとは思っていたけど…

「ないとは限らないよ? 本当にヒビキくんの言った通り、呪われていたのかもしれないし。
 その声の主はもうこの世にいない者だったんじゃないの? ……あ」

コトネがゾッとしたように小さく声を出し、固まった。ん? とは思ったが、
コトネの言ったことを思いだし、考えてみたら、確かに怖かった。ゾッとした。

「俺もヒビキくんとコトネちゃんの意見に賛成かな。俺は怖いの全然平気だから、
 コトネちゃんの言ったことも確かにそうだな、とは思うよ。
 本当にその可能性もあるかもしれない。でも…ヒビキくんは確か呪われたって言ったよね」

俺は小さく頷いた。するとコトネが言った。

「…もし、もしだよ? …まさきくんが呪われたんだとしたら、せいくんは?」

…せいくんは? そうだ、せいくんはどうなんだ?
確か…耐えられなくて狂って自殺したって言ったような……

呪われていた声の主(一応この世にいない者としよう)から電話→まさきくん電話に出る→
その後、精神病院で死んだ→せいくんに電話→死ぬ。

っていう順序だよな。
繰り返される呪いの電話ってことか? そしたら辻褄は合うのか? ん? ん?

「ヒビキくん、大丈夫? なんか顔色悪いみたいだけど…?」

「…え? あぁ、ごめん。ちょっと考えごとしてたからさ」

「私ね、終わらない呪いの電話だって思うんだ。そうしたら、
 せいくんだって呪われていたかもしれないってことになるでしょ?
 だから…もしかしたらってことでね…! 辻褄合うでしょっ?」

「…お前……」

「あ! ごめんね! 私の考察だから!」

「俺も同じこと考えてたんだよな。ははっ!!」

「……っ!」

「ん? 顔赤いけど…」

「なっ、なんでもないっ!!」

「そうか…」

「「………」」

あ、なんか話ずれちゃったな。すまん。

「という考えなんですけど、レッドさん」

「うん、確かに辻褄は合うね。俺の考えは、耐えられなくて狂った。なら、
 死んだまさきくんを思い出して苦しくなったと思うんだ。
 まさきくんは呪われたとは思うけど、せいくんは違うと思うんだ」

「……おぉ」

確かにそういう考えをすることもできるな。別に呪われたわけではないっていう考えか。
さすがレッドさん。

「…? どういうことなんだ?」

あぁ、ここにわかっていないやつがいた。説明しにくいな…

「まさきくんは呪われたけどせいくんは呪われたわけじゃないってことなの! わかった?」

「あぁ、そういうことか! ありがとう、コトネ」

コトネの説明で、わかったのかよ。なんだこいつ。

「これで2つの仮説ができたね。なんか考えるほど、話の内容が奥深くなっていくな」

レッドさんが言う。また俺のところに電話がかかってくるのだろうか…
チラッと電話の方を見るがかかってくる様子はなさそうだ。

しかし、この話には秘密が隠されていたのだった。



続く


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