二次創作小説(紙ほか)

Re: 【HGSSキャラ】ヒビキたちの物語 ホラー編!! ( No.37 )
日時: 2016/02/07 10:20
名前: ゆーい (ID: x8l1Qes7)

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24話:鍵 前編

図書室があってほしい。それが今の一番の願いだ。
なんとなく都市伝説とかの本を見たいし、それにこの旅館だって気になっていた。
なぜこんな山奥に旅館を建てたのか、どういう歴史をもっているのか、客はどのくらい来るのか…
気になる。女将さんにでも聞いてみようかな。きっと何か答えるはずだ。

「なぁ、コトネ」

「ん? なぁに、ヒビキくん」

「あのさ、さっきの…イツキさん。話しててどうだった?」

「うーんとね、簡単に…率直に言ったら、とっても大人びてたかな。でも、なんで?」

「…途中からいなくなって外で話してたから気になった」

「そっかー…ヒビキくんのこと話したら変なこと言われちゃって焦ったよ」

その言葉と共に、ほんのりと頬っぺたを桃色に染めた。コトネが見せた表情に俺はドキッとした。
反則だ…その表情…

「純粋な心って大切だから大事にしなさいとか言われたんだけどね。
 ちょっぴり恥ずかしくなっちゃってさー。なんとか言ったんだけどニヤニヤされちゃって…」

「…別に俺たち特別な関係じゃないしな。あ、幼馴染っていう特別な関係だったか」

いじわるっぽく言ってみた。なんとなくコトネがどういう反応をするのか気になったし。

「え…あ、うん!! そうだよね、別にそう恋人とかいう関係じゃないもんね!!」

…意外な反応だった。もっとはっきり言うのかと思った。
でも、少しコトネが余裕なさそうに見えたのは気のせいだろうか。もしや、残念がってる…?

「ヒビキくん、もしかして…」

「…いっ、いや別に深い意味はないからな!?」

「…好きな人がいるからって人に押し付けないの!」

「…は?」

何言ってんだこいつ。とうとう気がおかしくなったのか?

「大丈夫だって! 好きな人がいるなら私が応援してあげるから!」

「まっ、待て待てっ! 好きな奴とかいないから。勘違いすんなよ!」

「…あ、そっか…なんか勝手に思っちゃってごめんね」

コトネが、しゅん…と肩をだるっとし、落ち込む。言い過ぎたか…?

「ご、ごめん。言い過ぎた」

「…一緒に女将さんに聞きに行こう?」

女将さんに聞きに…? 何を?

「…図書室に行きたいんでしょ? 聞きに行こうよっ、ほら!」

「あぁ、うん」

なんだ、図書室のことか。あれば最高なんだけど無かったら悲しいな…

「それじゃあ行こ」

コトネが立ち上がる。俺もそれに釣られて立ち上がった。そして手を引っ張られて
ついて行く。昔もこんなんだったな…と過去を思い出す。…懐かしい。
あの頃に戻りたくなる。

「女将さーん。この旅館に…その、図書室ってありますか?」

食卓にちょうど別の女将さんがいたので話しかける。すると女将さんは、

「んー、図書室…ですか。辞書とか置いてある書庫ならありますけど…」

「書庫かぁ…じゃあ、あのー書庫ってどこにありますか? 図書室がないなら書庫でも全然、
 オッケーなんで…お願いします」

「ではご案内いたします。こちらへどうぞ」

女将さんが案内してくれるみたいだ。図書室じゃないのにガクッと肩を落とすが、
書庫でも役には立つ。とりあえず、見てみる価値はあるかな…



後編に続く


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