二次創作小説(紙ほか)

Re: 【ポケモン】ヒビキたちの物語 *ビターメモリーズ ( No.375 )
日時: 2016/06/19 11:40
名前: ゆーい ◆p17PNBs1wA (ID: hfVure16)
プロフ: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?mode=view&no=10940

※死ネタあり、雑音=ノイズ って読んでくれるとわかりやすいと思います。


>>372


コトネの雑音 2


「んん…あれ、ここ…どこ?」


私が起きた場所は雲の上だった。雲の上にに乗っているのだ。


『あ、やっと起きたね! おはよう私!!』


「…えっ…? え"!? な、なんで私がここに…なんで!?」


目の前の光景に目を疑った。え? 私?


『ここは何処だと思う? って言ってもわからないよねえ』


「…コガネシティでしょ? それくらいわかるよ…」


『ぶっぶー、正解は一年前のコガネシティでした! 不正解だよー』


「…言い方がなんか嫌だけどいいや…って一年前? どーして?」


『私』は面白そうにこう言った。


『ちょっと記憶を辿ってみたくてね。どう? 一年前のコガネシティは』


「あんまり変わらないね」


まあそりゃそうなんだけど。…でも変わったところといえば、道路が安全になってるとこだ。
私の事故でそうなったのかな…


『ほら、よく見てみて! 私とヒビキくん、シルバーがいるよ!!』


「あ、本当だ…」


見るからに楽しそうで三人で笑い合ってる。…なんだか寂しい。


『…ちょっと景色変えるねー』


『私』がそう言うと、一瞬にして景色は変わって、葬式の光景が見えた。
そう、葬式とは…私の葬式なのだ。ヒビキくんとシルバーの泣いている姿が見える。
ヒビキくんが起きた後の葬式だ…


「…や、やだ。見たくない、嫌…! なんでこの景色を見させるの…!?」


『嫌でしょ、この光景。私も嫌だよ。自分の葬式なんて見たくないもん』

『この頃にはもう壊れちゃってるんだよね、私たちの関係は』


時間が経ったのか、ヒビキくんとシルバーは泣き止んでいた。


「ヒビキくん…シルバー…」


『辛いんだろうね、二人とも…罪悪感でいっぱいなんだろうね…』


聞いていると、二人の会話が聞こえる。


「コトネ、もう帰ってこない」


「…………………ん"…」


「もう…あの笑顔は見られない……!」


「……………ぅ、ぁ…ぅ"ぅ"…」



でも、泣き止んだばかりなのにヒビキくんはまた泣いてしまっていた。
シルバーも俯きながら嗚咽を漏らしている。


「…〜♪ 〜〜♪ 〜〜〜♪」


笑ってもらおうって思って歌ってみるけど、笑ってくれない。
もうダメだと思って、歌うのをやめる。

まただ

結局、何をやっても笑ってもらえない。…死んじゃってるから。




時間は経って、元の世界に帰ってくる。『私』は消えてないけど。
いつの間にか空が赤く染まっている。
…夕方になったんだ…


『私ってば、そんなにがっかりしないの! 大丈夫だって!!』


「…消えちゃえばいいのに」

「あなたなんか消えちゃえばいいのに…!」

「私、あなたのこと嫌い…! なんもわかってないじゃんよ…!!」

「忘れたいよ、こんな記憶…! ………ごめん、全部忘れて」


言葉が止まらなくて、つい言ってしまった。
『私』が驚いたような表情を見せる。でも、それでも『私』は笑ってる。


『……〜〜♪ 〜♪ 〜〜〜♪』


「……なんで歌ってるの…」


『私が元気づけるために歌った曲でしょ? ここで歌わなきゃ損だって!』

『……〜〜〜♪ 〜♪ 〜〜♪ …〜〜♪ 〜♪ 〜♪』


「痛いよ…体中が痛い…しかも、そんな歌、歌ったって元気でないよ」


『いいや、ヒビキくんは元気でるって言ってたけど?』

『聴いてくれてる人はいるよ、私。だから元気出して、頑張ろうよ!』


頑張れるわけがない。もう無理だよ。最近体が痛くて歩くのもやっとなのに。


『おっと、そろそろ消える時間かな。またなんかあったら来るよ』

『それにさ、答えさえ見つければ私は助かるよ。大丈夫だよ、焦らなくたって』

『それじゃあね。ばいばい、私』


「ちょ、ちょっと待ってよ…! ってもういないし…」

「…答えなんて、見つかるわけないじゃんよ…」


体が痛む。
どうしよう、最近体中が痛みで悲鳴をあげてる。


ああ…


ヒビキくん


君は答えが見つかったかな?




私はね


見つからないままだよ



3に続く→ >>376