二次創作小説(紙ほか)

Re: 【ポケモン】ヒビキたちの物語 *ビターメモリーズ ( No.381 )
日時: 2016/06/25 15:22
名前: ゆーい ◆p17PNBs1wA (ID: hfVure16)
プロフ: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?mode=view&no=10940

解説3 >>379
雑音3 >>376



コトネの雑音 後



「…今、一体何が……そうだ、さっき私自身に会って…それで…」


この花はなんだろう
手にはピンクのバラが握られていた。いつから持ってた?


「変なの」


私はヒビキくんとシルバーに駆け寄った。二人もバラを持っている。


「コトネもそのバラ持ってたのか! なんだろうな、このバラ…」


「…さあ。でも綺麗だし、飾っておくのも悪くないよね!」


「まあな。…うっ…なんだ、この痛み…どっかで……うう…」


シルバーがしゃがむ。私はシルバーに肩をそっと叩いた。
でも、これが悲劇の始まりだなんて、このとき誰も知らなかった。


「シルバー? 大丈夫? どっか気持ち悪い…」


「黙れ」


その場がシーンと静まり返る。私たちのところだけ静まり返る。


「えっ…シルバーどうし…」


「くっ……や、めろ……黙れ黙れ………コトネ、俺に近づくな、…消えろ」


「シルバっ…何言ってんだ…!」


シルバーの様子がおかしい。ふらふらとして、不安定な状態だ。
表情が、こちらに助けを求めているように見える。


「だめ、だって…コト、ネに…ここで、言ったら……ごめ、俺、帰る……消えろ…消えろ…!」


「シルバー……あっ、シルバー!」


シルバーがふらふらと歩いていく。すると、シルバーの方に向かって車が走ってくる。
あ、だめ、ここで選択を誤ったら…
私は一目散に飛び出した。


「シルバー! 危ない!!」


ふらふらと歩くシルバーの背中を思いっきり押した。シルバーがびっくりした目でこちらを見る。
いいんだ、これで。シルバーはよく頑張ったよ。


「ごめんね」


ドンと衝撃が走る。それから私は意識をなくした。




何をやってもダメなんだよ、この世界は

ね、言ったでしょ?

タイムスリップなんてできやしないんだって





その声で目が覚める。枕元を見ると、何か書かれた紙が置いてあった。


--

タイムスリップしたい

あの頃に戻りたい

--


「…ははっ……馬鹿みたい」



本当だよね


夢なのにね


もう一度あの頃戻れたらなんて、死んじゃってるから無理なのに


「死にたくなかったなあ…」


雑音にはなりたくなかったよ、私



次回→ >>382