二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【ポケモン】ヒビキたちの物語 *ビターメモリーズ ( No.390 )
- 日時: 2016/07/06 06:52
- 名前: ゆーい ◆p17PNBs1wA (ID: hfVure16)
- プロフ: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?mode=view&no=10940
※死ネタあり、この話は一人きりロックショーという曲をもとにしています。
前回→ >>387
目を開けたとき、なぜかまた、劇場に立っていた。
振り返ると、舞台の上にコトネが立っていた。
コトネは、笑っていた。
たった一人で 1
「……う、ん……? あれ、俺寝てたのか……」
俺は列車に乗っている。
なぜ列車に乗っているかはわからない…まあ今、最終便らしいが。
窓の外を眺めた。
さっきまで明るいなと思っていた景色がいつの間に暗くなっている。
時間が経つのは早いものだ。
俺が行き着いた場所は劇場だった。
なんで劇場? とは思ったが、行くあてもないので入ることにした。
中は暗く、電気はついていなかった。
俺は舞台の方から視線を感じて、舞台の方へと向かった。
「コトネ……また、会ったな」
舞台に座っているコトネはにっこり笑った。
「また会ったね、シルバー」
今コトネと会話を交わしている、って考えるととても嬉しくなった。
「少し話そうよ。いいよ、席に座って。シルバーも長い中列車にいて疲れたでしょ?」
「コトネは…ずっとここに座っているのか? こんな誰もいないようなところで」
「絶対一人ぼっちで寂しいだろ。一体何してんだよ」
「うーん、ここにいる意味………大体意味はないんだろうね」
俺はコトネは何を言っているのかがわからなかった。
俺は話を変えた。
「劇場ってことはさ…幕が下りたら終わりだろ?」
「まだ下りないよ。…私のことなんて、誰も見てくれはしないから。まだ、誰も見てくれない」
「まあ、ここの劇場に誰もいないからだろうけど……」
コトネは寂しそうに笑った。
その笑顔に胸が痛くなる。
俺らは思い出を排除していった。
全部、全部。
コトネはきっとそれが辛いのだと俺は思う。
俺は俯いた。
「やっぱり、俺は何にも変わらない…」
「そんなことないよ。シルバーはすごく変わったよ!」
俺は顔をあげた。
こんな俺が? 変わった?
そんなわけない、俺は全然変わってない…
「俺はコトネに酷いことを言いまくった」
「自分を殺して、お前を殺して…それなのにお前やヒビキに縋ってさ…頭おかしいだろ」
「…というかさ、なんで俺はここにいる? なんでコトネと話している?」
コトネはなんだか言いにくそうな顔をした。
こういうときのコトネは絶対に言わない。
「…シルバーが知ることじゃないよ。ね?」
「…そんなことよりもさ! 話をしようよ!! 暗いよ楽しいものもつまらなくなっちゃうからね!」
「この世界は全部………いや、なんでもない」
「どうしたの? ……ああ、そういうことね。昔私が教えたあの話のことか…懐かしいね」
「コ……はい………しかった………本当に…ん…な…」
俺はぼそっと呟いた。
自分自身でも何を言っているのかわからない。
なあ、コトネ………
「馬鹿で、躓いた俺を笑ってくれよ」
2に続く→ >>391