二次創作小説(紙ほか)

Re: 【ポケモン】ヒビキたちの物語 *ビターメモリーズ ( No.398 )
日時: 2016/07/18 09:24
名前: ゆーい ◆p17PNBs1wA (ID: hfVure16)
プロフ: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?mode=view&no=10940

※死ネタあり、アイラという曲をもとにして書いています。この話でラストとなります。


前回→ >>397


Aira 2


「今日に限ってこんな天気とか…聞いてねえよ……」


空は満天の青空と言って良いほどの雲一つない空だった。
こんな天気、嫌になってくる。

こんな天気の日は、コトネの言葉を思い出すんだ。
だから嫌だ。


…あの時は夕焼け空だった。もし、あの時…
あの時想いを伝えられていたのだとしたら…今、この現実世界は変わっていただろうか。
きっと変わっているだろう…俺はただのバカだったんだ。

気づいたら涙が出ていた。その涙をそっと拭った。

涙は、俺の想いだから。溢れてしまうのはしょうがないことだろう。






「…あーあ……のんびりしてたらもうこんな時間だ…」


俺は、苦しいものをこの広い夜空にしまった。


そのまま家に帰り、電気をつけた。暗い部屋が明るくなる。
横になって目を瞑った。

俺はその後、眠ってしまった。




「……ん? ここは…あのときの…!」


恐怖で体が後ずさりする。もうあんなものは見たくない。
目の前には事故の光景が広がっていた。

無意識なのかなんなのか、体がそこへと近づいて行った。


全部壊したのは俺


思い出して考える。
コトネを殺したのは俺で、ヒビキも巻き込んでしまったのも俺だ。
全部俺が悪いんだ。
今更遅いのに、もう無くしてしまったのに…コトネにはもう会えないのに…




「うわあ…! ………ああ…夢か……」


もう一度で良いから、笑うお前が見たい。俺の前で笑ってほしい…


「もうなくなるのは嫌だ……消えていかないでくれ……」


目を塞ぎながら、瞑った。
もう二度と帰ってこないけど、願いたい。帰ってきてほしい。

俺はお前に何にも伝えられていない、伝えていない。


この世界は回っている。平等に、回っているんだ。
誰もに同じことが起こっているわけではないが、時間は平等だ。戻ることはできない。

外を眺めると、雨が降っていた。ぽつぽつと空から雫が落ちる。


「お前の傷に触れて…触れて、触れて、触れてみてやっとわかったんだ」


俺だって、苦しいよ。
わかってる、お前の気持ち……

寝転がると、また寝てしまった。



3に続く→ >>399