二次創作小説(紙ほか)

Re: 【HGSSキャラ】ヒビキたちの物語 ホラー編!! ( No.43 )
日時: 2016/02/07 10:50
名前: ゆーい (ID: x8l1Qes7)
プロフ: http://www.pixiv.net/member.php?id=13997448

前編→>>42


27話:シルバーとレッドの仲直り作戦?(シルバーとレッド目線) 後編

※前編より長いです。時間のある時にイッキに見た方が良いですよ^^

説明:○→シルバー ◎→レッド

↓本編↓



レッドさん…ヒビキを見つけてくれたのか…?

(数時前だと思うが、)先ほどコトネが泣きながら俺とレッドさんのところに来た。
あまりにも酷く泣いていたもんだから、焦った。だが実際に話を聞いてみると、
ヒビキにイラついた。でも、コトネが凄く悲しそうに泣くからその怒りも直ぐに治まった。
そして、現在コトネと二人っきりである。

「……本当に困らせてごめんね」

「気にすんな。お前がそんな状態だと心配だから」

「それと、昔シルバーのことひどく扱ってごめんね。今でも後悔してる。酷いことしたなぁって…」

「それも俺は別に気にしてない。俺たちがまた仲の良い頃に戻れただけで嬉しいからな」

嘘じゃない、すべて本当のことだ。コトネの泣いた顔を見ると俺まで、泣きたくなってしまう。
だから俺は、コトネの悲しむ顔とか絶対に見たくない。

「なんで私、ヒビキくんに悪いこと言っちゃったんだろう…
 そんなの、関係をバラッバラに崩すだけなのにね。私、馬鹿だよね」

コトネが弱弱しく笑う。目が赤くなっているのが、また辛そうに感じる。
そんな目で見られたらこっちまで辛くなるからやめてくれ、コトネ。

「ヒビキは悪い奴じゃないから大丈夫だろ。
 イラついてたとしてもきっとすぐに機嫌よくなってるさ。安心しろよ、な?」

不意に自分でも変なことを言ってしまったと思った。
すると、コトネも一瞬驚いた表情をしたがニッコリした。

「…ありがとう、シルバー。なんか元気出てきたよ」

「別に、元気づけるのは当たり前だろ」

「なんか、シルバーに元気づけられるのって変な感じがするね」

「お前は、俺を怒らせたいのか?」

いじわるっぽく言ってみる。コトネがあははっと笑う。

「もー、シルバーったら本当に変なこと言うね」

別に俺は変なこと言った覚えはないと言おうと思ったがやめておいた。
今のコトネに何か文句を言うと、泣いてしまう可能性もある。大分心が弱っていると思う。
廊下から大きな声が聞こえた。多分レッドさんの声だろう。

「ちょっと、ヒビキ! ここまで来てコトネに謝らないわけには、いかないだろ?
 俺とシルバーがいるから安心しろって!」

なにか言い合ってるのか?そういえば、宣言した通りヒビキのこと呼び捨てで呼んでる。

「や、やっぱり無理ですよ! 謝っても絶対許してくれないと思います!」

「大丈夫だって! コトネならきっと許してくれる! ヒビキが一番分かってるだろう?」

俺と同じこと言ってる…

「そうだと思いますけどぉ…ってうわぁ!」

呆れながら聞いていると、いきなりドアがバンッと開いた。何事かと思ってドアの方を向くと、
ヒビキが倒れており、レッドさんがその隣に立っていた。コトネも驚きを隠せないようで、
ポカーンと口を開けている。ヒビキは痛そうにその場に蹲った。そしてレッドさんにこう言った。

「何するんですか、レッドさん! 怪我したらどうするつもりで…」

「ヒビキがぐずぐずしてるからだ。目の前にコトネがいるからちゃんとした方がいい」

「えっ!?」

ヒビキがこちらを向いた。コトネがそれと同時に顔を逸らす。

「コト…ネ…」

その言葉にコトネがビクッとなる。怯えているのだろうか?
黙りながらだが、ヒビキの方に顔を向けた。しかし、顔は俯いている。
何を話すにも俺たちがたてた作戦でいくことにする。

「よう、ヒビキ。お前も目が赤いけど泣いたか?」

俺がそう言うと、恥ずかしくなったのか咄嗟に顔を隠した。

「お前には関係ないだろ。誰が泣いてたって人の勝手だ。俺は謝るって決心してここに来たんだ。
 …許してもらえると思ってないけどさ」

真っ直ぐな目でこちらを見つめてきた。ヒビキが本気になった時の目だ。
この目は今までに何回も見てきた。

「だってよ、コトネ。もうヒビキに怯えることはないと思うぜ?」

「………………」

きっと今のコトネの気持ちは複雑なのだろう。
ごちゃごちゃになっていてわけがわからなくなっていると思う。
だけど、俺としてはコトネに悲しい気持ちでいてほしくない。
だから、この二人に協力するのだ。ヒビキが決心したならコトネも決心する筈だ。

「存分に迷えばいいさ。お前が本当に仲直りしたい気持ちがあるなら仲直りした方がいいと思うし、
 別にもうどうでもいいと思うならこのまんま…喧嘩したままでいいんじゃないか?
 …でもな、コトネ。俺はそれじゃ駄目だと思う。ちゃんと仲直りして元通りになった方がいいぜ、コトネ」

コトネの頭をポンポンとする。こうした方が安心すると思ったから。

「……! ……そうだね。…ヒビキくん。」

コトネも漸く顔を上げた。ヒビキが少しだけ後ずさった。なぜ後ずさるのか俺にはわからないが、
驚いたんじゃないかとは思ってる。
でもそれも少しの間のことで、ヒビキは立ち上がりこちらへと向かって来た。
俺はコトネが逃げぬよう、しっかりと背中をがっちりホールドした。
ここで逃げられたらヒビキもヒビキで可哀想だ。
そして、コトネの目の前にヒビキが立った。ヒビキが見下ろして、コトネが見上げる形になっている。
レッドさんは背中を壁につけながら見守っていた。

「コトネ…ゴメン。俺、あのとき自我が保ててなかった。体が言うこと聞かなくて焦った。
 こんなこと言っちゃいけないって心では思ってるのに、興奮しちゃっててわけが分からなくなってた。
 酷いこと言っちゃって本当にごめんな…ごめん…な…」

もうヒビキの目には涙が溜まっていて、今でも零れ落ちてきそうだった。
ヒビキから話を聞いていなかった。ヒビキ、歯止めが利かなかったのか…
確かにこの様子だと、本当に何か地雷を踏まれたんだなと納得できる。

「…私も酷いこと言っちゃってごめんなさい。
 本当は私が原因だから、私がちゃんと謝らなきゃいけないに…ごめんね。 
 ヒビキくんの言う通り、私、全然ヒビキくんの気持ちわかってなかった。だから…だからね!
 ヒビキくんのこと、また最初から見直してみる! もっとヒビキくんの良いとこ、
 見つかるかもしれないから…!」

コトネはヒビキに手を出した。ヒビキもその手に反応し、手を出す。そして、二人で手を握りあった。
これが幼馴染みというものなのだろうか……
少しそんな2人を見て羨ましくなる。俺もこんな関係の奴、いてほしかったな…

「シルバー、レッドさん、ありがとう。俺、もっとコトネと仲が深まった気がする。
 コトネ、これからはお互い良いとこ見つけあっていこうな」

「そうだね、ヒビキくん…!!」

ニカッとコトネが笑った。レッドさんはその様子を初々しそうに見ている。俺も仲直りした二人に安心して、
ホッとしていた。よかった、二人の関係が壊れなくて。結果、この作戦はうまくいった。
実の内容としては、二人の意見を大切にしながら見守ることだ。
ただ、黙って見守る訳じゃなく俺がアドバイスみたいなのを出す。そういうものだ。
俺は自分なりにアドバイスを出したつもりだ。

ヒビキの言った通り、二人の仲はこの喧嘩でもっと深まったように見えた…



続く


あとがき

今回も長くなりそうなので、前編と後編に分けることにしました。前編の最後にレッドさんが
「行くよ、ヒビキ」と言いました。その時点で1705文字でした。今回はそれ以上ですね。
長く感じた方もいるでしょう…でもヒビキとコトネの2人の仲をもっと深めるためには
これくらい長くないといけないと思っています……。

次回こそ!(きっと)女将さんの話です。そうじゃなかったら別の話ですね。
当たり前のことですけど…(汗)

それでは、また次回!!


次回→>>46