二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【HGSSキャラ】ヒビキたちの物語 ホラー編!! ( No.52 )
- 日時: 2016/02/07 10:55
- 名前: ゆーい (ID: x8l1Qes7)
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33話:15年前に起きた殺人事件 (会話多め)
じーっと目の前にいる少年を見つめる。こいつが俺たちにやってきた犯人…格好も少し不自然だ。
謎が多いし、話しかけてみる必要がある。聞いてみるか、色々…
「名前、なんていうんだよ」
「名前? んー…仮名を言うのもどうかと思うし、本名を言うよ。
僕の名前はアキヒト。ちょっと変な名前かもしれないけど、ヨロシク」
よろしく…、俺もそう言って会話を交わした。少年…アキヒトは悪戯好きなのかもしれない。
よくいる、すっげー悪戯する奴が。背もそんなに大きくないみたいだし、俺よりも年下だろう。
だが、アキヒトが立ち上がると、全然俺の予想と違っていた。大体俺と同じくらいの身長だ。
大きく変わらない。シルバーは俺よりもデカイからアキヒトはシルバーより小さいと思う。
「あっれー? まさかヒビキ…僕背が小さいと思ったのー? 残念♪ ちっちゃくないです!
ま、君の身長と同じに設定してあるから背が一緒なのは当たり前だけどね」
「設定してある…? どうゆうことだよ…」
「そ、君と同じにね。僕、こう見えて生きてないからさ!
だから、身長を変えるとか、自分の体を自由に操ることが出来る。驚いた? 僕が死んでるって聞いて」
アキヒトは俺のことをからかっているかのようにニコッとした。
「てっ…てゆーかお前何もんだよ! 死んでるとか…霊体なのか!? お前の体は!」
「その通りだよ、ヒビキ。今の僕の体は霊体! …だから触れること、出来ないよ?」
いちいち俺のことを挑発してきている。ムカつく。
「あ、自己紹介しなきゃね。年齢は十二歳! 元、ポケモントレーナー」
「元…?」
「うん。意味は君とヒビキで考えてみればいいよ」
「元ってどういうことだよ、わかるわけねえじゃねえか…」
「……まさか、そんな事は無いよな…絶対あるわけ…無い、よな…」
ひとつだけだが、考えが浮かんだ。もしかしたら、こいつは…
「ヒビキ、何が言いたい」
「シルバー、ちょっといいか?」
シルバーに、15年前にこの旅館で起きた殺人事件について話した。この話にシルバーは酷く
驚いたようで、目を見開いた。
「ヒビキ、お前まさか…あいつがその事件の加害者だって言いたいのか…?」
「いや、違う、その反対。事件の被害者なんじゃないかってことを言いたい」
「おっ! 流石だね、チャンピオンさん。そうだよ、僕はその事件の被害者さ。
でも…よくわかったね、何のヒントも無しに…だってヒビキ、君まだ生まれてないでしょ?
何で…あの事件のこと知ってるの? どうして?」
ずいっと俺の前に現れた。質問攻めでたじろぐ。
結構有名な事件と言ったら何をされるか知れたもんじゃない。
無駄に言わないほうがいいと、俺の防御反応が示している。
「何もしないからビビらないでよー、大丈夫だって! 事実を話してくれればいいから。
話さないほうが、痛い目にあうかもね」
真顔になったと思ったら、すぐにニヤリと笑みを浮かべた。これは話さなきゃマズイ。
「親から聞いたんだ。それに、この殺人事件有名って聞いた。でも俺もこの事件について
まだよくわかってないんだ。だから詳しくは言えない」
「あ、いいよ別に詳しく言わなくても。詳しい内容については僕が今から話すからさ。
さーてと、と言ったところで話すことにするよ。君たち2人も気になるでしょ?
この事件の後のこととか、真相はどうなのか…とかさっ。さ、椅子に座って」
再び椅子に座ると、足を組んで話し出した。座れと言われたし、近くにあった椅子に座る。
「…何から話そうかなあ…ま、そこらへんはいっか! 事の起こりは忘れちゃったけど、
十五年前、僕はこの旅館に泊まっていた。ポケモントレーナーとして毎日頑張ってて、
旅行に来た気分になってたんだ。でも、僕が泊まって三日後、奴がやって来た…
ヒビキ、シルバー、奴って誰だかわかる?」
「犯人のことだろ」
「正解、シルバー。そう、犯人だ。
僕らはそいつに何も危害を加えていないのに、そいつは僕たちに危害を加えてきたんだ。
平和だった旅館が一瞬にして血の色に染まった。旅館中にあった花瓶は全て割られ、
泊まっていた客の半分は殺された…そして、その殺された客の殆どがポケモントレーナー…」
「ち、ちょっと待てよ! 何で…どうしてそんなことになってんだよ!
ポケモントレーナーって…まだまだなったばかりの子もいたんだろ!?」
「いたよ、酷いよね。んで、この旅館は旅途中のポケモントレーナーに人気があるんだ。
それを狙って、犯人は殺人事件を犯したのだろうね…女将も女将さ」
突然、話の中に女将さんが出てきた。何を話すのかと思えば、衝撃的な話だった。
「女将はね、犯人が旅館に泊りに来たときからもう既に分かっていたのさ、そいつが犯人だってこと。
多分、女将にも目的があったんだろうね。女将は犯人の食べる食事に毒を仕込んだ。
でも効き目が遅いから悪かった。即効性だったら大勢の被害者が出ずに済んだのに…
犯人が丁度旅館にいた人の半分を殺したときかな。毒が効いてきたのは」
「…嘘…だろ? その女将は大勢の被害者が出ると、わかってて旅館に泊めたのか? 犯人を?
そんなの酷すぎだろ!! たった一人を殺すために大勢の被害者を出させたのか!?
もっといい方法は無かったのかよ…多くの被害者を出さない方法が無かったのかよ…」
俺の声は静かな書庫に響き渡り、やがて消えていった。
続く
あとがき
テスト期間の間は、本文は知り合いが書いてくれています。投稿係は私です。忙しいのであとがきが
いつもより短かったり、おかしかったりするかもしれません。ご理解いただけるようお願いします。
ではまた次回!さよなら!
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