二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【HGSSキャラ】ヒビキたちの物語 ホラー編!! ( No.53 )
- 日時: 2016/02/07 10:55
- 名前: ゆーい (ID: x8l1Qes7)
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34話: 『人消しゲーム』(会話多め)
俺の声が消えたあと、アキヒトが話を再開した。
「そんな知識は女将には無かったんだろうね、人を殺すなんて知識は…ね。
僕は死んだあとすぐに霊体となって戻ってきた。だから犯人が死ぬ様子も見れた。
死んだ、よかったと思った」
そこで、アキヒトの表情は曇った。カタカタと体を震わせ喋り続けた。
「でも、それだけじゃ済まなかったんだ。この旅館の全てが憎たらしくなった。
だから僕はこの旅館に復讐することにしたんだ。作戦はうまくいった。三年に一度、
この旅館に現れて旅館にいるやつの半分を殺した。んで、残りの半分は下僕として働かせた」
「下…僕…? 三年に一度…? でもそれじゃあ人数が少なく…」
「あー、それは問題ないよ。この館の主を、僕は下僕という存在で見ているからね。何だっけ名前…
思い出した! ヤマシロウだ!ヤマシロウを脅して館の人数を多くしていったんだよ。
毎年ね。ヤマシロウは罪悪感でいっぱいなんだろうね…」
「何をしたんだ、お前は」
「ちょっとした都市伝説を作ったのさ。呪いの電話がかかってくるっていうね。
でも、それ嘘だから気にしないでね。僕が自作した都市伝説だから。
君に電話をかけたのはヤマシロウ。僕はそれを支えた。いろんな事をしたよ。気づかなかったかな?」
「…呪いの電話とか…お前らが仕組んでたのか?俺たちをここに連れてくるが為に…!
ふざけんのも大概にしろよ! ひでーよ、そんなことするなんて…ヤマシロウさんを使ってそんなことして…
お前最低だろ!」
シルバーがとうとうキレて、大声でアキヒトに言った。
悔しいのもわかるけど、来ちゃったからにはどうしようもない。確かに最低だ。
だけど、俺らは絶対と言っていいくらい、こいつに勝てる確率は十五パーセント以下に近い。
それほどこいつは邪悪な雰囲気を漂わせている。
「シルバー! こいつは絶対まともじゃない! 文句を言ったって無駄だ!」
「んなの構うか! おい、てめーぜってーぶっ飛ばしてやる!」
「ご自由にどうぞ! …でもねえ、多分君たちの力だけじゃ僕には勝てないと思うけどね〜」
ふっ…と鼻で笑われた。どう見たって俺たちを馬鹿にしてるようにしか思えない。
死ぬほど腹が立つ。何でこんな奴に馬鹿にされなきゃいけないんだ。
「じゃ、僕の目的を話さしてもらうよ」
「目的…?」
「うん、目的。君たちをこの旅館に連れて来たのにはちゃんと意味があるんだから」
その意味とは何のことだろう。俺たちをここに連れて来たわけ…何も思い浮かばない。
「…僕退屈してたんだ。今までの『遊び』に。
だってつまらなくない? 無名のポケモントレーナーを消しても…
因みに僕、凶器とかそんな危ない物を使ってポケモントレーナーを潰してるわけじゃないからね?」
じゃあ何だってんだよ!と言いたそうな顔で、シルバーはアキヒトを睨みつけた。
でも、そんな目、屁でもないという感じで、アキヒトは平気そうに話を続けた。
「そーだ、やっぱり殺したっていうのは嘘ね。実際殺してはないから」
「殺してない…? 殺してないって…何でだよ」
「殺してはいない…ただ、この世から消えただけだよ」
この世から消えただけ…その言葉がひどく重く感じた。
消えただけ…だけって、どうしてそんな簡単に言うことが出来るんだよ。
人が消えると、それだけで大騒ぎってことじゃないのかよ。消えるって事を甘く見ているのか、いつは。
「ま、消した本人は僕なんだけど。ポケモンを使って消したんだ。凄いよねポケモンって…
そんなこともできちゃうんだからさ! 僕もそんな能力が欲しいよ〜」
「人を消す技なんてあるのか…?」
「僕が考えたオリジナルの技だよ。僕の使っているポケモンに命令すれば、すぐにやってくれるもの。
でも僕のポケモン、君たちの子たちと違って少し異常なんだ」
異常だと? ポケモンに異常も何もあるか。みんなポケモンは正常だ。
悪い奴なんて…いるわけないじゃんか。
「もういいかな? 話はこれくらいで。僕、そろそろ『ゲーム』始めたいんだよねえ」
「『ゲーム』って…どういうことだ?」
「何シルバー、もう忘れちゃったの? 言ったでしょ、三年に一度人を消すって。
でも今回でそれも終わり、全て消すんだ…何もかも…まあ一部の人は逃すけど…」
くすすっと面白そうに笑い、俺とシルバーの目を見た。
何が可笑しいのか俺にはさっぱりわからない。こいつは何をしでかそうとしているのか…
「1年半前に『ゲーム』をやったばっかりなんだけど、もう待ちきれなくなっちゃって…
君たちを呼んだ理由がそこにもある。この事件のこと、今はあんまり知られてないんだ。
だから世間に思い知らせてやるのさ! 恐怖のどん底に落としてやる…ふふふ…
あっはっはっはっはははははははははははははははははは!」
「シルバー…こいつは狂ってる…危ない感じがするから、逃げる準備しとけよ…」
「んなこたあ、わかってる」
シルバーは後ろに下がった。ドアから逃げる準備をしているようだ。
俺もそれに合わせて走り出す体勢になる。いつでも逃げられるように。
アキヒトは大きく息を吸った。
何を始めるのだろうか?
「…スー…旅館内にいる皆様〜おはようございまーす! 一年半ぶりのアキヒトだよー!
突然だけど、今から三年に一度のイベント、『人消しゲーム』を開催したいと思いまーす!
まあ一年半ぶりなんだけどねぇ…制限時間は二日間でーす! 捕まらないように逃げてね?
捕まったらみんな、どうなるかわかってるよね…?
では、三分後に始めたいと思います! その間にみんな、逃げる準備しておいてね〜!
それじゃ、また三分後会えることを期待して…バイバーイ!」
人消しゲーム…それがこいつの言ってた『遊び』だ。
人を消す遊び…それは単なる遊びではなく、恐怖の『遊び』という存在と見た。
「おい待てよ…何言ってんだよ…人消しゲーム? ふざけないでくれよ!
何で俺らがそんなのに付き合わなくちゃなんねーんだよ!」
「ねえ君たち、そんなにゆっくりしてていいの?あと少しで始まっちゃうんだよ?
捕まって消されたいなら話は別なんだけどさ。早く逃げないと『ゲーム』が始まっちゃうよ?」
そうだ、こんなにゆっくりしている暇は無い。早く逃げなければいけない!
俺はシルバーの腕を掴み、書庫を出た。階段を急いで駆け上り、部屋の中に入る。
こんな事をしている間に三分はあっという間経ってしまった。どこからか声が聞こえた。
『それでは皆様〜! ゲームの始まりです! いっぱい逃げて、僕をいっぱい楽しませてねっ?』
アキヒトの声の放送と同時にゲームのスタート音が鳴った。
心の何処かで、アキヒトが喋った気がした。
「楽しい楽しい『ゲーム』の始まりだね。逃げきって無事に家に帰ることができるか、
逃げきれずに捕まって消されるか、どちらの道を進むかは、君の頑張り次第だよ?」
人消しゲームSTART▼
続く
あとがき
『人消しゲーム』が始まりましたね。これでやっと本格的なホラー編になります。もし
貴方がこんな状況に陥ったらどうなんでしょうか…恐怖で震えあがりますか?勇気を出して
旅館内を逃げまわりますか?それとも…
私だったら即トイレに閉じこもりますww←捕まる運命
今回も知り合いに殆ど書いてもらいました!ありがとう!今回は長めですね、すみません。
次回はどうなるんでしょうか…お楽しみに!
それではまた次回!さよなら!
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