二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【HGSSキャラ】ヒビキたちの物語 人消しゲームSTART ( No.57 )
- 日時: 2016/02/07 11:21
- 名前: ゆーい (ID: x8l1Qes7)
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36話:日記
俺たちはシルバーを先頭にし、追いかけてくるアキヒトから逃げていた。
後ろから俺たちを捕まえようとしているアキヒトの声が聞こえてきた。
バリヤードとフーディンを連れている。
でもこうやって逃げられるのも時間の問題だ。疲れてきたら終わり。
足が止まって動けなくなってしまう。今のうちに差をつけておかなければ捕まえられて異世界に飛ばされる。
でも、必死に逃げている俺らの逃げ道を阻むかのように、壁が立ち塞がった。
「くっそ…!! 行き止まりだ…! おい、ヒビキ。一旦別れて行動するぞ。
こんなところでモタモタしてたら捕まって異世界行きだ」
「そうだな。…オッケー、また後で会おう」
俺たちは二手に別れることにした。そうすれば、一気に捕まることもない。
シルバーもよく考えたものだ。あのシルバーが。二手だからな…コトネを連れていこう。
「コトネ! こっち来い!!」
「う、うん!!」
コトネが慌ててこちらへと来た。シルバーのとこに行こうとはしていないが、迷ってたみたいだ。
シルバーから何かの視線を感じたが、そんなの気にしている場合ではない。左へと進む。
シルバーとレッドさんは俺たちの反対側へ進んだ。後ろからの声が聞こえなくなってきた。
差がついてきているみたいだ。このまま逃げてしまおう。
「はあっ…はあっ…!! …コトネ…大丈夫か?」
「うん…だ、い丈夫だよ」
書庫に入って、鍵をかける。近くにチェーンがあったので、ドアノブに固定する。
疲れ切ってしゃがみ込むコトネに声をかけた。きっと、無理をしているのだ。
コトネは何に対しても頑張るから、無理をしてしまうところがある。
人に無理してるとか言っておきながら自分が一番頑張って、無理をしてる。
こんなに力を尽くさなくてもいいと思うのだが、そんなことを言ってもコトネは聞かないだろう。
少々頑固なところがあるから。
「ここまで来れば…大丈夫だよね…? アキヒト、だっけ…? 誰なのあの子…」
「……十五年前くらいにこの旅館で殺された子だよ」
「…………!? あの、殺人事件…!?」
目を丸くして、コトネは言った。コトネもあの殺人事件を知っている。
「…まさか、そんな……やっぱり、そうだったんだ……あのね、夢で見たんだ、アキヒトくんのこと。
相当、恨んでるんだよね…酷いことしたんだね、犯人」
なにかを憎むような眼をしてコトネは言った。事件の現場を、夢で見てしまったようだ。
「ねえ…少し休も? ヒビキくんも、疲れてるでしょ…?」
椅子に座って、意見を出された。でも、俺はその意見を否定する。
「いや、俺はいいよ。コトネだけ休んでて。調べたいことがあるからさ」
「そっか、わかった。じゃあ私もヒビキくんと一緒に調べるよ」
自分の意見を取り消して、俺の意見を優先した。
無理することないのに…、この書庫調べるだけだし…
心の奥底で、コトネに言った。
「なんでだよ、休んでていいぜ?」
「どうせヒビキくん、この書庫の中を調べるつもりでしょ。一人より二人の方が手っ取り早いって」
心を見透かされた。ぎくりとする。コトネはニッコリして、「やっぱり」と言った。
こいつは超能力者かなんかか。凄いと感心してしまった。
「…言っても聞かないと思うし、いいよ」
仕方なくオッケーしてやった。コトネが言っても聞かないのはいつものことだ。
もうそんなことはわかりきっている。俺だってコトネの考えていることは大体わかる。
「じゃ、調べようか!」
凄いやる気を見せながらも、もうコトネに体力が無いことは目に見えてわかる。
そんな無駄にやる気のあるとこを見せつけるコトネをチラ見しながら本棚を漁った。
すると、何か薄い物が見つかった。
「…………あ……」
この前俺が見つけた日記とは違う、また別の日記だった。…まだこちらの方が新しいようだ。
破かぬよう、丁寧にページを開く。中身はなんと、ポケモントレーナーが書いたものだ。
表紙には…「AK日記」と書いてある。日記の内容を見てみた。
20XX/XX/XA
今日はポケモントレーナーの間で有名な旅館に来た。
けっこう歴史が長くて、僕にとってはとてもきょうみ深い旅館だ。
今日からここにとまるのが楽しみだ。僕はマリに話しかけた。
マリもうれしそうにして、笑ってた。
20XX/XX/XB
新聞を見ると、また町の方で殺人事件があったようだ。
これで何件目だろう。犯人は前の事件と同じだ。いやになる。
殺された人はどんな気持ちなのだろうか...
マリは「ひどいよ」と言っている。僕もそう思う。
20XX/XX/XC
嘘だと信じたいが、連続殺人事件の犯人だと思われる人がとまりに来た。
これはマリが勘づいた。まさか、この旅館で殺人を犯す気なのか?
...そんなことが起きたら、相当な被害者が出ることになる。
マリを守らなきゃ
20XX/XX/XD
やばい事になった。1人目の被害者が出てしまった。
やったのは多分アイツだ。このままじゃひどいことになる。
でも、僕に止められるのか? 犯人を。僕は守れるのか? マリを。
20XX/XX/XE
どんどん被害者がふえていく。あんなにキレイだった旅館が、
今じゃ血の海だ。もう止められない。逃げなきゃ。
マリには生きていてほしい。早くこの犯人がいなくなればいいのに。
20XX/XX/XF
めのまえでマリがころされた
はんにんはわらっていた
もうだめだ
ぼくがこわれていく
ぼくがつかまるのもじかんのもんだいだ
マリ
ごめん
たすけてあげられなくて
20XX/XX/XG
きょうでこのにっきをかくのはおわりにする
このにっきをみたひとはさいこうのひとだよ
じきにぼくもころされるだろう
いまいくからね
マリ
ここで日記は終わっていた。虚しい終わりかただった。AK…? ……アキヒト?
アキヒトの日記なのか? これは。だったら…マリって子は、アキヒトの彼女ってことか?
そのとき、本がバタバタと落ちる音がした。
アキヒトが来たのかと焦ったが、そんなことはなかった。
だけど、別の意味で焦らなければいけなかった。
コトネが本棚の前で倒れていた……
続く
あとがき
テストが終わりました!!やったね。でも、全然駄目だったね。\(^o^)/
まじね、大変だったよ。やだね、テストは。
えーと、今回はアキヒトくんの日記を主に書きました。新たにアキヒトくんに
ガールフレンドがいることがわかりましたね。マリちゃんです。マリちゃんについては
今後明らかになってきます。アキヒトくんの真実も暴かれる…!?
っていっても明らかになってる気がしますがね。
そしてそして? コトネが倒れてしまいましたあああああ!!!!
最大のピンチがやってきました。コトネどうなってしまうのでしょうか……
それでは、また次回!!さよなら!!
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