二次創作小説(紙ほか)

Re: 【HGSSキャラ】ヒビキたちの物語 1000参照ありがとう! ( No.60 )
日時: 2016/04/18 14:54
名前: ゆーい (ID: hfVure16)
プロフ: http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=56413601

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38話:バリヤードとフーディン (短めかも)

コトネと一緒に廊下を走る。今はどっちかって言うと、アキヒトに会いたい。
俺の夢に出てきたマリの言葉をすぐに伝えてやりたい。信じてくれるかどうかは分からないけれど。

「う……あ………」

呻きうめきごえが聞こえた。咄嗟とっさに後ろを振り向く。
コトネが壁に手をついて、今にも倒れそうな状態になっていた。すぐさま救助に向かう。

「コトネ、やっぱりやめたほうがいいと思う。そんなに、無理すんなよ」

しかし、コトネは首を振った。

「だめ、だよ……つたえ、なくちゃ…あ」

その言葉に俺は何も言えず、黙ってしまった。だって、本当のことだから。

「わかったよ。じゃあ、お前はトイレにでも閉じこもっててくれ」

「な、なんで…!?」

「ほらー、トイレ行きだああああ」

そう言って、コトネをトイレに連れていく。あっという間に一日経ってしまったから、
二日目も経つのも早いのではないのだろうか。

「よし、ここにいればだいぶ無事な方向じゃないか?」

「……ばか」

俺は聞かなかったふりをした。

「じゃあな、コトネ。行ってくる」

後ろからコトネの声が聞こえたが、コトネの方を向かずに、そのまま前へと突き進んだ。
まともに話し合うことができなくて、捕まることはもうわかっている。
トイレから出ると、アキヒトを探した。


────・・・
あれから探し続けたが、まったくと言っていいほど見つからない。
もう午後の六時を回ろうとしていた。でも……どうしてこんな時に限って見つからないんだ?

「くそっ!!!」

コトネだって調子悪いのに……早く戻らないといけないのに……

「アキヒト………あ、れ?」

アキヒトのポケモン、バリヤードとフーディンが俺を待ち構えるように並んでいた。
やばい…絶対捕まえられる。まさかこの二体だけが来るとは思っていなかった。
アキヒトも一緒かと思っていた。ミスった……

しかし、バリヤードとフーディンは何もしてこなかった。でも油断はできない。
いつ襲ってくるかわからない。でも、いつまで経っても何もしてこないから、話をしてみる。

「アキヒトは?」

すると、バリヤードかフーディンかはわからないが、脳に声が響いた。

『書庫に行った。お前、マリに会ったのか?』

「……!!」

『…そうか。わかった。君たちにはできる限り加算してあげよう。
 君たちがね、アキヒトに捕まってもらっちゃあ困るんだよ。あの子は少し狂ってしまった。
 マリが死んでから…だから、絶対マリから言われたことを伝えてね。
 でも…アキヒトは今、自分の世界に入っている。アキヒトを見つけるのは大変だと思うけど、頑張って』

「お、おい、待てよ!! だって、お前らはアキヒトの仲間だろ!? なんで…」

『俺たちも、アキヒトのことが大好きだからだよ。大切に想ってるからこそ、言えることって、あるだろ?
 …狂って、壊れちゃったら何にも残らないだろ? 早く、言ってやってくれ…
 アキヒトのためにも、マリのためにも…』

そう言って、二匹は行ってしまった。
廊下に一人だけ残された俺は、その場に立ち尽くしていた。

『大切に想ってるからこそ、言えることって、あるだろ?』

そのたった一言だったのに、俺の心のなかに響いていた。



続く


あとがき

ふと、

「大切だからこそ、守りたくなるよね」

と言った友達の姿を思い出しました。なので、ちょっとその言葉を変えて今回の話に
出てきたフーディンとバリヤードに言わせました。いい言葉だったのでつい……

次回は………新展開です。新展開が起きます。わかる人には、わかるでしょうか…?
ホラー編が終わるまで残り数話となりました。

ではまた次回!!さよなら!!

11/21 & 11/29
1000参照突破しましたぁあああああああああああああああ!!!!!!
本っ当にありがとうございます!!!!!!
これからもよろしくお願いします!!!!

知り合いに1000参照記念絵を描いてもらいました!!
知り合いのpixivに投稿してありますので、ご覧ください!!
(URLからどうぞ)


次回→>>61