二次創作小説(紙ほか)

Re: ヒビキたちの物語 ( No.7 )
日時: 2016/02/06 19:29
名前: ゆーい (ID: x8l1Qes7)

前回→>>6


2話:幼馴染みと親友ライバル


コ「えへへっ! もーらいっ!」

ヒ「うわっ、コトネに金取られた!」


今俺はコトネの家に来てて、2人で人生ゲームをしている。人生ゲームは楽しいけど、色々精神的にくる…


ヒ「……」

コ「ヒビキくん? どうしたの?」

ヒ「そう…いえばさ、コトネ。…シルバーは、元気か?」

コ「え…? …どう…だろうね。私にも分かんないや…」


シルバーの話になると、コトネはいつも切れ切れな声で話す。昔、俺たち仲にも色々あった。
それで、俺たちの関係は壊れ始めた。今も壊れてからまだなおらない。
…もしかしたらもう二度となおらないかもしれない。俺はそんなこと望んでいない。


コ「ま、まぁそんなことよりどんどん進めちゃお?」

ヒ「そんなことって…進めようか」


 ー・・・一時間後。


ヒ「いやー! 楽しかったな、人生ゲーム!」

コ「そうだね! また一緒にやろ!」

ヒ「いいぜ! 今度こそ勝つからな!」

コ「あはは! かかってきなよ! 絶対負けないか…え?」


コトネの顔から笑顔が消える。


ヒ「どうしたんだよ。コトネ…」

コ「シ、シルバー…?」


俺はその名前を聞いてすぐさま後ろを振り向く。そこには…赤い髪をした少年が立っていた。


シ「久しぶりだな。…ヒビキ」

ヒ「シ…ルバー」


風が吹きはじめた。俺たちの関係がまた幕をあける。


       
続く


次回→>>8

Re: ヒビキたちの物語 ( No.8 )
日時: 2016/02/06 19:30
名前: ゆーい (ID: x8l1Qes7)

前回→>>7


3話:シルバーとの再会


シ「あはは、お前何してたんだよ。結構待ってたんだが」

ヒ「…何だよ。別に待ってないだろ」

シ「ひどいな。待ってたんだぜ?」

ヒ「そうかよ。だから何だよって言ってんの」

シ「あの時より強くなったお前が見たかったんだよ」

ヒ「…まぁ、お前のそういう元気な顔が見れてよかったよ」


今はシルバーに素直になれない。それがヒビキだった。そんなヒビキにシルバーは、


シ「…昔からお前のそういうところマジで嫌いなんだよ…!」

ヒ「…は? ってお前っ! やめろ!」


いきなり襲いかかった。ヒビキはそれをギリギリ避けた。しかし避けたといっても、完全には避けきれない。
ヒビキの頬っぺたに爪で引っ掻いたような傷ができた。すこしばかり血が流れる。
コトネは驚いたあまり、尻餅をついた。


ー・・・シルバーは暴力を振るうような奴だったか…?
ヒビキは自分のことよりもコトネが尻餅をついたことに気が触れた。


ヒ「お前…やんのか…?」

シ「お前がやるって言うならやるぜ?」

ヒ「ふざけんな!! お前のそういうふざけたようなところ…本当にイラつくんだよ!!」


お前がやるって言うならやるぜ?

その発言に怒り、ヒビキはシルバーに殴りかかった。シルバーは「いつでも来い」と言うように、体勢を変えた。
取っ組み合う2人の姿を見てコトネは怒り出した。


コ「やめてよ! もうやめて! こんなことやったって意味ないじゃん!…やめてって言ってるでしょ!!」


この声に反応したようにヒビキは喧嘩を止める。しかし、シルバーはまだやろうとしていた。


ヒ「そうだよな…ごめん、コトネ。シルバーも…ごめん」

コ「分かってくれればいいの。私はもう関係をこれ以上悪化させたくないからさ…」

シ「…ごめん。悪かった、もう帰るよ」


シルバーは背を向けると、帰って行った。もう少し素直になればよかったと思うヒビキだったが、
その思いはシルバーに届きそうにもなかった。



続く



次回→>>9

Re: ヒビキたちの物語 ( No.9 )
日時: 2016/02/06 19:32
名前: ゆーい (ID: x8l1Qes7)

前回→>>8


4話:コトネは何処へ? 前編

家に帰ってからというもの、ヒビキはほとんど喋らずにずっと自分たちの関係を考えていた。

どうしてシルバーは強くなった俺を見たかったんだって言ったんだ?
別にシルバーは旅で俺のことがよく分かっていたと思う。俺を待つ理由なんてないじゃないか…

シルバーは生意気でムカつく奴だけど、根は優しい。あのときコトネが関係を悪化させたくないと言っていたが…
シルバーもコトネの気持ちが分かったのだとヒビキは思った。
でも俺たちの関係が悪くなったのは、あの出来事があったからかもしれない…


ヒ「シルバー…どうなってんだよ。今の関係は…!」


言ってみるも、何かが変わったわけではない。
すると、下から母の声がする。何か言っているようだ。


母「え—コトちゃ—い—?」


途切れ途切れ聞こえてくるのだが何を言っているのかよく分からない。


母「ヒビキ、ちょっと来てくれる?」

ヒ「母さんどうしたんだよ、そんな焦った顔して」

母「話があるのよ…来て」

ヒ「…分かった」


ヒビキはとても嫌な予感がした。
口では言えないが、とてつもなく嫌な予感が。コトネと聞こえた気がするけど、まさかそんな筈は…


母「ヒビキを連れてきたわよ」


玄関にはコトネの母が立っていた。コトネの母は最近家に帰って来て、少しの間ここにいるらしい。


マ「こんばんは、ヒビくん」

ヒ「こんばんは。何かさっき話してたみたいなんですけど」

母「そうなのよ。話はコトネちゃんのお母さんから聞いて」

マ「…実はね、コトネがいないのよ…」

ヒ「は…い…?」


ヒビキの嫌な予感が的中した。コトネがいないー・・・
そんなこと今までに何回かあり、別に心配をすることでもなかった。今回の場合は違うみたいだ。
コトネの母が焦っている。いつもはこの時間には帰っているはずなのだが…おかしい。


ヒ「近くを探してもいなかったんですか?」

マ「……」


首を縦に動かした。もう目に涙をためている。


マ「どうしたら…どうしたらいいのかしら…コトネ…」

母「泣かないで、大丈夫よ。ヒビキが探してくれるわ。ね?」

ヒ「そうですよ! 大丈夫です! 絶対見つけますから!」

マ「そう…? じゃあ…お願いしてもいいかしら…私も出来る限りのことはするから。よろしくね」

ヒ「はい! 任せてください!」


コトネの母は、悲しそうに帰っていった。それもそうだろう。娘がいなくなったのだから。
しかし、どうしたらいいのかさっぱりだ。とにかく探そう…どこまでも。


『あはは』


ヒ「え?」

今の笑い声はなんだ?
ヤバイかもしれない…急がなければ!



続く


後編→>>10