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「むにゃ……アスカ……？」

　ケイが起きた。

　あ、パソコン見てたってばれた！？

「……！アスカ、パソコン見たか！？」

　……ばれたの、これ？

　まあ、きっと分かってるよね。

　ケイの机の上にある辞書とローマ字表と……電源のついた、パソコンで。

　だからもう、正直になろう。

「うん、見た」

「……そうか」

　その時、ケイがいきなり頭を抱え込んだ。

　！？

「ケイ！？まさか腫瘍が……！」

「いや、違う」

　へっ？

「……でも、これではっきりした」

「何が？」

「……アスカが、腫瘍の事まで分かった、って」

「あ」

　そっか、腫瘍までたどり着いていないふりをしとけばよかったのか。

　……って！

「今、私を実験したの！？」

「ああ」

「よくもそういけしゃあしゃあと……！」

　頭突きしそうな頭を押さえながら叫びかけると、ケイは、

「……フッ」

「わ、笑った！今、ケイが、鼻先で笑った！」

「……いや……アスカの知能指数も30から31ぐらいには上がったのかな、と」

「30って！」

　低すぎない！？

「……冗談だよね？」

「ああ。……って、何が？」

「がん……」

「…………」

　この沈黙って……否定なの？肯定なの？

　戸惑っていたら、さびしげに笑ったケイは、よく分からない言葉を発したんだ。

「……これが、冗談なら、な……」