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「……フェニックス……空港……爆弾……！」

　そこにあった記事は、こんな内容。

『フェニックスの空港に爆弾設置
　　世界的犯罪組織『フェイク』、再始動か』

　フェイクといったら、ここにある通り世界的犯罪組織のことだ。

　有名度はファンタジスタと同じくらい。

　アスカが知っているのかどうかは分からない。

　……が、問題はそこではない。

「確か、その総帥は……」

　病死したはず……

　その推理は、次の声によってかき消された。

「ふむ……日本人一人か」

　片言でない、慣れているような日本語。

　それでもこいつは……白人……

「もしかしてあなたは」

「ああ。とりあえず本名で呼ぶのはやめてくれるか？ということで、そうだな……マッドとかで」

　『俺』の右にいきなり座ったこの男……仮名「マッド」は、白い覆面をしている。

　分かるのは俺よりも背が高いこと、そしてこいつの目が青いことだけだ。

「ここには爆弾があるようですが」

「ああ。もう知っていたかい？君は……」

　そこでマッドは俺のノートパソコンを見て、

「電波ガード装置付き。只者じゃないね」

「……」

　この、眩しいくらいに明るい空港には、暗い空気が漂っていた。