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　ケイにじーっと見られる。

　目から膝下までと、髪をすっごく。

　何よ、そんなに見ないでよ！

　ジロジロ見られたら、照れるじゃん！

　ってか、ケイの頬が赤く染まってきたのは……気のせいだよね？

　と、思ってたら。

　私の左にある壁に、

　　ダンッ！

　と何かがぶつけられた。

　危険信号を感じ取ったから見ると、それはケイの手。

　普通、壁ドンなんてする！？

　そして、どうして『ドン』じゃなくて『ダンッ！』っていうの！？

　最後に、壁ドンってこんなに生命の危険を感じるものだったわけ！？

　ケイを見ると……射抜かれそう。怖いってば！

「……バーカ」

　わーん、ケイにバカって言われた！

　……のは、いつものことか。

　でも、こんなに抑揚つけて言われたの、初めてだ！

「だーかーらー！怖いって！」

　とか、今日は一回も言ってなかったっけ？

「怖い？」

　聞かれる。

　そう言ってるじゃん！

　と、首を縦にブンブンブン。

「そうか……じゃあ、熱があるのか？」

「何の話よ！」

　叫んだら、右耳に囁かれる。

「真っ赤だよ」

　顔が近いし、息がかかってくすぐったいんだってば！

　でも、だからといって、相手はケイ。

　なぎ倒すわけにもいかないし。これ、どうすればいいの？

「赤くないもん！……………………多分！」

　言うと、いきなり顔を遠ざけたケイに……