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　　バシッ！

「痛っ！？」

　殴られた！？

「アスカだろ。これくらいなら痛くないはず……ストレス発散のためだから」

　す、ストレス発散のために壁ドン（壁ダン）はやめてほしいんだけど……。

「まだ、発散しきれてない」

　それからケイは私の胴体の右にある壁にガンッ！と拳を突き立てて、

「……アスカなら、こんな時、どうするんだ……！？」

　またもや、ケイのセリフに感嘆符がくっついた……。

「えーっと、お父さんと戦う？」

「……そうか、それなら父さん相手に殴りあうか……」

「それ、見たくない！」

　ってか、想像できない！

　いや、「男同士の殴りあい」って意味では在り来たりだけど、それがケイとおじさんって……。

「今日は日曜日。アスカがいつもトレーニングで使っている道場なら……」

「どんだけのバトルをするつもり！？」

「……見たくないんだろ？」

　あ。

　自然と目に入るっていうのを避けるためなのか。

「……交渉する。父さんに時間と気力があるのか……それと、道場が空いているのか」

　時間はともかく「気力」って。

　まあ、たぶん道場は空いてるけどね。