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　ケイはこけたまま、動かない。

　あれっ、こういう時って大体また起きてもこけまくる……ってやつじゃないの？

　もがきもしない。

　ただ、倒れてる。

「ケイ？」

「ケイ君？」

「ケイ！」

　試合中だからなんとなくおじさんとケイの間に入れなくて、その場で声を掛けてみる。

　返事がない。

「圭一郎、試合は中止だ！何があった！？」

　お父さんに聞かれる前に、おじさんはケイの脈を計ってた。

「……なんともない」

「は？」

「へ？」

　え、まさか、これもケイの戦略？

「うぅ……」

　うめき声を上げるケイ。

　で。

「もらった」

　かすれた声で言うと、ケイはバッと起き上がった！

「えぇっ！？」

　驚きながら、私たちは隅に移動する。

　邪魔しちゃいけない。

「確かに倒れた。ピンチでありチャンスだからつかわせてもら……った！」

　またもやこけるケイ。

　今度はすぐに起き上がる。

　さっきケイがいきなり起き上がったせいで、おじさんはダメージを受けてる。

　ここからは、ケイのターンだ！

　……多分。