二次創作小説(紙ほか)

Re: 【リレー形式、参加者募集】Fate:Rebirth ( No.18 )
日時: 2015/04/02 08:08
名前: あーちゃん (ID: TjCRtQ22)

side Kyte

あの薔薇の刺には遅効性の麻痺毒がある。
通常的に3~4時間で効果を成す物だが、解毒剤としても使える。
「薬と毒は紙一重」というやつだ。
これはやっかいな事に、刺に引っ掛かっただけでも毒が回る。
だが、薔薇の花弁の方には、強い毒がある。
薬物の本には、「青い薔薇の花弁を乾かし、粉末状にしたものは、青酸カリとして扱われる事が多く、闇市等で扱われる」と書いてあった。
死にたがりお嬢様は何がしたいんだか。


side off  地下〜実験室〜にて

増えていった不思議な液体は水を入れたらすぐに戻った。そして、色も変わっていた。
透明に。
何故さっきまで紫色だったものが急に透明になったのか、当の本人は全く気にせず、
「これで二人に見つからず持って帰れる」
と考えていた。
二本の小瓶に取り分けて、ドレスの袖口の部分に器用に隠して、階段を上っていった。
図書館では、カイトとガクがレンが飛び降りた窓から身を乗り出していた。
これはチャンスだと思ったレンは急いで扉に向かった。
途中でガクに見つかって「レン!」と呼ばれたが、無視した。
図書館からでると、すぐに扉を閉めて、外側から鍵を掛けた。そして小さな声で、
「僕ちょっと出掛けて来るから待っててね、カイト、ガク」
と言った。
 
 屋敷の裏には父親が買った桜の木がある。
この桜の木の前で「竜の舞」というのを踊るとタイムスリップが出来るらしい。
以前、世界の裏に存在する歌姫が、時の龍を静める為に踊ったものとされているが………実際はよくわからない。
一度踊ってみる。
右に左に…立って、しゃがんで…時計回りに半時計回りに………
三分間踊りきって、軽く息切れしているレンは、あることに気づいた。
「桜の木が光ってる……」
桜の木がまばゆい光を発していた。光はいきなり強くなり……
「……っ!うわっ!」
光を直視出来なくて、目を瞑った途端の浮遊感に驚く暇も無く、次に受けたのは衝撃。
天体図書館の前でしりもちをついていた。
少し歩いてみると、色とりどりの花が咲いた庭園に着いた。
真ん中に有る白いベンチに居るのは、紺色のドレスを着た少年。歌を歌っていた。
黒猫の耳と尻尾が嬉しそうにピクピク動いている。
「小さな願いも夢も 心に秘めた思いも もっともっと君に言いたかったのに……」
だが、途中から声は小さくなっていって、泣き出した。
レンは泣き出す少年をみて、
「この子、もしかして蒼弥君?」
と思っていた。
容姿、見た目、特徴が全て一致する。 膝から下が無いという事実も。
レンは蒼弥に話掛けた。