二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【リレー形式、参加者募集】Fate:Rebirth ( No.30 )
- 日時: 2015/04/12 08:37
- 名前: 全州明 ◆6um78NSKpg (ID: .1MHnYLr)
逃げてくるというのも、ピコは家庭教師のキヨと良く「おいかけっこ」をして遊ぶのだ。
家庭教師として授業を教えている身であるキヨにとっては、授業をさぼろうと走り出すピコを必死になって追いかけているのかもしれないけれど、ピコとしては遊んでいるつもりなのだろう。多分。
それとも、キヨが遊びのつもりじゃないとわかっていて逃げているのかもしれない。
真相は闇の中、というやつだ。
大きな噴水の横に生えた時計塔は12時五分前を示していた。
少し早かったみたいだ。ピコはまだ来ていなかった。
それとも、ここで僕を待っていたらキヨに捕まって連れ戻されたのかもしれない。
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あーちゃんさんへ
NO,15以上が消えてしまっています。
後から来た方が見にくいので、できるだけ早急に目次を・・・・
- Re: 【リレー形式、参加者募集】Fate:Rebirth ( No.31 )
- 日時: 2015/04/12 13:11
- 名前: 桃猫 (ID: hU7A6qqd)
とりあえず待ってみる。
と、そこへ・・・
「あ、ごめんね〜、遅くなっちゃった〜」
走ってくる人・・・あれは・・・
「ピコちゃん!」
「レン君!」
ピコが走ってきた。
そして、そのスピードのまま抱き着いて来た。
「うわっ!!」
勢い余って、倒れそうになった。
「ごめんごめん〜
それにしても、ほんと久しぶりだね・・・って先生!?」
向こうから走ってきたのは・・・キヨだ。
「ピコ君〜?また逃げて〜!!」
どうやらお怒りのようだ・・・
「あ〜・・・・・逃げよう!!」
ピコは、レンの手をつかむと猛ダッシュで逃げ始めた。
「ピコちゃん・・・」
レンは苦笑している。
「いいの!」
「また逃げて〜!」
キヨは呆れながらも追いかける。
——数分後
「ハァ・・・ハァ・・・」
「疲れた・・・」
逃げ切ったピコとレンは疲れ切って、芝生に大の字に寝っころがった。
もう汗だくで、息も切れている。
「・・・イスに座ろうか」
落ち着いてきたところで、レンは言った。
「そうだね・・・あそこにしよう!」
ここは人目が少ないし、と付け足すと、
近くのベンチを指してピコは言った。
「うん」
ピコは気づかなかった。これからレンが何をしようとしているのか・・
- Re: 【リレー形式、参加者募集】Fate:Rebirth ( No.32 )
- 日時: 2015/04/12 20:40
- 名前: あーちゃん (ID: TjCRtQ22)
「あのさ〜、ピコちゃん?」
ベンチに座って一息ついたところで、レンは決意してピコに話し掛けた。
「ん?なに?」
ピコと向かい合う形になって、レンがとても言いにくい事なんだけど、と話し始めた。
「とても言いにくい事なんだけど、僕、死のうと思うんだ」
ここまで言い終わって反応を見てみる。ピコは笑顔のまま固まっていた。
「……え?」
ピコが絞り出した答えに、レンは続けた。
「うん。お姉ちゃんが死んでから決意はしていたけど、今日、ピコに看取られて死にたい」
言いたい事を全て言うと、ピコが掴みかかってきた。
「やだ!ボクにはレン君とユウしか居ないのに………リンお姉様が亡くなって、ずっと悲しい思いをしてたのは分かる。ボクが年上なのに、妹の様に優しくしてくれたお姉様が居なくなって、ボクもすごく悲しい。でも、お姉様はそんな事しても喜ばないと思うな。一度落ち着いて、もう一度考えて……って何するつもり!?」
ピコが説得している最中に、レンは掴まれた腕をおもいっきり振って、ピコの手を振りほどいた。
そして、持ってきた小瓶の蓋を開けて、中身を飲みほした。
「ほら、これで僕の命はあと少し。最後にすごい秘密を教えてあげる」
ベンチの上に膝立ちになり、ピコの耳元に唇を寄せて………
「__、____」
内緒話の様に囁かれた言葉。ピコは驚いた。
「え?どういうこと?」
ピコは聞き返したが、レンは笑顔のまま、
「今までありがとう。さよなら」
と言って、力無く倒れた。
- Re: 【リレー形式、参加者募集】Fate:Rebirth ( No.33 )
- 日時: 2015/04/13 15:57
- 名前: 全州明 ◆6um78NSKpg (ID: .1MHnYLr)
「レン、君……?」
ピコは呆気にとられ、細々と呟く。
返事はなく、レンはもう、ピクリとも動かなくなった。
「レン君?」
少し声を大きくして、再び呼びかける。
やはり返事はない。
「レン君、レン君!! ねぇ、返事してよ!!」
ピコは冷たくなったレンの体を強く揺さぶりながら、必死に呼びかける。公園にいる人々は、心配そうな視線を向けるも、それ以上は何もせず、そのまま見つめているだけだった。
「嘘………でしょ?」
頭の中が真っ白になり、ピコの思考は完全に停止した。
全く訳がわからなかった。気が動転し、呼吸が乱れ始める。
胸を強く握り、苦悶の声を漏らす。そのあたりが、ひどく傷み始めたのだ。だが、その具体的な位置は良く分からなかった。
だからピコは、胸倉の辺りを必死に握りしめるしかなかった。
その痛みは、その後もピコを苦しめた。
その正体は、ピコにはまるで見当もつかなかった。
- Re: 【リレー形式、参加者募集】Fate:Rebirth ( No.34 )
- 日時: 2015/04/14 17:49
- 名前: 桃猫 (ID: hU7A6qqd)
ピコは、まだ痛む胸を必死に抑え、呼吸を整えると、
走ってきたキヨにすがりつき、憑りつかれたように叫んだ。
「ねえ!どうして!?どうして!・・・どう・・して・・・!」
泣き始めたピコと、力なく倒れているレン、過去のことから、
キヨは今の状態を察した。
「・・・とりあえず、いったん屋敷に戻りましょう。」
うつむきながら、キヨは言う。平静を装っているが、
今の状況は、受け入れがたいのだろう。
「・・・・・・うん。」
ピコはあふれる涙を止めようともせずに、ただ一言呟くように言った。
———屋敷にて————
「とりあえず、カイと、ガクを呼びましょうか・・・」
キヨは言う。
「・・・・・」
ピコは、ベットに横たわるレンを虚ろな目で、ただただ見つめていた。
「・・・・」
やがて、キヨも黙ってうつむく。
部屋に静寂がおとずれた。
その時だった。
- Re: 【リレー形式、参加者募集】Fate:Rebirth ( No.35 )
- 日時: 2015/04/14 23:08
- 名前: あーちゃん (ID: TjCRtQ22)
コンコン、扉がノックされた。
キヨが虚ろなピコの近くを通って、扉を開ける。そこには……
「お久しぶりです。キヨさん」
リンだった。
何故死んだはずのリンがここにいるのか。
そう考えていると、リンは、
「ごめんなさいね。死んだはずの私がここにいるのはちょっとおかしいわね。でも、最後にレンに会いたいの。いいかしら?」
と聞いてきた。断る理由も無いキヨは
「ええ。ピコ君もいるので、ついでに少しだけ話して来てください」
と返した。
リンは笑顔で会釈をして、屋敷に入る。
リンがキヨの隣を通った時、ドンとキヨは誰かにぶつかった。
リンは自分より少し遠くにいるのに。
キヨは最後、あることに気づいた。
「あっ、案内」
リンは全く迷わずにある部屋の前で止まった。
扉を叩くと、
「誰?先生?」
と返ってきた。
リンは、
「ピコちゃん、私よ。入っていいかしら?」
と言った。
数分後、控えめに扉が開いた。
ここはレンが(勝手に)泊まった時に使った部屋。
窓際のベッドにレンは横たわっていた。
リンは横たわるレンの近くに行くと、膝立ちになって、
「レン、あなたに言ったでしょう?あなたが私の所に来ても、私は嬉しいとは思えないって。なんであなたはこういう事をしたの?ピコちゃんを悲しませて」
そしてピコに向き直ると
「いい?あなたは私達の世界に来ちゃ駄目よ。レンの事をよく知っているあなたなら解るでしょう?あの子は私に会いたくてこんな事をしたんだと思う。たった15年しか一緒に居られなかったから。でも、ピコちゃんはどんなにレンに会いたくてもこんな事をしちゃ駄目。解った?」
ピコが頷くと、誰も居ない方向を向いて、
「ルー、メイ、いつまで隠れてるの?今日は満月だから、力を出し惜しみする必要はないでしょう?早く出てきなさい!」
と叫んだ。
すると、リンの背後から、
「呼んだ〜?」「呼びましたか?リン様」
二人の女性が現れた。
「すぐに出てきた事だけは咎めないわ。カイト兄様とガク兄さんにレンの訃報を伝えて。ついでに『恋人』として二人に会っておいで。いいわね?」
リンは二人に指示すると、二人は
「分かりましたわ。リン様」
と呟いて消えた。
リンはまたピコの方を向いて、
「今見たことは内緒だよ?」
と言って、部屋から出ていった。
リンが出ていった後、ピコはベッドサイドに腰かけて、冷たくなったレンの手を握って言った。
「良かったね。レン君」
キヨが家庭教師の仕事を終えて帰っても、ずっと、ずっと握っていた。
- Re: 【リレー形式、参加者募集】Fate:Rebirth ( No.36 )
- 日時: 2015/04/15 20:46
- 名前: あーちゃん (ID: TjCRtQ22)
いい忘れましたが、参照300ありがとうございます!(;_;)←また嬉し泣き
- Re: 【リレー形式、参加者募集】Fate:Rebirth ( No.37 )
- 日時: 2015/04/16 20:57
- 名前: 全州明 ◆6um78NSKpg (ID: .1MHnYLr)
side off(Kyte&Gack)
「もう暗くなるというのに、レンはまだ帰らないのか」
ガクは部屋の扉の前をうろうろし、徐々に焦り始めていた。
カイトの方はといえば、椅子に腰かけ、いらだたしげに足をゆすり、彼もまた、レンの帰りが遅いことを不安に思い、焦っていた。
思えば、レンは自殺未遂をしたばかりなのだ。
危ない事件に巻き込まれていなかったとしても、まっすぐピコのところへは行かず、今頃どこかの山奥で、首を吊るための丈夫な木の枝を探していたとしても不思議ではない。
しかし、せっかく時間も忘れて楽しんで遊んでいる二人のところに割り込んでしまっては、せっかくのムードを台無しにするだけでなく、レンを自分が信用されてい何だと、ひどく落ち込ませることになるかもしれない。
それはそれで、レンの自殺願望に拍車をかけることになるし、レンからの信頼を失うことにもなりかねない。
それだけは、絶対に避けなければならなかった。
レンには今、頼れる人物が必要なのだ。
絶対的な信頼を置けるような、どんな悩みも話せるような、そんな人物が。