二次創作小説(紙ほか)

Re: イナGO 銀色の悪魔【オリキャラ募集中!!】 ( No.107 )
日時: 2015/07/05 16:35
名前: マイタケ (ID: zTfaOGJu)  

33話 武市真一
翌日、帝国学園との練習試合。
「久しぶりだな」
一同を迎えた鬼道。その顔はどこか疲れ切っている。
「どうした?」
何かあったと察し、直球で聞く。だが鬼道は、何でもない、と首を横に振るだけだった。
「鬼道さん、どうしたんだろう」
誰に言うこともなく、天馬は呟いた。鬼道を尊敬する影山は酷く心配そうだ。
帝国グラウンドにいけば、既に帝国選手が準備をしている。
と、初めて見る顔が2つあることに気づく。
1つは金髪に青眼のイケメン。
もう1つは七三わけの茶髪に黒目のイケメン。
どちらもかなり整った顔立ちだ。デーモン・エンジェルにはやや劣るが。
「小泉青山と武市真一。名字は違うが双子だ」
雷門イレブンの思いに答えるように鬼道が言った。よくよく見れば、2人の顔立ちは所々似ている。
彼らの視線に気づいたのだろう。茶髪の方——武市がこちらを見た。立ち上がると、近づいてきた。
「お前らが雷門イレブンか?」
「あ、うん」
キャプテンの天馬が一応答える。興味津々の体で、天馬達をじっくりと見た。
ふとその視線が1点に止まる。整った唇がゆっくりと開いた。
「お前…何て名前だ」
「……剣城京介だ」
何故、と嫌な予感をしながら落ち着いた声音で応じる。
武市はゆっくりと口角を持ち上げ、
「……ハハハハ!!!!!!ああ、あのサッカーを売ったクズ野郎か!!!!!」
この暴言に雷門イレブンは目を剥いた。対する武市は憎悪剥き出しの目で剣城を睨んでいた。
「テメェみてぇなクズ野郎がいるチームになんざ負けるかよ!!!!」
啖呵を切るや否や、踵を返して戻って行った。
「何なんだアイツ!!!!」
車田は吐き捨てるようにそう言った。他の物達も目で射殺しそうな程の眼光で武市を睨みつける。
「剣城、あんな奴の言うこと何か耳を貸すな」
「はい」
霧野の言葉に頷く。
「終わったことにこだわるなんて、器の小さい人ですね。人間失格です」
夕葉も毒舌を振るい、軽蔑の眼差しで武市を見ていた。
だが、と剣城は思う。武市のようにシードだった自分を受け入れず、忌み嫌う者がいてもおかしくないのだ。ただ、天馬達が優しいだけで。
いい仲間に巡り会えたなと、自分らしくない、天馬達には絶対言わない事を心の片隅で思った。





「…………」
「…………」
恐ろしい無表情で帝国グラウンドを見下ろす柚樹と椿姫。
「「………………殺す」」
怒りに狂ったこの2人を止めれる者はいない。