二次創作小説(紙ほか)
- Re: イナGO 銀色の悪魔【オリキャラ募集中!!】 ( No.127 )
- 日時: 2015/08/11 21:26
- 名前: マイタケ (ID: uLZUHjzo)
41話 情報
吹雪で出来た鋼鉄のような壁が剣城のデビルバーストを完璧に防ぐ。
「へぇ、前よりかは精度が上がってるな」
ボールを弄びながら、黎はピュウと口笛を吹く。
ホイッスルが鳴る。試合は引き分けだ。
麗夢はキャッキャッと笑っている。
「すごーいすごーい!引き分けだー!」
『…なぜ喜んでるの?』
「バカだからだろ?」
「ひとみんサうるせぇ」
「あーはいはい。お前ら一辺黙れ」
黎はパンパンと軽く手を叩く。
「んじゃあ、早く帰ろー」
柚樹がそう言うと、他の面子もフィールドから出て行く。
「だねー」
「あー腹減ったー」
「ひとみん殆ど動いてなくね?」
「これから仕事…メンド」
『塩入さん、御前の命令は絶対』
「…おい、待て!」
神童の言葉に、一同ピタリと足を止める。
「…ておーい、柚樹?椿姫?」
この2人を除いて。
「京介じゃないなら意味ないもん」
「右に同じ」
なんて2人だ。
「…なら、俺だけここにいるから全員帰っとけ」
「じゃあねー皆ー!」
麗夢の言葉と共に、黎を除く5人は去った。
「んで、何?」
黎は首を傾げる。そこには敵意が全く感じられない。
「お前達は何を企んでいる」
神童の言葉に怪訝な顔をする。
「主語無いと俺はわからんぞ?」
「サッカーをこんなにして何したいんだ!」
天馬の詰問に目を瞬かせる。
「こんなに…っておい。俺らは学校潰しただけだぞ」
「何故そんなことをした!」
「何故って、御前サマの命令だよ」
その皮肉げな言い方に引っかかりを覚える。
「お前は、御前をよく思っていないのか?」
霧野の言葉に、黎は黙り込んだ。端整な顔に若干険しさを含ませて溜め息をつく。
「…そうだよ」
黎は壁に寄りかかる。
「御前は俺達の前に一度も姿を現したことがない……常に御簾越しだ。そんな奴をそう簡単に信じるほど、俺もバカじゃねぇ」
フンッと鼻を鳴らすと、手招きする。
「立ちっぱなしもあれだし、座らね?」
「お前の言うことなんて…」
「グラウンドは話し合いの場じゃない」
「……!?」
その言葉に、剣城が息を呑んだ。
「……って、言うと思うぜ?……昔の柚樹なら」
「氷神さん…」
寂しげな顔をする黎に信助は思わず声をかける。
「んじゃ、大人以外の話が分かる奴ならいいぜ?」
「ちょっと君どういう…!?」
「俺は大人なんか信じない…絶対にな」
氷のような眼差しで音無を睥睨する。
「…わかった」
天馬の言葉に、黎はニッコリと笑った。
- Re: イナGO 銀色の悪魔【オリキャラ募集中!!】 ( No.128 )
- 日時: 2015/08/11 23:43
- 名前: マイタケ (ID: pRmfYtjO)
「俺らデーモン・エンジェルはフィフスセクターの元SSランクシードで結成されている…ここまではOKな?」
雷門イレブン全員が頷く。
「あの…?」
「んー?」
手を上げた影山に黎は目を向ける。
「氷神君達はドラゴンリンクより強いのに、どうしてホリーロードで聖堂山としてでなかったんですか?」
「だって大会とか俺ら興味ねぇし。つか千宮路のオッサンのくだらねぇことに一々付き合う気もねぇし」
「そ…そうですか」
「そ。俺ら結構フリーダムだから」
確かにデーモン・エンジェルメンバーは自由人しかいない。
「他はー?」
「どうして銀色の悪魔は御前に従っているのですか?」
「おっ、いい質問♪」
夕葉に賞賛を送る。だが、その顔に影があった。
「柚樹や華南、尚さんみたいに、御前と何か取引しているのが多いんだよな」
「取引…?」
剣城が怪訝そうに返す。
「詳しくは知らん。でも信頼はしている…大方検討はつくけどな」
「何故?」
「……ま、考えたら分かる」
「ちゃんと答えろ」
「柚樹が関わるとホントしつこいな…」
「ゆずは関係ない」
剣城は素っ気なくそう言った。
「嘘つけ。気になってしょうがねぇクセに」
黎の言葉に、剣城は眼光を鋭くした。黎は肩を竦めただけだが追及しなかった。
「あの……」
霧野が遠慮がちに手を上げる。
「んー?」
「………」
霧野は下を向いたまま何も言わない。
「霧野、どうしたんだい?体調不良か?」
「霧野先輩?」
狩屋と秋空は心配そうに覗き込む。
「雅は……どうしてる?」
その質問に、誰もが驚いた顔をした。
「華南?明日まで謹慎だが…」
「霧野、どうしたんだ?」
神童の声に顔を上げる。その端整な顔には戸惑いが生じていた。
「相楽さん達と去ったあの時、アイツは俺に縋るような目を向けてきたんだ。助けを求めるかのように……それが忘れられないんだ」
「……それは」
黎は視線を落とした。
「多分、心のどこかじゃ御前を信じていないんだろうな。アイツも俺と同じ大人嫌いだし」
重い空気が辺りを満たした。
その時、
「だったら救いましょう!」
天馬が声を上げた。
「柚樹達を闇から救うんです!俺達のサッカーで!」
「天馬…」
剣城は小さく呟いた。脳裏にはあの無邪気なオッドアイの少女。
「そうだな…やろう!」
『おおっ!』
神童に続き、全員が拳を上げる。
「へぇ、じゃあ楽しみにしてるぜ?」
黎は好戦的な笑みを浮かべ、その場から去った。