二次創作小説(紙ほか)
- Re: イナGO 銀色の悪魔【オリキャラ募集中!!】 ( No.132 )
- 日時: 2015/08/12 17:28
- 名前: マイタケ (ID: zTfaOGJu)
44話 陰謀
「ったく、付き合ってられるか!!」
黒いフード付きマントを被った人間。声からして男だろう。シルエットはマント越しでもわかるほど筋肉質だ。
近くにあったゴミ箱を蹴飛ばす。すごい音を立てて中のものがぶちまけられる。
「ったくあのクソガキ…ご当主に気に入られてるからって…!」
「そんなにいきり立つなよ…まぁあのお子ちゃまのやり方は生温いけどな」
もう1人、背が高いマントの男がそう言った。
「なぁ…俺達だけで人外の連中をやるのはどーだ?」
「おい…下手したら協定違反になるぜ」
「事故ってことにすりゃあいい。それなら協定違反にもならないだろ?」
「そういえば…だがレイスの野郎もいるぜ?アイツにごまかしは気かねぇだろ」
「ギリギリの所を見切れば、奴にも文句は言われねぇ」
「そんなこと出来るのか?」
「ああ、一応計画はある」
筋肉質の男は愉しげな声で計画を練る。
その“計画”に、背の高い男がニヤリと嗤う。薫と似たような笑みでありながら、不快感が拭えない。
「お前にしては中々いいアイディアだな」
「俺にしてはって…」
筋肉質の男は不満げな声を上げた。
「でも、これが成功すれば何とかすれば星宮から補佐官という地位から引きずり落とせる」
「へぇ、面白そうだな」
「だろ?まずはあいつ……月影柚樹からだ」
「ま、あの小娘が一番釣れそうだからな」
「囮は…あのガキだよなぁ…」
「ああ」
2人の魔術師の企みが続く。
それを聞いている者達がいた。
1人は2人と同じマントを着た隠密特化の魔術師。
1人は水色の髪をした忍。
互いに気配を消し、声も発さず、その会話を聞いていた。
顔色を1つも変えず、それぞれの主に報告すべく、居場所へと帰って行った。
「補佐官、どうします?」
「レイスが来るまで監視して……黄昏の流星のやり方に口出しなんてさせないさ」
「わかりました」
「御前…どういたします?」
いつもとは違う、慣れない標準語で、流星はそう聞いた。
「もうよい。柚樹達にも何も言うな……奴らの隙にさせろ」
「……」
流星はピクリと眉を動かした。
が、
「御意」
そう言って頭を下げた。
「黎達もお主のようにすればよいものを……」
御前が嗤う気配がした。
「妾は愚か者が嫌いじゃ。……意味はわかるのよう…?」
「…御前の仰せのままに」
今の流星には、それだけしか言えなかった。
ただ、柚樹達の武運を祈るしかなかった。