二次創作小説(紙ほか)

Re: イナGO 銀色の悪魔【オリキャラ募集中!!】 ( No.133 )
日時: 2015/08/12 19:08
名前: マイタケ (ID: zTfaOGJu)  

45話 一息
翌日
「……浜野先輩、何ですかこれ」
剣城は、それだけ聞いた。
「んー?マヨネーズ」
「マヨネーズは間に合っています。しかもなんで桃の缶詰めが…」
「食後のおやつにいいかなーって」
「西園…お前…」
「ちゅーか俺ら料理できないんだよね〜」
「速水先輩…」
「だ、だっていつの間にか2人とも買ってて…」
剣城は黙々とビニール袋にある物を取り出した。
ポテチ、カレーの素、ジャムパン、何故か大根1本、キャベツ1玉……などなど
「………」
剣城は目元を押さえた。まさかここまで料理ができないとは……
「…頭痛くなってきた」
「え、剣城大丈夫!?」
「お前達のせいだ…」
「えぇっ!?」
剣城は重い溜め息をついた。
「んー?どうかしたか?」
現れたのは、三国だった。
彼はテーブルの上に置かれたそれらを見た。
「……これ、なんだ?」
「夕飯の材料です」
「は?」
剣城はこれらの経緯を全て話した。
「お前達…」
「「「す、すみません」」………」
三国が3人を説教するのを目の当たりにしながら、剣城は思った。


俺、どこかで食べよう。


剣城はそっと部屋に戻った。
「…………」
雷門のジャージを脱ぎ、黒いジャージとジーンズを着る。
「にしても、よくできてるな…」
薫を中心とした黄昏の流星の魔術師達が作り出した幻の建物だ。
幻なのに、非常によくできている。
「サッサと行くか…」
見つかったらどう言われるかわかったものではない。
……それに、1人で考えたいこともあるのだ。
途中に会った狩屋に適当に言い繕って出て行った。
雷門中から少し遠く離れた所まで行くと、ポニーテールを解いた。背中半ばまで伸びた藍色の髪がそよ風によって翻る。
「ゆず…」
彼女が御前とどのような取引をしたのだろうか。
今思えば、柚樹は、自分達に宣戦布告した時、酷く悲しげな顔をしていた。
雷門の中では柚樹のことを一番分かっていると思っていた。
「薫の方が詳しいなんてな……」
自嘲が自然とこぼれ落ちた。

その時、



「じゃあ、俺達と手ぇ組もうぜ?」



「!?なにっ…!?」
背後からの声に思わず振り返ろうとした。
が、布のようなもので口と鼻を塞がれる。
布に染み込んだ甘い香りと共に強烈な睡魔が襲ってきた。
「っ…!くそっ……!!」
剣城の意識は闇に堕ちた。


倒れかけた剣城を背の高い男が支える。
「うまくいったな」
「これからが本番だ。気を抜くな」