二次創作小説(紙ほか)

Re: イナGO 銀色の悪魔【オリキャラ募集中!!】 ( No.140 )
日時: 2015/08/13 01:23
名前: マイタケ (ID: lcGOSbxj)  

46話 左翼補佐官
雷門中校門前に、1人の少年を見かけ、水鳥と茜は立ち止まった。
「誰だ?アイツ」
「私知らない」
そう言いながらも、2人は少年に近づいた。
「なぁ、こんな所で何してんだ?」
水鳥に呼びかけられ、少年は顔を上げた。
年は10歳前後、身長は倉間の肩ぐらいまでしかない。色が抜けたような白髪に夕焼けを連想させる赤眼。顔は可愛らしく、庇護欲を掻き立てられる容姿だ。
その少年は人懐っこく笑う。
「僕、サッカー部の知り合いに会いに来たんです!!」
「へぇ」
「でも、大きい校舎で迷子になりそうでここにいたんです。よかったぁ〜」
茜が少年をカメラで撮る。
「じゃあ、あたし達が案内してやるよ。ついてきな」
「はーい」
水鳥達の少し後ろを歩く少年を見ながら、茜は呟いた。
「……何だか、大人みたい」





「さ、着いたぜ」
「わーい!お姉さん、ありがとー!」
ぴょんぴょん跳ねる少年を誰もが不思議そうに見つめる。
「瀬戸さん、その人は?」
「さっき会ったんだ。サッカー部に知り合いがいるらしいけど」
柊の問いに答える。だが全員が首を捻る。
「…俺達は初対面だぞ」
「へ?じゃあ…?」
「ボクですよ」
薫が何処からか現れた。彼女は少年に微笑み、
「やあレイス。久しぶりだね」
そう言った。
「え!?」
「この子が!?」
信助と狩屋が声を上げた。
「この子って……この男は60越えてます」
「と、言うわけだ。私の演技は中々のものだろう?」
少年——レイスは幼い顔に不釣り合いな老獪な笑みを浮かべた。
「私がレイス・グレンジャー。星宮薫と同格の左翼補佐官だ」
傲岸不遜な自己紹介をし、薫に目を向ける。
「全く、年寄り使いの荒い娘だ。で、私に何をしろと?」
「急かさないでよ。あんたにはメリットだらけの提案何だから」
薫は真顔となり、こう言った。




「内部の裏切り者に、剣城京介が攫われた。直ちに裏切り者の捕縛と剣城京介の身柄を保護してもらいたい」




「……え?」
天馬が声を上げた。だが2人の話は彼らを無視して続ける。
「今のボクはここから離れられない。もしあんたが裏切り者を捕縛して剣城を助ければ、裏切り者への制裁はアナタに任せる」
「ほぉ……」
レイスはニィーッと嗤った。
「それはそれは…確かに私にメリットはある。お前にもな」
レイスは踵を返した。
「貴様の部下を借りるぞ」
「勿論構わないよ」
レイスは嵐のように立ち去った。