二次創作小説(紙ほか)

Re: イナGO 銀色の悪魔【オリキャラ募集中!!】 ( No.141 )
日時: 2015/08/13 16:17
名前: マイタケ (ID: pRmfYtjO)  

47話 柊彰人と星宮薫
「薫、どういうことなの!?」
レイスが出て行った瞬間、夕葉が声を上げる。他の面々も険しい顔をしている。
「そのままだよ。ボクのやり方が気に食わないバカ共が剣城を拉致った」
「何で剣城君何だ?」
狩屋が怪訝そうに聞いた。それに答えたのは武市だった。
「簡単だ。銀色の悪魔を炙り出すための囮だろ」
「流石。身を持って体験しただけはあるね」
「おい……」
見事なスルースキルで武市を無視して、薫は椅子に座ると頬杖をついた。
「……組織は決して一枚岩ではない。隠密でありながら今回みたいな過激な連中もいる。今回はバカな連中だったけど」
「じゃあ剣城は…」
「大丈夫。恐らく月影柚樹も行動に出ている。いくら半妖でも格高い悪魔に勝てる訳がない」
しかも、と話を続ける。
「その悪魔を怒らせて、尚且つあのジーさんの手を煩わせてるからね。あの2人の本気をわかってないし……ホントにバカ」
フンと鼻を鳴らす彼女には、彼らに対する慈悲の欠片もなかった。
「剣城は助かるのか!?」
普段は冷静な霧野が薫の腕を掴んだ。
「はい、あの男は狡猾だからやるときはやります」
「ね〜薫ちゃん」
柊が近づく。相変わらずのちゃん付けに、薫は溜め息をついた。
「何ですか?」
「俺もレイスさんと一緒に言っていい?」
「……は?」
薫は怪訝そうに眉を寄せた。
「おい、危険すぎるド!」
「そ、そうですよ柊先輩!」
天城と影山の最もな制止は見事にスルーされた。
「面倒くさがりのクセにどうしたんですか?」
薫は怪訝そうに眉を寄せた。
「いやあ、お仕置きしようかなーって」
「………」
能天気に笑う柊を探るように見つめていたが、小さく溜め息をついた。
「いいですけどレイスの足手まといはやめてくださいよ。文句言われるのはボクだから」
「わかってるー♪」
柊は散歩に行くような軽い足取りで部室を出て行った。
「おい、薫!いいのかよ!?」
「いいんですよ。寧ろ行ってくれた方が都合がいい」
「お前……!!」
「柊先輩が行けば、剣城の身の安全の保証の確率は格段に上がります」
車田の言葉に何事もなかったかのように答える。
「……大丈夫なのか?」
神童の問いにスッと目を細める。
「愚問ですね。忘れたならもう1度言いますが」
薫は不敵な笑みを浮かべた。



「ボクは、自分にとって有意義なるモノしか拾いませんよ?」



その言葉は、不自然なほど天馬達の心の奥に刻まれた。