二次創作小説(紙ほか)
- Re: イナGO 銀色の悪魔【オリキャラ募集中!!】 ( No.145 )
- 日時: 2015/09/13 15:06
- 名前: マイタケ (ID: zTfaOGJu)
49話
「…あの小娘がこの私を頼るとはな」
「やっぱり薫ちゃんが人に頼むのって珍しいんですかー?」
レイスの呟きに、柊は首を傾げた。
「ああ、ましてや私だと尚更な」
星宮薫は本当に信頼している人物にも稀にしか頼らない性格だ。過激派代表とも言えるレイスが相手だと尚更だ。
「雷門の者達が変えた、か…」
「まぁ天馬君達ですもんねー」
「ああ。だが相変わらず有意義な拾い物は拾ってくる」
「…それ、俺のこと?」
思わずタメ口になる。苦虫を噛んだ表情の柊を見て、少年の姿を模した老魔術師はククッと笑った。
「貴様以外に誰がいる?いや、あなた様と言った方がよいか?」
その言葉に、キョトンとした。
「俺、様付けされるほどの人間じゃないですよ?」
柊の発言に、レイスは足を止めた。愛らしい顔に微かな驚きが現れる。
「ニシカワ」
「はい」
「この小僧は何も知らないのか」
ルチャードは柊を一瞥すると、微かに頷いた。
「補佐官の言う通りでございます」
「ほぉ……」
レイスはニィッと嗤い始めた。愛らしい顔に獰猛な亀裂が入る。
「それはそれは、面白い」
そう言うと、漆黒のマントを翻した。
1人置いてけぼりの柊は膨れっ面になる。
「どういう意味ですかー?」
「安心しろ。いつかわかることだ。まぁそう簡単に受け入れられる事実でもないかもしれんがな」
レイスは胸に下げる懐中時計を見た。
「ふむ。もうそろそろつくな」
たった一言、それだけで数人の魔術師の気配が針のようになる。
「お前達、人質の安全確保を最優先に動け。いいな」
それと同時に、彼らは冥き夕闇の中へと溶けていった。
夕闇に動くもう1つの影。
長い銀髪は夕陽で金に染まった、異色の双眸を煌めかせる少女。
華奢な体格に不釣り合いな死神めいた禍々しい大鎌を手に持ち、ゴシックロリータの裾を風に靡かせる。
「京介、絶対助けるからね」
そう言った少女————月影柚樹は己の目的を果たすため、動き出した。