二次創作小説(紙ほか)
- Re: イナGO 銀色の悪魔【オリキャラ募集中!!】 ( No.156 )
- 日時: 2015/12/09 18:33
- 名前: マイタケ (ID: uLZUHjzo)
55話
「そういえばさ、剣城って柚樹のことどう思ってんの?」
「!?」
思わず飲んでいたドリンクを吹き出しかけた。噴射は免れたものの、九割が気管に入った。ゴホゴホと咽せる剣城の背を、影山が慌ててさする。
「テ、テメェ……!!」
「やだなぁ、ボクはどう思っているかだけを聞いただけだよ?」
にこやかに言う薫に殺意を覚えた剣城である。
「小泉君と武市と夕葉と……はどう思っている?」
「何で俺だけ君なしだよ」
「僕に関しては名前すら呼んでないね」
「テメェら自分の胸に手当てて考えやがれ」
この瞬間、薫の微笑の背後に三途の川を見た武市と秋空だった。
「ちょっと怖いけど見た目は可愛いよね」
「性格も可愛いよ?敵には情けの欠片もないけど」
そこは共感できるなぁと笑う。夕葉はなんとも言えない目で薫を見た。
「僕はどうとも思ってないよ。僕は霧野の」
「霧野先輩の騎士だから他の子なんて眼中にないですよね、良かったですね霧野先輩。愛されてますよ」
「そんな愛いらない」
「照れてるのか霧野。そんなところもまた可愛い!!」
霧野の悲鳴が轟くが元凶(薫)はまさかのスルー。
「俺は純粋に嫌だ。ああいう女子は無理だ」
「あれは真一が悪いだろう?人の悪口を言うから」
「鎌で切り裂かれても文句は言えねぇな」
倉間の言い方にピクリと柳眉を動かす。
「んだと…」
「顔は良いのにホント損してるよね君」
「その言葉、そっくりそのまま返す」
「今此処に柚樹呼ぼうか」
武市は静かに距離を取った。
「で、小泉君は?」
「話したことないからどうとも言えないよ。それにあの子はサッカーを悪用する敵だし」
興味がないし持とうとも思わない。それが小泉の本音だ。
「でも、ああも一途になれる女の子ってすごいと思う」
剣城の事になると、柚樹は悪魔の力を使うことに躊躇いを感じない。それは椿姫もだ。
他者から恐れられること確定の力をたった1人の為に使うことが、小泉には不思議でならなかった。
「ああいうのを恋は盲目って言うのかな」
「多分違うね」
椿姫は幼なじみとしての“好き”だ。同じ“好き”でも、雲泥の差だ。誰だって幼なじみを罵倒されていい気分にはならないだろう。
「じゃあ月影さんは?」
「さぁ?」
飄々とした態度をとる薫に、小泉は目を細めた。
「君はなかなか食えないな」
「ボク食べ物じゃないしね」
「そういう意味じゃないだろ」
神童が呆れた口調でツッコんだが、薫は笑うだけだった。