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二次創作小説(紙ほか)
- Re: イナGO 銀色の悪魔 ( No.2 )
- 日時: 2016/02/09 00:07
- 名前: マイタケ (ID: dZvWwzVY)
1話 噂
「またでたんだって。銀色の悪魔」
「ええっ!!」
葵からもらった新聞に目を通し、天馬は顔を険しくした。他の面子もその一面を除きこむ。
『また現れた銀色の悪魔!●×学園サッカー部を潰す!!』
でかでかと書かれたその下にはフィールドが抉れ、ぼろぼろになった選手達がいた。
「・・・・・ひどいな」
神童がポツリと呟いた。
銀色の悪魔とは、最近このあたりのサッカー部を潰している人間だ。
一方的に試合を申し込み、容赦なく潰していく。その姿はまるで悪魔のようだというものがいた。「悪魔」は三日月を連想させる美しい銀髪だったと襲われたもの達は口々に言っていた。そこから銀色の悪魔と言う異名がついたのだ。
「俺達が本当のサッカーを取り戻したのに、どうして・・・・!!」
天馬が悲痛な顔をする。手に力がこもり、新聞はグシャグシャになった。他の面々も怒りと悔しさを露にしている。
「・・・・いまは考えても仕方がない。練習をしよう」
「・・・・うん」
剣城の言葉に頷いた。
そんな雷門を遠くから見ているものがいた。黒のフードを被っており、木の上に座っている。わずかに見える可憐な唇が不気味な弧を描いた。
「見ぃつけた・・・・」
無邪気なはずの声には、おぞましいほどの殺気が隠されていた。
「さあ・・・・・貴方達は地獄の悪魔の誘いにこたえるかな・・・・?」
その問いに答えるものはいない。
不気味な風が吹く。フードがめくれあがり、銀色の長髪が翻った。
それと同時に、その人物は忽然と姿を消した。
ーーーー悪魔はゆっくりと破滅の音色を響かせていくーーーー
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