二次創作小説(紙ほか)
- Re: イナGO 銀色の悪魔 ( No.21 )
- 日時: 2015/03/24 16:29
- 名前: マイタケ (ID: iv9jnC9n)
8話 息吹夕葉という人物
「つ、つまり息吹先輩は吹雪さんの従妹で、狩屋とは同じ施設育ち。で、白恋中から転校してきたってこと・・・・ですか?」
「はい、その通りです」
天馬のまとめに夕葉はにっこりと笑う。一方の神童たちはなんとなく納得した。彼女の優しげな雰囲気が確かに吹雪とよく似ていた。
「ポジションは?」
「FWとDFです」
返ってきた答えに神童は驚いた。FWとDFの両方が出来る選手。雷門でもいない種の人物だ。
「確か、入部テストがあるって薫から聞いてるんですけど・・・」
「いや円堂監督ならサッカーが好きなら入れてくれるだろ」
「ほんとですか!?」
夕葉はパァッと顔を輝かせた。
「サッカー好きなんですね」
「もちろん!!」
夕葉の笑顔の即答に天馬たちは口元を綻ばせた。そんな彼らを夕葉は不思議そうに見つめた。
「どうしたんですか、皆そろってニヤニヤしていて・・・・まるで変人みたいですよ?」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・』
無邪気な毒舌に笑顔が固まった。夕葉は頭の上に?をバンバン飛ばしている。
そんな彼女を見て、剣城は目を伏せた。サッカーが好きだという夕葉は柚樹とダブったのだ。
いつも笑顔で、金と赤のきれいな瞳でまっすぐと自分を見つめていた柚樹を。
「・・・・・ゆず・・・・・」
「剣城君、どうかした?」
「いや、なんでもない」
影山に首をふると、神童を見た。
「言わなくていいんですか?昨日のこと」
「ああ・・・・・」
神童は顔を険しくさせた。夕葉に昨日の出来事を話す。
この地域で銀色の悪魔と言われる少女・月影柚樹と戦ったこと。雷門にたった一人で全勝したこと。
夕葉はチームメイトたちの顔を見た。全員苦々しげな顔で俯いている。
「銀色の悪魔、ですか。会ってみたいですね〜」
夕葉がそう呟いたことは誰も知らない。
全員が集まり、夕葉を快く歓迎した。円堂は彼女に16番のユニフォームを渡し、練習に参加させることにした。
紅白戦で天馬チームと神童チームに分かれる。夕葉は天馬のチームでFWだ。
葵がホイッスルを鳴らす。先攻は神童チームだ。
FWの倉間からすぐにボールを奪う。剣城と息のあった連携でゴールに上がった。
「すごい・・・・!!」
天馬が思わず呟く。その時には夕葉はゴール前にいた。
「行きますよ、三国さん!!」
そういうと彼女の後ろから青いオーラが出現した。
「彷徨霊ペルソナリタ!!」
彷徨う女性の霊を模した化身が現れた。
「切り裂け・・・・・グランドブラスタ!!」
凄まじい破壊力を伴った炎のシュートが炸裂する。それは三国に技を出させる暇も与えず、ネットに突き刺さった。
「やった〜!!」
シュートが決まって喜ぶ夕葉を一同が唖然と見つめている。
そのとき、
「きょーうーすーけー!!」
ひどく無邪気が声がフィールドに響き渡った。