二次創作小説(紙ほか)
- Re: イナGO 銀色の悪魔 ( No.23 )
- 日時: 2015/03/24 22:37
- 名前: マイタケ (ID: /OJeLYZk)
10話 出会い
ゴッドエデンにいた時の事だ。
剣城はいつものように1人でいた。訓練のせいで疲れきった身体は酷く重い。脳の指令をちゃんと聞いてくれない。
「あれ?人だ」
聞こえた声にゆっくりと振り返った。聞いたことのない、少女の声だったから。
「ねぇねぇ、なんでこんなとこで寝てるの?」
そう言ったのはやはり少女だった。腰まである銀髪は伸ばしっぱなしという印象を受ける。金と赤のオッドアイの目はゴッドエデンで暮らしているとは思えない程澄んでいた。しかも服装はなぜかゴスロリ。
「…別に、寝ているんじゃない」
気づけばそんな風に返していた。少女はキョトンと剣城を見つめる。
「じゃあ瀕死状態?霊柩車呼ぶ?」
「俺は死んでない。あと瀕死状態の時は霊柩車じゃなくて救急車を呼ぶのが普通だ」
「(´・∀・`)へぇ〜」
初めて知った、という反応。そこから彼女は剣城にとっての爆弾を投げた。
「ねぇねぇ、キューキューシャってなぁに?」
「…は?」
剣城は唖然として少女を見た。少女の顔に嘘はない。本当に救急車を知らないのだろう。どういうことだ、と眉を顰める彼を見て少女は可憐に笑った。
「あのね、私小さい時からここにいて、ここから出たことないの。だから外の事教えて?」
「……」
小さい時からここにいるとはどういうことなのだろうか、ゴッドエデンが出来たのは恐らく4年ほど前。その時からここにいるのだろうか。だとしても、外の世界を知らないのは本当のようだ。
「…別に構わない」
「ホント!?ありがと!!」
驚くほど嬉しそうな少女を見て、剣城は口元を綻ばせた。退屈しのぎにいいか、と思っていただけだが、こんなに喜んでもらえて嬉しかった。
「そういえば、貴方の名前は?」
「剣城京介。ファーストランクのシードだ」
「京介ね!!よし、覚えた!!」
いきなり名前呼びである。しかもランクの事を思いっきり覚えていない。
コイツはどこのランクなのだろうか、と思いながら聞いてみる。
「お前の名前は?あとランクと」
「私?私はSSランクシードの月影柚樹!!宜しくね!!」
——————これが、俺とゆずの出会いだった。