二次創作小説(紙ほか)
- Re: イナGO 銀色の悪魔 ( No.25 )
- 日時: 2015/03/25 14:05
- 名前: マイタケ (ID: uLZUHjzo)
12話 ルチャード・ニシカワ
「と、言うわけで対デーモン・エンジェル戦に向けて合宿を始めまーす」
薫の一声に全員が目を丸くする。
柚樹達が消えた後、雷門の者達だけではなく、稲妻町周辺辺りの者達まできれいさっぱりいなくなっていた。
薫曰わく、「まぁ、町ごと消されなかったらいいでしょー」というかなり楽観的なもの。だが見過ごせない事態であることには変わりはない。薫は稲妻町全域に渡り、緊急配備をしていた。
「これだけの騒ぎになっているのに、誰も来ないね…」
信助は不思議そうに言った。確かに突然ゴーストタウンとなった稲妻町はマスコミの目玉になるだろう。更に警察が来て具体的に取り調べるはずだ。
薫は「ああ」とニッコリと笑う。その笑みに一同はいやな予感がした。
「ここに来る前にさ、警察庁に選ばせたんだよ。ここでマスコミを抑えてボクらの好きにさせるか、自分達の賄賂を全世界及び国連にバラしてマスコミの餌食になるか」
「脅しだ…」
速水はボソリと呟いた。警察庁にとったら選択肢は1つしかないのは目に見えている。
「やだなぁ、警察のクセにそーゆーことする連中が悪いんですよ?それを逆手に取られようが何だろうが自業自得です」
かなり最もらしいが、それでも日本の警察が哀れでならない。天馬達はそう思った。
『黄昏の流星』はありとあらゆる情報に精通する為、各国の機密情報を所持している。その気になれば、それで国1つ潰せるのだ。言わば、裏の世界を掌握している。しかも薫はその当主右翼補佐官という高ランクの人間である。彼女が脅せばこれくらい簡単だ。
「薫ってやっぱり偉い人なんだ…」
「別に偉くないよ。周りの連中がそう言ってるだけ」
その時、部室の自動ドアが開いた。現れたのは黒マントを羽織った男性だ。
「星宮補佐官、配備は整いました」
「はいよ。…あ、コイツはルチャード・ニシカワ。フランス人と日本人のハーフ」
「第3部隊隊長のルチャード・ニシカワです。はじめまして」
「ど、どうも…」
無表情に合わせて威圧的なオーラに天馬はツーッと汗をかいた。
「で、どうかした?」
「いえ、月影柚樹一派の獣らしき影を目撃したという情報が入ったので」
「ああー、捕獲して」
「反抗すれば…」
「殺せ…と、言いたいけど、まぁ再起不能にしちゃって」
容赦ない言葉に会釈すると、ルチャードは去っていった。