二次創作小説(紙ほか)
- Re: イナGO 銀色の悪魔 ( No.4 )
- 日時: 2015/03/23 18:58
- 名前: マイタケ (ID: iv9jnC9n)
3話 嵐到来
次の日、悲劇は起こった。
神童と霧野は部室に一番乗りできていた。
「なあ神童、剣城の様子おかしくなかったか」
「ああ・・・」
朝練で、剣城は何か考え込んでいるような、戸惑いがあった。聞こうにも本人は「なんでもない」の一点張り。
「どうしたんだろうな・・・」
神童がゆっくりと椅子にもたれた。
「まさか、銀色の悪魔の知ってたり・・・・」
「いやいやまさか」
「冗談だよ」
全力否定する神童に霧野は苦笑した。いくらなんでも都合が良すぎるのは自分でも分っている。もし知っているのなら、誰かに相談しているだろう。
「でも、銀色の悪魔がシードだったなら心当たりがあるのかもしれないな」
「確かに・・・・でもなんで俺達を直接狙わないんだ?」
霧野の疑問に神童は暫く考えた。
もしシードなら、革命の中心である雷門に矛先を向けるはずだ。直接雷門に手を出すのが手っ取り早いはずだ。それなりの実力を持っているのなら他校のサッカー部を潰していくなどという回りくどいことなどしなくてもいいのに。
「・・・・・見せしめ、か」
サッカー部を潰していき、じりじりとその脅威を自分達に向けていく。そうすることで自分達の精神を削っていく。
「・・・・なるほどな」
「いやあ〜、そこまで考えてなかったな〜」
「いやいや考えるべき・・・・」
霧野は口を閉ざした。神童と顔を見合わせる。
「・・・・神童、なんかいったか?」
「いや、俺はなにも」
「じゃあ誰が・・・」
「はーい、私でーす」
間延びした少女の声が上から聞こえた。あれ、ここ2階あったけ?・・・んなわけあるか!・・・・以上、二人の心情である。
二人はゆっくりと天井を見た。
そこには天井に足をつけた少女がいた。
「「ぎゃあああああああああああああ!!!」」
バタバタと廊下が騒がしくなる。自動ドアがウィーンと音をたてて開いた。
「神童先輩!?」
「霧野!?」
天馬と倉間が血相を変えて、入ってきた。続いて信助、輝、狩屋たちも入ってくる。
「どうしたんです!!」
「なにがあったんすか!?」
腰を抜かした二人を支え、輝と狩屋はそう聞いた。
「失礼ですね〜。人の顔を見てそのユーレイみたような反応!!」
聞きなれない少女の声、全員がその方向を見た。
「お前、神童たちに何した!!」
「失礼な!!私はフツーに天井に張り付いていただけです!!」
「「「「いやいやいやいやいやいや!!!!」」」」
倉間の詰問に銀髪の少女はえへんと胸を張って答えた。部員全員がすぐにツッコミを入れる。
ドキドキとなる心臓を押さえ、神童は少女を見た。
一言で言う、・・・・・・マニアックすぎる。
彼女の姿は魔女のような感じだった。しかもきっちり帽子もつけている。
もうなんというか登場の仕方といい服装といい言動といいツッコミどころ満載である。
そんな彼の視線を感じたのだろう。少女はにっこりと笑った。
「そういえばいろんな人が言ってたんですけど、日本の男子はこういうのが好きだって」
「んなわけあるか!!」
いつも冷静な神童は全力で突っ込んだ。このままだとこの少女に日本人男子に関するあらぬ誤解が世界に広まってしまう。
「・・・・・えええっ!!!」
「なにその寝耳に水みたいな反応!!」
あまりにも衝撃的な顔をする少女に、今度は狩屋がツッコむ。
登場五分で少女に対する雷門のイメージ=変人となってしまった。
「・・・・・で、君は誰なんだ?」
霧野がそう聞くと少女はキョトンとした。
「・・・・・・あ、自己紹介忘れてた」
「今さらっ!?」
天馬のツッコミに「あはは〜」と笑う。
「え〜っと、私は月影柚樹です!!元SSクラスシード。あなた方に地獄の悪夢へと誘いにきました!!世間で言う銀色の悪魔です!!」
かわいい顔してぶっちゃけ発言。
天馬たちは驚愕するほかなかった。