二次創作小説(紙ほか)
- Re: イナGO 銀色の悪魔【オリキャラ募集中!!】 ( No.55 )
- 日時: 2015/04/27 00:13
- 名前: マイタケ (ID: DKs/wtA1)
18話 勝負
ポジション
デーモン・エンジェル
GK:氷神黎 FW:九重椿姫
雷門
GK:西園信助 DF:神童拓人 MF:松風天馬 FW:剣城京介
4対1、どう見ても雷門が有利である。
「天馬ー、頑張れーっ!!」
「皆さん頑張ってくださーい!!」
葵と夕葉、その後ろでは水鳥や茜も声援を送っている。
ホイッスルが鳴る。先行は人数の少ないデーモン・エンジェルだ。
キックオフをし、ゆっくりと走る。
何のまねだ?幼なじみの行動を不審に思いつつも、剣城はボールを奪おうと走り出した。
その瞬間、
「…カラミティソウル」
突然彼女の周りに炎が出現する。先程とは段違いのスピードで走り出した。
「!?がはっ……」
攻撃を諸に食らい、剣城は地に叩きつけられた。
「剣城!!うわぁああぁ!!」
「くっ……!!」
天馬も神童も、容赦ないそれを回避できず倒れた。最早ゴールを守るのは信助のみだ。
「ヘルファイア」
地獄の炎を纏った、柚樹のムーンブレイク以上の力を持ったシュートが炸裂した。それは信助に技を出す隙も与えずにゴールした。
勝負開始から30秒が経ってもない、予想しなかった出来事だった。
雷門が愕然とする中、黎だけがのんびりと欠伸をしていた。
勝負再開、椿姫の猛攻は止まらない。カラミティソウルで何度も天馬達をぶっ飛ばし、痛めつけていく。それを見た雷門は大きく息を呑んだ。黎だけがのんびりと欠伸をしていた。
勝負は一方的で、あまりにも暴力的に進んでいった。
勝負はデーモン・エンジェルの勝ちだった。
天馬はヨロヨロと立ち上がり、椿姫と黎を見つめた。
「こんなの、違う……こんなのサッカーじゃない。サッカーが泣いてるよ!!」
「……」
椿姫はまた崩れ落ちた天馬を冷たく見た。ゆっくりと小さな唇を開く。
「……サッカーが泣いてる?」
その可憐で小さな声が椿姫のものだということに暫くして気づいた。黎も「珍しい」と言わんばかりの驚きの表情で彼女を見つめた。
「…馬鹿にする気力さえ起きない。……そう思っているから私を抜くことも、ボールを奪うこともできない」
冷たく鋭い言葉、冷酷な瞳。天馬は何も言えなかった。ただ、悲しかった。神童達も悔しげに地面に手をつく。
「……これで終わりよ」
椿姫がボールを蹴ろうとしたその時だった。
「…おいおい、あれだけ独断はやめろって言っただろ?」
呆れたような、しかしどこか楽しげな声に、椿姫は足を止めた。