二次創作小説(紙ほか)
- Re: イナGO 銀色の悪魔【オリキャラ募集中!!】 ( No.57 )
- 日時: 2015/04/27 19:09
- 名前: マイタケ (ID: MIiIBvYo)
19話 絶望の種
椿姫はゆっくりとその方向を見た。雷門もつられてそちらを見た。
「………」
「げ、龍」
その人物を見て、黎はズザザザッ!!と凄まじい勢いで下がっていった。
黒髪に黄色の目。身長は165くらい。顔立ちは尚ほどでなはないが、なかなか整っている。
「あれだけ独断行動は控えろと言ったんだけどな〜。黎がいながらなにしてんだか」
「はいすいませんでした!!って痛い痛い痛い痛いぎゃああああ!!」
一瞬で間合いを詰め、爽やかな笑顔でヘッドロックをぶちかます。黎はムンクの形相で断末魔を上げる。椿姫は興味なさそうにそっぽを向いた。
「ちょっ、椿姫!?ヘルプヘルプ!!」
「………お幸せに」
椿姫は相変わらずの無表情で軽く手を挙げた。
「…と、言う冗談は置いといて」
「嘘つけぇ!!今の本気だっただろうがぁ!!」
「何か言ったか?」
「イエナニモ」
若干黒いものがあるその優しい(?)笑顔に、黎は直立不動の体勢になる。椿姫はプラカードを上げる。
『…日野さんは何しに来たの?』
最後の仕上げを邪魔されたせいか、無表情に不機嫌な色が混じっていた。
少年——日野龍は呆れ顔で椿姫と黎を見た。
「どうしたもこうしたも……御前から召集がかかったぞ」
御前、その言葉に雷門も顔色が変わる。
「御前って一体誰だよ!!サッカーをこんな風に利用するなんて許せない!!」
天馬の叫びに黎は面倒くさげな目で、椿姫は冷ややかな目で、龍は椿姫以上の、絶対零度の冷酷な目で彼を見る。龍の暗く、凍てついた瞳に、天馬達は呑まれそうになった。
「…うぜぇんだよ。サッカーをわかってないテメェごときが偉そうに言ってじゃねぇ!!」
龍はそう吠えると、椿姫の足元にあったボールを自分の方に引き寄せた。ボールを蹴り上げ、強烈なノーマルシュートを放つ。それは忽ち凶器となり、剣城、天馬、神童を容赦なく——椿姫以上に容赦なく——巻き込んだ。仕上げと言わんばかりに信助を叩きのめす。ボールが生み出した煙が視界を悪くさせる
「この程度かよ。雷門も落ちぶれたもんだ」
どこまでも冷たい言葉と共に煙が消える。龍達はいつの間にか消えていた。
そこにいるのは気を失った天馬達のみ。
「天馬!!」
葵が真っ先に天馬の元へ向かう。夕葉、茜、水鳥、雷門イレブンもその後に続いた。
化身使いの、主力メンバーの4人が、たった2人に潰された。
それは早くも雷門イレブンの心に、絶望の種を植え付けたのだった。