二次創作小説(紙ほか)

Re: イナGO 銀色の悪魔【オリキャラ募集中!!】 ( No.60 )
日時: 2015/04/27 22:56
名前: マイタケ (ID: lcGOSbxj)  

20話 騎士の登場
黄昏の流星に治癒術を施されて、傷を癒やしてもらった天馬達だが、ひどく落胆していた。
そこに霧野達が帰ってきた。薫から一通り話は聞いていたのだろう。顔色は青ざめていた。
「皆、大丈夫か!?」
保健室に飛び込み、目立った外傷がなくホッとする。しかし彼らの意気消沈した顔に沈痛な面持ちを見せた。
暫く重い沈黙が走った。


が、


「ここにいるのかい?霧野」
「すみません。ここには怪我人がいるのでお引き取り願います」
「君、それはないんじゃないかい?ああもしかして私と霧野の仲を引き裂こうと」
「とっとと失せろ警察呼ぶぞ」
薫と聞き慣れぬ声が廊下から聞こえた。しかも薫は相当苛立っているのだろうか口調が変わっている。霧野と神童以外の全員が首を捻った。
「霧野先輩の知り合いですか?」
「……」
影山の質問に霧野は答えない。いや、答えることができなかった。
青ざめていた顔が紙よりも白くなっていく。額から大量の冷や汗が出ていた。
そんな霧野を、神童は哀れむようにして見た。
誰もが首を傾げた時、
「しつこいですねー。理事長室に行って来てください」
「……ふむ。確かに君の言う通りだ。私が理事長室にいる間に霧野を見張っておいてくれ」
知らない方の気配が遠ざかる。次の瞬間、ガラッ!!という勢いの良い音と共に薫が現れた。
…………………………悪鬼のごとく、凄まじい形相で。
「「「ひぃっっ!!」」」
天馬、信助、影山の悲鳴が揃う。椿姫達と相対した者達は、彼女達より薫の方が数段怖いと激しく思った。
「霧野先輩、奴は何ですか」
静かな、しかし修羅も恐れるほどの激昂が含まれた声音に霧野はたじたじとした。
「…俺も相手したくないんだが…」
「ボクだってストーカーの相手なんて真っ平ごめんです!!とりあえず先輩が話をつけ……」
バ—————ン!!!
その大音量に全員がビクッと肩を揺らす。薫は「ボクはもう知らない」と呟いた。
「ああやっぱりここにいたのかい!!私の愛しきマイエンジェル!!」
「あ、秋空……」
霧野の顔が大きく引きつる。その視線の先にあるのはカールした金髪の少年だった。彼を見た三国がそっと神童に耳打ちした。
「神童、あいつは…?」
「……秋空九流美。霧野を愛する霧野の騎士です。……男ですけど」
「…何でこんなことになるんだよ……」
敵の少女にキスされるわ男子に迫られるわ。
今日は大厄日だ、と霧野は心の中で嘆いたのだった。