二次創作小説(紙ほか)

Re: イナGO 銀色の悪魔【オリキャラ募集中!!】 ( No.66 )
日時: 2015/04/30 16:32
名前: マイタケ (ID: zTfaOGJu)  

22話 闇影家
「ふぅん、九重椿姫と氷神黎ね〜……あー、あの2人か」
「薫知ってるの?」
「知ってるも何もこの2人も有名だよ。………というか」
薫はとある人物を冷ややかに見た。
「あんた何しに来たんですか?」
そこには霧野にじゃれつく秋空の姿があった。秋空は薫を見るとフッと笑った。
「何しに?当然サッカー部部員としてここにいるのだが?」
「今すぐ出て行ってください暑苦しい」
「おや星宮君、君は僕に妬いてい」
「今すぐ出ていけ変人。斬り捨てるぞ」
年上のはずなのに容赦なく、永久凍土のごとく言い放つ。この光景に誰もが苦笑いせざるをえなかった。
つい先程、秋空の入部試験を行い、見事(一部のものには残念な事に)合格したのだ。よってこの話し合いに参加したのだが…。
「…こいつ斬っていいですか?」
薫はさっきからこれしか言わない。出会った時点で確定したことだが、秋空との相性は最悪だ。
「…で、氷神黎と九重椿姫は?」
呆れながらも、神童が話を戻す。薫は氷のような目で秋空を一瞥すると、雷門イレブンに向き直った。
「氷神黎は人間と雪女のハーフ。九重椿姫は人間と鬼のハーフです」
「また人外かよ…」
倉間は嘆くかのようにぼやく。が、ただ1人だけこの話についていけないものがいた。
「…雪女?鬼?君達は何を言っているんだい?」
秋空である。
薫は面倒くさげな顔で説明をした。
黄昏の流星、薫の正体等々。
「信じられないな」
「では秋空先輩はこの話を信じる霧野先輩を嘘つきだと」
「よしわかった信じよう」即答する秋空を誰もが呆れたように見る。無論彼は気づかない。
「氷神家は今も北海道の山奥で栄えている家系ですから問題はないでしょう。問題は九重椿姫の実家…闇影家」
闇影家は数年前に没落した鬼一族。月影家とは深い親交があるのだ。しかし少し違うのは、闇影家はハーフなんてもってのほかという考えを持つということ。
ハーフは誇り高い鬼一族にとってみれば恥曝し以外の何者でもない。そのため椿姫は冷たく扱われていたらしい。
「で、月影柚樹の母親と九重椿姫の母親は姉妹なんだって」
「ええっ!?」
驚きの声があがるが言われてみると、柚樹と椿姫の面差しはどことなく似ている点がある。
「闇影家は昔、剣城の家の近くにあったっていう情報もあるよ」
「……ああ、確かにあった」
「他にも言い伝えがあってさ、『闇影最強の女鬼、同胞を不幸にしたり』って」
怖いよねーっと薫は笑った。