二次創作小説(紙ほか)
- Re: イナGO 銀色の悪魔【オリキャラ募集中!!】 ( No.68 )
- 日時: 2015/04/30 20:54
- 名前: マイタケ (ID: zTfaOGJu)
「ま、実際に九重椿姫が生まれてからの闇影家は勢力が衰えてたし。あながち間違いじゃないんだよねこれが」
薫はクスリと笑う。深緑の瞳は本当に面白がっていた。こういう部分を見ると、薫は別次元の存在であることを改めて思い知らされる。
「しかも後で調べたら鬼の力の痕跡バッチリ残ってたしねー」
恐らく椿姫本人は、柚樹と同じく自分の正体を把握していないのだろう。そうでなければ闇影の鬼がそんなへまをするわけがない。
「ってことは、早くもしないと駄目だなぁ」
「?どういう意味なんだ?」
霧野の質問に、薫は肩をすくめた。
「ルチャード曰わく、生体研究部が動き出しているらしいから」
「生体研究部?」
「解体大好き人間どもの集まり」
黄昏の流星・生体研究部は魔物の生体を研究するため、体を解体するのだ。しかも柚樹・椿姫・黎といった人外のハーフは研究者にとったら垂涎ものだ。本人達を無理やりでもラボに拉致するかもしれない。
「月影柚樹は月影家がバックにいるから無理。てことは九重椿姫と氷神黎は実験台になるね。下手したら生きたまま解剖される」
「なっ…!?」
あまりにも残酷非道な答えに天馬達は言葉を失った。それを横目に、薫は溜め息をつく。
「しかもグレンジャーは喜んで解剖を手伝うよ。なんせコレクションが増えるから」
「…グレンジャーって誰だド?」
聞き慣れない名前に天城が質問した。
「レイス・グレンジャー、左翼補佐官…唯一ボクと同等の権力をもつ猟奇マニア」
薫にとって最も苦手な人種である。初めて会ったとき、髪を一本くれと言われたこともある。薫の扱う東洋魔術はこの時代だと使用者が少ないからだ。
「…思い出したら腹立ってきた。秋空先輩一発殴らせてください」
「君には先輩を敬う心が無いのかい?」
「あんた以外の先輩は敬っています。あんたを敬ったら黒歴史確定なんで」
「…まぁ霧野を敬っているならよしとしよう。さぁ霧野、僕と一緒にデートに行こう!!」
「断る!!」
霧野は鮮やかな即答で切り返した。デートの相手が男なんて嫌だ。
が、
「先輩いってらっしゃい。その五月蝿いのをどっかにやってください」
「薫!?」
まさかの薫が秋空陣営についた。誰もが度肝を抜かれた顔をする。秋空は驚くほど爽やかな笑顔を浮かべた。
「ちょっと待て!!もう夕方だぞ!?」
「そっちの方が色々と楽しいじゃないか」
「先輩、朝練にまでは帰ってきてくださいよ」
霧野は声にならぬ悲鳴を上げた。