二次創作小説(紙ほか)
- Re: イナGO 銀色の悪魔【オリキャラ募集中!!】 ( No.78 )
- 日時: 2015/05/19 13:15
- 名前: マイタケ (ID: lcGOSbxj)
24話 争奪戦Ⅱ
「私は雅華南。デーモンエンジェル所属のDFよ」
「僕は秋空九琉美だ。よろしく、雅さん」
屋内グラウンドでは、華南と秋空が対峙していた。一見和やかな、しかしどこまでも殺伐としたオーラに誰もが慄く。
「…では先に3本取った方が勝ちでいいですね」
どこまでも棒読みで話す薫。天馬達に無理やり連れてこられたので若干不機嫌である。
薫がホイッスルを鳴らすと同時に2人は動いた。
激しいボールの奪い合いが続く。
暫くして、華南は秋空から距離を置いた。滑らかな動作で右腕を上げる。
「フェアリーフラック!!」
無数の可憐な妖精の群れが出現する。妖精達は秋空に向かって突っ込んでいった。
秋空が妖精達に気を取られている隙に、華南は巧みな足捌きでボールを奪う。彼女がそこから出て行くと、妖精達は秋空を巻き込んで自爆していった。
華南がシュートをする。それは柚樹や椿には劣るがデーモンエンジェルなだけあってかなりのものだった。
得点は1-0、華南がリードしている。
「すごいな…」
「ああ。ディフェンス能力がかなり高い」
霧野と神童の呟きに華南は妖艶な笑みを浮かべる。
「SSランクシードをなめないでくれる?」
薫がホイッスルを鳴らした。2点目も決めようと、華南がゴールへ向かおうとする。そこで秋空が必殺技を発動した。
「ローズウォール!!」
何百本もの薔薇の棘が地面から出てきて、華南を襲う。
「……っ!!!」
華南は小さな悲鳴を上げる。華奢な肢体が、ドサリとグラウンドに叩きつけられた。
秋空は小さな冷笑を浮かべてシュートを決めた。
「ゴッドノウズ!!」
得点は1-1、同点である。
「おや、デーモンエンジェルはこの程度かな?」
「…言ってくれるじゃない」
秋空の言葉に、華南の顔から表情が抜け落ちる。しかし、その緋色の瞳の奥には、澱んだ殺気が黒く蠢いていた。
「あなたに対する認識、少し改めた方が良さそうね」
乱れた紫色の髪を整え、冷酷に言い放つ。
「ハッキリいうけど、秋空君、嫌い」
あまりにもハッキリと言うので、誰もが、薫も秋空でさえも苦笑した。
「奇遇だね。僕もだよ」
「…ライバルって言うのもあるけど、」
華南は眦を吊り上げた。殺気や怒りが剥き出しの貌は、まるで日本の昔話に登場する鬼女にも似ていた。
「…我ら、デーモンエンジェルと、我らが白姫御前を侮辱する奴はもっと嫌い」
次の瞬間、
華南は桁違いのスピードで秋空との距離を詰めた。