二次創作小説(紙ほか)

Re: イナGO 銀色の悪魔 ( No.8 )
日時: 2015/03/23 21:07
名前: マイタケ (ID: lcGOSbxj)  

5話 圧倒
デーモン・エンジェルの猛攻は続いた。
柚樹は1人で攻めも守りも行う。時々GKが参加するものの、なんと剣城のシュートを指1本で止めてしまった。
一同が愕然とするなか、柚樹はサッサと上がっていく。
「ふわぁ〜ぁ」
柚樹はのんびりと欠伸をする。だが見事なボール捌きでDFを突破する。
「もうちょっと刺激のある試合を楽しみにしてたんだけどな〜。期待外れって感じ」
「なっ…!!」
侮辱された天城はカッとなった。その巨体を生かし、突進していく。
不意に、柚樹はニヤリと小さく笑った。それに剣城がいち早く気づく。
柚樹の真後ろには狩屋がいる。もし、柚樹がよけたら…。
「ゆず、やめろ!!」
剣城の声は届かなかった。柚樹は誰もが驚く跳躍力で天城をよけた。
狩屋と天城が見事に衝突する。
「っ、何するんですか天城さん!!後先考えずに…!!」
「お前こそ、ちゃんと前をよく見るド!!」
「2人とも、落ち着け、試合中だぞ!!」
霧野が注意をする。既に柚樹はシュートを放っていた。右に向かって。
天城達の衝突に意識を奪われていた信助は遅れて反応する。だが、その手は届かず、ゴールしてしまった。
デーモン・エンジェル、2点追加。



「おいゆず、どういうつもりだ」
剣城は柚樹に詰め寄った。
先程のプレー、明らかに天城と狩屋を衝突させるように仕向けていた。彼のよく知る月影柚樹のプレーではない。サッカーが大好きな彼女のプレーではない。
柚樹は溜め息をつく。剣城に背を向けた。
「あのさ、京介…サッカーなんてただ勝敗を争うだけの下らないスポーツだよ」
「なっ…!!」
剣城は愕然と彼女を見つめた。サッカーに対する侮辱を聞いた天馬たちが怒り出す。
「お前、もう一度言ってみろ!!」
「サッカーはくだらなくなんてない!!」
激情した天馬と神童の言葉に柚樹は殺気を放つ。
「あなた達、なにもわかってないよね…平和ボケした連中に、サッカーを語れるわけ!?現にあなた達はサッカーの光の部分しか知らない。だからそんなこと言えるのよ!!」
今までにない怒りの声とともに、ボールは真っ直ぐとゴールめがけて放たれた。


雷門——0 対 デーモン・エンジェル——32



圧倒的な実力と点差。
円堂達が駆けつけた時には、地面が抉れたフィールドに倒れている天馬達しかいなかった。